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烏賊の加工と調理に關する索引
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- 加工
- 乾燥烏賊(するめ)
- 烏賊の内蔵を除き素干し仕た製品を鯣(するめ)と謂う。鯣の製造は可成り古くから行われて居た者と考えられるが、此の名前が記録上に現れたのは紀元907年に編纂された『延喜式』に朝廷への献上品として記載されて居るのが初めてと謂われて居る。其の後、室町時代前後から戰後に至る迄、對中國貿易、對南方貿易の主要水産製品として用いられて來た。
- 裂烏賊(さきいか)
- 裂烏賊は、近年に成り最も急速に生産が伸びた烏賊加工品の一つで有る。初め鯣(するめ)を原料とした裂烏賊(鯣裂烏賊)から出發し、生スルメイカを原料とした生裂烏賊(ソフト裂烏賊)に移行し、更にアカイカを主原料とする製品に變化して居る。
- 伸烏賊(のしいか)
- 伸烏賊には、筏鯣(いかだするめ)、松風、錦烏賊、布袋(ほてい)烏賊等古來色々な呼称が有る。徳川時代には肥前松浦藩(長崎縣)の特産品として将軍家に毎年献上された名産品で、原料としては一番鯣、笹鯣、水鯣等の優良品が最も良いとされ、此等を味醂液に漬けて味附けした後、木槌で丁寧に打ち延ばして製造されて居た。大正時代に成り、二番鯣をローラーで伸ばした大衆製品が製造される様に成った。
- 烏賊佃煮(いかつくだに)
- 佃煮は、醤油、砂糖を濃厚に配合した調味料で海産物、農産物を煮熟し、原料を脱水させると共に製品中の塩分や糖分の濃度を高め貯蔵性を向上させた製品を謂う。併し、最近では此の様な本格的佃煮は名産品として僅かに生産されて居るに過ぎない。猶、時雨煮、飴煮、大和煮、田麩、昆布菓子を含めて佃煮と称呼する事も有る。
- 烏賊塩辛(いかしおから)
- 塩辛は、魚介類の筋肉、内蔵等に食塩を加えて腐敗を抑制すると共に、原料の持つ自己消化酵素や微生物の持つ酵素の作用で主として蛋白質を分解し、旨味を醸成させた者で有る。烏賊塩辛には赤造り、白造り、黒造りの三種が有る。赤造りは北海道(凾館)、東北地方が主産地で有り、黒造りは富山縣の名産品として知られて居る。猶、一杯漬け、沖漬け等も此れに類する者と考えられる。
- 烏賊薫製(いかくん)
- 夏烏賊を有効に利用する方法として北海道水産試驗場凾館支場(現道立凾館水産試驗場)で『いかくん』(烏賊燻製品)を試作したのが1942年で有る。當時は、胴(外套膜)を開か無いで頭脚部を附けた儘、内蔵と眼球を除去し、塩水で煮熟した後、燻乾して製品と仕た。現在の様な調味燻製品の起源に附いては種々の説が有るが、工場規模で生産され始めたのは1950年頃で凾館市内の數工場で輪烏賊、七味短冊等と共に製造されて居た。1955年頃から工場の數も急激に増え、一時は烏賊珍味製品の代表的生産物で有った。其の裂烏賊に王座を奪われ生産額も減少したが、最近再び生産が増加して居り、烏賊調味加工品の代表的製品で有る事には變わりが無い。
- 燒烏賊(やきいか)
- 姿燒きは、生烏賊、或いは、冷凍烏賊を剥皮、煮熟した後、調味、風乾した物を壓燒板で燒いた物で、初期には熱源として電気を用いて燒いたので電化燒きとも謂う。亦、鯣(するめ)の頭脚部を調味して燒いた燒きげそも有る。
- 塩烏賊(しおいか)
- 烏賊を塩漬けした製品を塩烏賊と謂う。塩漬後、乾燥させた物を塩干烏賊(しおぼしいか)と謂い、主産地は青森縣大畑町で、同縣の八戸市や大間町等でも製造されて居る。他にも、塩丸烏賊と称呼される製品も有る。
- 烏賊缶詰(いかかんづめ)
- 烏賊を原料とする缶詰は、明治の末に烏賊利用法の一つとして製造された者で、其の後次第に生産が伸びた。鮭、鱒、蟹等を原料とする缶詰と異なり輸出品としては好評が得られ無かったが、併し、可成り多量の烏賊水煮缶詰がシンガポール、マレーシア、アフリカ諸國等に輸出された事も有る。現在は國内向け味附缶詰を中心に製造され、輸出烏賊缶詰の生産量は極めて少ない。
- 其他の加工品
- 榮養
- 概要
- 食生活と烏賊
- 烏賊肉成分の榮養價
- 調理
- 基本
- 生物
- 煮物
- 茹物
- 燒物
- 揚物
- 炒物
- 蒸物
- 其他
- 利用(食品外利用)
- 烏賊のカラーテレビ
- バイオコンピュータのモデル
- 烏賊の養殖
- カラマリーフレンド
- 商品
- 全國優良烏賊加工品(水産加工品)販賣店
(加工の分類は、須山三千三、鴻巣章二、浜部基次、奥田行雄各氏共著、恒星社厚生閣刊『イカの利用』に依る)
参考文献
全國優良烏賊加工品(水産加工品)販賣店
ダイスイ(大野水産)
紹介 稚内の會社で、自社船を所有して居り、其の中には、第37鵬洋丸と命名された大型烏賊釣り漁船も有る。同船は、現在、
主に南西大西洋でアルゼンチンイレックスを、亦、ペルー沖でアメリカオオアカイカを漁獲して居る。魚類の旨味を最大限に抽き出す方法を
熟知した船員が周囲に多數居る爲、其の製品は秀逸で有る。
製品
ヤマセン(岩村商店)
紹介 八戸の會社で、自社船を所有して居り、其の中には、第21稲荷丸と命名された大型烏賊釣り漁船も有る。同船は、現在、
主に南西大西洋でアルゼンチンイレックスを、亦、ペルー沖でアメリカオオアカイカを、又は、北太平洋でアカイカを漁獲して居る。同社の
『烏賊一夜干し』は同船に依り洋上で製造されて居り、新鮮な原料を用いて居る爲、非常に良質な製品で有る。
製品 烏賊一夜干し、烏賊塩辛等
參考文献
『イカの利用』 須山三千三、鴻巣章二、浜部基次、奥田行雄各氏共著 恒星社厚生閣刊(1980年發行)
『いか加工の歴史』 全国するめ加工業共同組合編 全国するめ加工業共同組合刊(1975年發行)
『オレンジページCOOKING 基本の和食』 オレンジページ編集部編集 オレンジページ刊(1994年發行)
『新版 水産動物学』 谷田専治氏著 恒星社厚生閣刊(1972年發行)
『水産ハンドブック』 宇田道隆、大島泰雄、熊凝武晴、末広恭雄氏他編集 東洋経済新報社刊(1980年發行)
『イカはしゃべるし、空も飛ぶ』 奥谷喬司氏著 ブルーバックス刊(1989年發行)
『詳細図鑑 さかなの見分け方』 藍澤正宏、井田齊、奥谷喬司、河端寛司氏他編集 講談社刊(1998年發行)