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烏賊の加工と調理

烏賊缶詰(いかかんづめ)に關する索引

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  1. 烏賊缶詰(いかかんづめ)
    1. 味附缶詰:一般的製造法ロール懸け烏賊大和煮缶詰フレーク状烏賊大和煮缶詰烏賊巴煮缶詰三寳煮缶詰
    2. 水煮缶詰:一般的製造法フレーク状烏賊水煮缶詰ミンスドスクイッド缶詰
    3. 烏賊薫製油漬缶詰:烏賊温燻油漬缶詰烏賊味附燻製油漬缶詰
    4. 其他の缶詰


味附缶詰(一般的製造法)

調理 新鮮なスルメイカ(ニュージーランドスルメイカ、カナダマツイカ、アルゼンチンマツイカを含む)の内蔵を破ら無い様に注意し 乍ら壺抜(つぼぬき)し、軟甲も除去する。次に包丁で内蔵を頭脚部から切斷して除去すると共に、頭部を切り開いて眼球、嘴(くちばし)を 取り除く。

洗浄 調理が終了すれば、烏賊の胴肉と頭脚肉を夫々れ洗浄し、水切りする。特に脚肉(腕肉)は揉む様に仕て洗い、吸盤を完全に 除去する事が必要で有る。

剥皮 皮を附けた儘缶詰にすると、皮が肉から離れて液の中に浮遊し、開缶した時に外觀を損なう爲、前處理として剥皮を行わなけ れば成ら無い。剥皮方法は色々有るが、缶詰の場合は、沸騰水、又は、沸騰塩水中で10乃至15分煮熟し、熱い内に籠の中で激しく回転させ 籠と魚体の摩擦で剥皮した後、水中で一尾宛束子(たわし)を使用して丁寧に剥皮する方法や、煮熟後直ちに水中に入れ束子で剥皮する方法 等の高温処理法が用いられて居る。摂氏50乃至55度の温湯中で攪拌し剥皮した後煮熟する方法は、外觀の良い製品が出來るが、煮上がり 歩留は前者に比較して惡い。
頭脚肉の眼球の周囲の部分は一般に剥皮され難い爲、特に注意して剥皮する。剥皮が終了すれば、良く洗浄して水切りする。洗浄に際しては 胴肉の腹腔内部に注意し、軟甲、鰓(えら)等の殘滓が殘存して居れば綺麗に除去する。
肉詰 胴肉に頭脚肉を詰め込み、2糎位の適当な高さに輪切りにし、此れを缶に詰める。猶、切斷し無いで其の儘肉詰めする事も 有る。亦、肉詰量は、開缶時に烏賊缶詰の日本農林規格に合う様に仕無ければ成らない。

調味 調味液(例えば、醤油1.8立、砂糖1.8瓩、水1.8立の割合で配合)を缶に注入する。猶、剥皮、洗浄した後、調味液で 10乃至12分味附けし、放冷後に肉詰する方法も有る。此の時は調味液の殘液を細かい金網で濾過し、此れに調味料を追加して注入液とする。

殺菌 定法に依り脱気、巻締した後、四号缶(固形量300瓦、内容総量420瓦)の場合、摂氏108.4乃至111.3度で60乃至 90分殺菌加熱する。殺菌加熱が終了すれば、急冷し、水気を抜き取り箱詰する。
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味附缶詰(ロール懸け烏賊大和煮缶詰)

調理 新鮮なスルメイカ(ニュージーランドスルメイカ、カナダマツイカ、アルゼンチンマツイカを含む)を截劃し、頭脚部、内蔵、軟甲等を 除いた胴肉部丈を使用する。

洗浄 調理が終了すれば、殘滓が殘ら無い様に、良く洗浄する。

剥皮 沸騰水で5分煮熟した後、水中で束子(たわし)を用いて剥皮するか、摂氏50乃至55度の温水中で攪拌・剥皮した後、煮熟す る。歩留に重きを置く場合は前者を、亦、烏賊特有の諄味(くどみ)を少なくする場合には後者を用いる。

