切いか佃煮
原料 原料としてはスルメの農林規格に依る上級のスルメを用いる事が望ましい。下級スルメは臭気を有する物が有り、色調も
惡く、其れ等を使用、又は、混用すると、良質の製品が得られ無い。
切斷 切烏賊を製造するには、原料を其の儘刻む、剥皮した物を刻む、剥皮して二枚に卸した物を刻む等の方法が有る。勿論、
剥皮して二枚に卸した物を刻む方法を用いた者が極上品で有る。猶、原料を其の儘刻む場合、胴肉(外套膜)丈を刻む場合と頭脚部を
混ぜて刻む場合とが有る。
切刻を行う時、豫(あらかじ)め原料のスルメに適度の水を噴霧して湿気を與えた後、スルメを刻み機に合わせて重ね、壓縮機に依り締め
附け、刻み機で端から削る取る様に仕て刻む。切烏賊の水分が多い時は、空煎(からいり)を行う。
空煎 空の釜をとろ火で加熱し、釜底に手を當てて乃至3秒耐えられる程度の温度に保持する。此の中に切烏賊を解(ほぐ)し乍ら
投入し、原料全体を攪拌棒で反転させ乍ら加熱する。水分が蒸發し適当な乾燥度に成ると、切烏賊は収縮して來るので手早く取り上げる。
調味 調味料の配合は業者に依り異なるが、下記に其の例を示す。
調味料 | 配合例(單位:瓦) |
砂糖 | 22000 | 1500 | 12000 |
水飴 | 25000 | 2250 | 16000 |
食塩 | 1000 | 112-150 | 2100 |
寒天 | 50 | 10 | - |
水 | 12600 | 適量 | 9000 |
熱湯に寒天を溶かし、此れに砂糖、醤油等を加え、別に用意した味醂(みりん)希釈液を混ぜて調味液を調製して置く。先ず原料量に對應する
調味液を釜に取り加熱する。沸騰して來たら切烏賊を投入し、稍(やや)火力を弱め、攪拌棒で原料を手早く揉み解す様に仕て掻き混ぜる。
調味液が充分原料に廻った頃を見計らい火力を強め、焦げ附か無い程度に煎り附けてから手早く取り上げる。煎り附けは、原料が縮み始める
程度が良い。過度に成ると団子状に集まる様に成る。
冷却 取り上げた佃煮はステンレス張りの冷却板の上に擴げて、丁寧に解し、焦げ附き部分を除去し、送風し乍ら平均に冷却する
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あられ佃煮
原料 原料としてはスルメの農林規格に依る上級のスルメの胴肉(外套膜)を用いる。下級スルメは臭気を有する物が有り、色調も
惡く、其れ等を使用、又は、混用すると、良質の製品が得られ無い。胴肉から鰭(ひれ)と表皮を除去し、蒸煮、湯掻き、或いは、焙燒に依り
加熱した後、伸展機に懸け、3乃至5倍の長さに壓延して伸烏賊とする。
切斷 壓延した物を切斷機に依り、長さ5乃至6糎、幅10乃至13粍位の霰(あられ)に切斷する。
調味 調味料の配合は業者に依り異なるが、下記に其の例を示す。
調味料 | 配合例(單位:瓦) |
砂糖 | 1500 | 11000 |
水飴 | 4500 | 17000 |
食塩 | 112-150 | 1800 |
寒天 | 13.5 | - |
色素 | 適量 | - |
水 | 適量 | 8100 |
調味液を釜に取り輕く沸騰させ乍ら15乃至20分煮詰める。調味液が適度にトロミを帶びる程度に濃縮されたら火力を弱め、定量の霰を入れ、
手早く上下反転させ乍ら均一に調味料が塗(まぶ)さる様にする。
冷却 釜底に調味液が殘ら無い様に成れば、取り上げ、冷却板に擴げて、送風し乍ら手返しを行い、平均に冷却する。猶、適当な
濃度の調味液を容器に取り、霰を投入して良く攪拌し、蓋を仕て一定時間放置し、其の後更に上下反転して調味液が平均に廻る様に仕た後、
取り上げ、冷却板上に移して冷却する方法も有る。
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