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烏賊の加工と調理

烏賊燻製(いかくん)に關する索引

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  1. 烏賊燻製(いかくん)
    1. いかくん


いかくん

原料 烏賊燻製には、烏賊の胴肉(外套膜)丈を使用する。主原料はスルメイカで有るが、最近はアカイカや其他の烏賊を用いる 事も有る。

調理 烏賊の頭脚肉の附け根を胴肉から離し、傷附け無い様に注意し乍ら内蔵を引き抜く。此の作業を壺抜(つぼぬき)と謂う。此の 時、肝臓(ゴロ)が途中で切れると腹腔内が汚されるから丁寧に行わなければ成ら無い。次に胴肉から鰭(ひれ)を切去する。猶、鰭と頭脚肉は 他の用途、例えば塩辛、燒きゲソ等に向ける。亦、鮮度が惡い原料は、歩留が惡い許りで無く、肝臓が腹腔内で溶けて胴肉を汚染して居る事も 有るので注意しなければ成ら無い。

洗浄 調理した胴肉を水槽内で手早く洗浄する。此の時、腹腔内の殘存物(殘滓)や軟甲を取り出す。

剥皮 次いで剥皮する。原料烏賊を皮附きの儘煮熟すると、表皮中の色素の一部が溶け出して肉を赤桃色に染め、一部は黒ずんだ 状態で固定され、亦、皮と肉が結着して、洗浄しても仲々皮が剥離せず、肉色も退色せず、其の爲、燻乾後の外觀が見苦しく成る。
剥皮方法としては色々有るが、一般には温湯中で攪拌して剥皮する方法か、又は、酢酸ソーダを用いる方法で行われて居る。剥皮温度は 摂氏50乃至55度が最適で、所要時間は原料烏賊の種類、漁獲時期、鮮度、及び、冷凍の有無等に依り異なる。鮮度低下した烏賊や冷凍した 烏賊は早く、鮮度の良い物程長い時間が懸かる。猶、工場に依り、調理後直ちに脱皮機に入れ剥皮する事も有る。
煮熟 剥皮を終了すると、洗浄して附着した皮屑を除去した後、摂氏80度で2乃至3分煮熟する。猶、冷凍した夏烏賊の中には 煮熟に依り肉が硬く成る物も有るので、此の煮熟時間、煮熟温度は原料に依り加減する必要が有る。亦、煮熟の時に調味液を用い、第一次 調味を行う方法も有るが、味の均一化、調味料の節約等の點から問題が有り、一般には淡水を使用して煮熟を行う。

調味 下記に示した様な各種の調味料を良く混合して置き、冷水中で冷却し水切りした胴肉に加え、攪拌機等を用いて混合する。
核酸系調味料:WP、リボタイド、天然調味料:アジメート
區分調味料配合例(單位:切斷肉100に對する割合)
第一次調味砂糖205-2010-1520
食塩63-53-55.3
グルタミン酸ソーダ10.2-1-1
核酸系調味料---0.05
第二次調味砂糖125-155-1510
食塩3.62-52-52.7
グルタミン酸ソーダ0.80.5-1.20.2-1.20.1
核酸系調味料0.02--0.02
天然調味料0.2---
上記を容器に取り分け6時間以上調味するが、此の時に時々反転混合を行い、調味料の均一な浸透を圖る事が大切で、此の操作が不充分な 場合は調味料が多く附いた部分は肉が半透明と成り硬く成る。

燻乾 第一次調味が終了すると、燻製用テンダーに懸けて表面を輕く風乾した後、燻製室に入れる。燻製室は周囲の壁が耐火構造の 者で、大きさは床面積3.3平米以下の者が使い易い。堅木の薪を用い摂氏50乃至70度で3乃至5時間燻乾する。専門書の中に燻材として 白樺が記載されて居る事が有るが、表皮の附いて居る白樺は油煙が多く出て製品の色が黒ずんで仕上がるので避けた方が良い。亦、松や 杉等の針葉樹の薪や鋸屑は、タール臭が強く赤味の濃い仕上がりに成る。色を薄く仕上げるには、最初風乾した後、仕上げに燻乾するか、 燻液等で燻臭を附けた後、乾燥すれば良い。製品を包装した後加熱する場合は、燻色が可成り濃く成る事に留意して色調を調製する必要が 有る。

切斷 燻乾を終了して冷却した物は、表面に附着して居る塵埃を綺麗に清拭した後、先ずカッターで両端を切除し、次いで厚さ1乃至 2粍に輪状に切斷する。カッターは、以前烏賊燻製専用の物が用いられて居たが、最近の様に軟らかい製品では普通のカッターでも良い。

仕上 屑肉を選別除去した後、豫めミキサー等で混合した調味料で仕上げ調味を行う。此の時、ソルビン酸や縮合燐酸塩等も加える。 調味が終了すれば、水分を調整した後、包装し出荷する。
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