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伸烏賊(のしいか)に關する索引

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  1. 伸烏賊(のしいか)
    1. 白ノシイカ
    2. 甘ノシイカ
    3. 生ノシイカ


白ノシイカ

原料 スルメの農林規格に依る一等級、又は、二等級の良質なスルメを用いる。三等級以下の蒸(む)れ臭や黴(かび)臭の有る物は 避けなければ成ら無い。一般には胴肉(外套膜)丈を用いる。

剥皮 頭脚肉を除いた胴肉から鰭と表皮を除去する。此の操作は手に依る場合と機械に依る場合とが有る。手で剥皮するには、 先ず先端部から鰭を前方に引いて中央部の表皮と一緒に胴肉から引き剥がす。次いで其の左右両側の皮を同じ様に引いて除去する。

暗蒸 剥皮したスルメに、水か調味液を噴霧するか、スルメを水か調味液に輕く浸漬してから堆積し、一夜暗蒸する。液の使用量、 浸漬時間はスルメの乾燥程度に依り異なるが、粗(ほぼ)5%程度の水が吸収される位が良い。吸収が餘り多いとスルメが柔らかく成り過ぎ、 温暖な時には異臭を發する事も有る。

伸展 暗蒸が終了すれば、次に加熱して伸展する。加熱は、スルメ特有の臭気を除去し、香気を發生させると共に、次の伸展を 容易にさせる効果が有る。加熱方法としては、焙燒と蒸煮の二種が有るが、ノシイカの場合は焙燒の方が製品の風味が良い。蒸煮に依る 方法は、ノシイカ佃煮等を製造する場合に多く用いられる。亦、加熱時間は、焙燒温度や原料(夏スルメ、秋スルメ、後採りスルメ等)に依り 若干異なるが、一般には火膨れや焦げ目が附か無い程度で、而もスルメ独特の香気を發生する程度が良い。加熱が過度で有れば外觀を 損じ、不充分な時は平均に伸展出來ない。特にスルメの端と中央部、表面と内面に温度差が有れば、伸展に斑(むら)が出來易いから 注意しなければ成らない。
加熱したスルメは、冷却し無い内に、ローラー懸けし、3乃至5倍の長さに迄伸展する。此の時、肉温が摂氏50度以上で無いと充分に伸展し 無いと謂われる。猶、一回の伸展で目的の長さ迄伸展し様とすると無理が懸かるから、少なく共三回位に分けて厚さを徐々に薄くする様に 仕て伸展する。一般には、此の爲に多段式壓延機が用いられる。伸展が完了した物は、水分を調整した後、其の儘、或いは、適当な大きさに 切斷して、夫れ夫れの用途に向ける。
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甘ノシイカ

解説 白ノシイカと同様に良質のスルメを原料とし、剥皮した後、味醂(みりん)、又は、下記に例示した様な調味液に15分位浸漬して 味附けし、乾燥した後、白ノシイカと同様に焙燒、伸展した物を甘ノシイカと謂う。

合成甘味料:砂糖の30倍甘味の物
調味料配合例
2000cc2000cc
醤油300cc400-500cc
砂糖85g400g
水飴-600-800g
合成甘味料-20g
寒天-4g
食塩60g-
亦、白ノシイカに調味液を刷毛で塗布し味附けした後、摂氏50乃至60度で30分前後乾燥し、水分を調整して製了する場合も有る。
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生ノシイカ

調理 白ノシイカ、甘ノシイカがスルメを原料とするのに對して、生烏賊を原料としたノシイカを生ノシイカと謂う。製品は色々有るが、 此處では一例として七味短冊に附いて記す。生烏賊を截劃するか壺抜(つぼぬき)して内蔵を除去し、胴肉丈を使用する。鰭(ひれ)は使用し 無い。

剥皮 洗浄して汚物を除去した後、摂氏50乃至55度の温湯中で攪拌剥皮し、再び水洗いする。

煮熟 截劃した物は其の儘、亦、壺抜した物は切開した後、沸騰水中で15分位煮熟する。煮熟が終了すれば、冷水中に投入して 冷却する。

截斷 冷却し水切り仕た物を、長さ5糎位、幅5粍前後に截斷して、充分水乾きさせる。

調味 截斷肉100に對して、砂糖15、食塩3乃至4、グルタミン酸ソーダ0.5の様な割合で混合した調味料を擦り込む様に仕て 混ぜ合わせ、4乃至5時間堆積・暗蒸する。

伸展 暗蒸調味が終了すると、七分乾き程度に成る迄乾燥する。暖かい内に伸展機に懸け短冊形に成る様に伸展する。七味 唐辛子に南蛮粉、又は、胡椒を混ぜた物を此れに撒布・混合して製了する。
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