伸展 煮熟した物を水切りし、溝附ローラーで縦に三回位伸展する。煮熟の時間が長いと伸びが惡く成る爲、5分程度の加熱が良い。

截斷 伸展した烏賊を長さ5糎、幅2糎位の大きさに截斷した後、摂氏85乃至90度の熱湯中で15分加熱して臭気と呈味成分を除く。

調味 處理肉10瓩當たり醤油4.8立、砂糖940瓦、グルタミン酸ソーダ5.6瓦、水4.5立、牛乳0.5立、ゼラチン少量を配合した 調味液を用いて、摂氏85乃至90度で15分間調味し、調味液を切って冷却する。滴下した調味液は1.5粍目の金網で濾過し注入液とする。

肉詰 平二号缶に総量215瓦、固形量175瓦に成る様に肉詰する。普通調味液を吸収して固形量が増加する爲、調味肉145乃至 150瓦、調味液70乃至65瓦入れると良い。

殺菌 定法に依り脱気、巻締した後、摂氏106.9乃至111.3度で60分殺菌加熱する。猶、摂氏115.2度で60分殺菌加熱すると 肉質が軟らかく成る。
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味附缶詰(フレーク状烏賊大和煮缶詰)

調理 新鮮なスルメイカ(ニュージーランドスルメイカ、カナダマツイカ、アルゼンチンマツイカを含む)の外套部の腹部中央を縦に 一直線に切り開く。次に頭脚部を漏斗中央部の處から切り開き、内蔵・眼球・嘴(くちばし)等を除去する。此の作業中、内蔵を傷附け無い 様に注意し無いと、肉の汚れが著しく成る。

洗浄 調理が終了すれば、殘滓が殘ら無い様に、良く洗浄する。

剥皮 摂氏50乃至55度の温湯中で攪拌し剥皮する。

煮熟 剥皮・洗浄した物を摂氏85乃至90度の熱湯中に約5分間煮熟する。

破砕 煮熟が終了すれば、伸展機に懸け、縦に強く引き伸ばす。此の場合、ノシイカの場合とは反對にローラーの間隔を最初から 狭くすると、肉は破砕されて出て來る。亦、ローラーに溝を附けると良く破砕される。此れを揉み解(ほぐ)してフレーク状にする。

調味 フレーク状の肉に醤油10立、水10立、砂糖4.2瓩の割合の調味液を加え、摂氏80度で5分間調味する。亦、調味殘液を 集めて煮沸・冷却した物を布濾し仕て注入液とする。

肉詰 六号缶に調味肉150瓦、注入液55瓦を加え、脱気・巻締した後、殺菌加熱する。
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味附缶詰(烏賊巴煮缶詰)

調理 新鮮なスルメイカ(ニュージーランドスルメイカ、カナダマツイカ、アルゼンチンマツイカを含む)の内蔵を破ら無い様に注意し 乍ら壺抜(つぼぬき)し、軟甲も除去する。次に包丁で内蔵を頭脚部から切斷して除去すると共に、頭部を切り開いて眼球、嘴(くちばし)を 取り除く。

洗浄 調理が終了すれば、烏賊の胴肉と頭脚肉を夫々れ洗浄し、水切りする。特に脚肉(腕肉)は揉む様に仕て洗い、吸盤を完全に 除去する事が必要で有る。

剥皮 摂氏50乃至60度の温湯中で15分攪拌・剥皮し、更に摂氏100度で10分間煮熟する。其の後、殘滓を完全に除去する様に 充分洗浄し水切りしてから、胴肉内に頭脚肉を詰め込み、整形して陰干しで1時間位風乾する。

調味 陰干し仕た物を醤油2立、水1立、砂糖420瓦の割合の調味液で味附けする。

肉詰 調味が終了すれば、暫く放冷し、烏賊の末端より3糎に切斷して、平二号缶に一段詰めする。次に豫め用意して置いた昆布、 大豆を詰める。猶、昆布は約0.7糎角に切斷した物を約3時間水に浸して軟化させた物を、亦、大豆は一夜水に浸し湯煮した物を使用する。 肉詰量は、平二号缶で烏賊肉110瓦、昆布30瓦、大豆50瓦で有る。此れに醤油2立、水1立、砂糖1.2瓩の割合で混合した注入液60瓦 を注入する。

殺菌 定法に依り脱気・巻締した後、殺菌加熱する。
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味附缶詰(三寳煮缶詰)

調理 新鮮なスルメイカ(ニュージーランドスルメイカ、カナダマツイカ、アルゼンチンマツイカを含む)を截劃し、頭脚部、内蔵、軟甲等を 除いた胴肉部丈を使用する。

洗浄 調理が終了すれば、殘滓が殘ら無い様に、良く洗浄する。

剥皮 沸騰水で5分煮熟した後、水中で束子(たわし)を用いて剥皮するか、摂氏50乃至55度の温水中で攪拌・剥皮した後、煮熟す る。歩留に重きを置く場合は前者を、亦、烏賊特有の諄味(くどみ)を少なくする場合には後者を用いる。

伸展 煮熟した物を水切りし、溝附ローラーで縦に三回位伸展する。煮熟の時間が長いと伸びが惡く成る爲、5分程度の加熱が良い。

截斷 伸展した烏賊を長さ5糎、幅2糎位の大きさに截斷した後、摂氏85乃至90度の熱湯中で15分加熱して臭気と呈味成分を除く。

調味 截斷した烏賊肉を、醤油1立、水1立、砂糖210瓦、グルタミン酸ソーダ焼く10瓦の割合の調味液で味附けする。亦、昆布は 2糎角位に切り3時間程水に浸した後、所謂(いわゆる)ネト落としを仕て置く。大豆は水漬け仕た後、約1時間煮熟し稍(やや)柔らかな程度に 煮上げて置く。

肉詰 平二号缶に烏賊肉100瓦、昆布25瓦、大豆50瓦を、表面を三等分する様に肉詰する。注入液は醤油1立、水1立、砂糖140 瓦の割合で作り、45瓦を注入する。

殺菌 定法に依り脱気・巻締した後、殺菌加熱する。
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水煮缶詰(一般的製造法)

調理 新鮮なスルメイカ(ニュージーランドスルメイカ、カナダマツイカ、アルゼンチンマツイカを含む)の内蔵を破ら無い様に注意し 乍ら壺抜(つぼぬき)し、軟甲も除去する。次に包丁で内蔵を頭脚部から切斷して除去すると共に、頭部を切り開いて眼球、嘴(くちばし)を 取り除く。

洗浄 調理が終了すれば、烏賊の胴肉と頭脚肉を夫々れ洗浄し、水切りする。特に脚肉(腕肉)は揉む様に仕て洗い、吸盤を完全に 除去する事が必要で有る。

剥皮 皮を附けた儘缶詰にすると、皮が肉から離れて液の中に浮遊し、開缶した時に外觀を損なう爲、前處理として剥皮を行わなけ れば成ら無い。剥皮方法は色々有るが、缶詰の場合は、沸騰水、又は、沸騰塩水中で10乃至15分煮熟し、熱い内に籠の中で激しく回転させ 籠と魚体の摩擦で剥皮した後、水中で一尾宛束子(たわし)を使用して丁寧に剥皮する方法や、煮熟後直ちに水中に入れ束子で剥皮する方法 等の高温処理法が用いられて居る。摂氏50乃至55度の温湯中で攪拌し剥皮した後煮熟する方法は、外觀の良い製品が出來るが、煮上がり 歩留は前者に比較して惡い。
頭脚肉の眼球の周囲の部分は一般に剥皮され難い爲、特に注意して剥皮する。剥皮が終了すれば、良く洗浄して水切りする。洗浄に際しては 胴肉の腹腔内部に注意し、軟甲、鰓(えら)等の殘滓が殘存して居れば綺麗に除去する。

肉詰 水切り仕た烏賊胴肉に頭脚部を詰め込み、此れを缶に詰め、食塩水を注入する。注入食塩水は、ボーメ4度の食塩水1立に グルタミン酸ソーダ8瓦、クエン酸2瓦を溶かした物を用いる。缶型に依っては切斷して肉詰する。肉詰量・注入食塩水量は、開缶時に烏賊 缶詰の農林規格に合致する様に行う。

殺菌 定法に依り脱気・巻締した後、殺菌加熱する。殺菌加熱が終了すれば、急冷し、水気を拭き取った後、箱詰する。
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水煮缶詰(フレーク状烏賊水煮缶詰)

調理 新鮮なスルメイカ(ニュージーランドスルメイカ、カナダマツイカ、アルゼンチンマツイカを含む)の外套部の腹部中央を縦に 一直線に切り開く。次に頭脚部を漏斗中央部の處から切り開き、内蔵・眼球・嘴(くちばし)等を除去する。此の作業中、内蔵を傷附け無い 様に注意し無いと、肉の汚れが著しく成る。

洗浄 調理が終了すれば、殘滓が殘ら無い様に、良く洗浄する。

剥皮 摂氏50乃至55度の温湯中で攪拌し剥皮する。

煮熟 剥皮・洗浄した物を摂氏85乃至90度の熱湯中に約5分間煮熟する。

破砕 煮熟が終了すれば、伸展機に懸け、縦に強く引き伸ばす。此の場合、ノシイカの場合とは反對にローラーの間隔を最初から 狭くすると、肉は破砕されて出て來る。亦、ローラーに溝を附けると良く破砕される。此れを揉み解(ほぐ)してフレーク状にする。

肉詰 六号缶にフレークを150瓦詰め、注入液を50瓦加える。注入液は、水1立に對し食塩40瓦、グルタミン酸ソーダ5瓦、 クエン酸2瓦を溶解した物を使用する。

殺菌 定法に依り脱気・巻締した後、殺菌加熱する。
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水煮缶詰(ミンスドスクイッド缶詰)

調理 新鮮なスルメイカ(ニュージーランドスルメイカ、カナダマツイカ、アルゼンチンマツイカを含む)の内蔵を破ら無い様に注意し 乍ら壺抜(つぼぬき)し、軟甲も除去する。次に包丁で内蔵を頭脚部から切斷して除去すると共に、頭部を切り開いて眼球、嘴(くちばし)を 取り除く。

洗浄 調理が終了すれば、烏賊の胴肉と頭脚肉を夫々れ洗浄し、水切りする。特に脚肉(腕肉)は揉む様に仕て洗い、吸盤を完全に 除去する事が必要で有る。

煮熟 ボーメ10度の食塩水を用い摂氏50乃至55度で15分加熱し、次いで沸騰水中で10分間煮熟を續けた後、剥皮する。

細砕 剥皮した物を短時間風乾して脱水させた後、1乃至1.5糎目のプレートを附けたチョッパーに懸けて細砕する。

肉詰 二号缶(固形量600瓦、内容総量830瓦)に詰め、豫め適量のラードを加えた注入液を加える。

殺菌 定法に依り脱気・巻締した後、殺菌加熱する。

補足 此の缶詰は、學校給食用に生産された物で有る。

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烏賊燻製油漬缶詰(烏賊温燻油漬缶詰)

調理 新鮮なスルメイカ(ニュージーランドスルメイカ、カナダマツイカ、アルゼンチンマツイカを含む)の内蔵を破ら無い様に注意し 乍ら壺抜(つぼぬき)し、軟甲も除去する。次に包丁で内蔵を頭脚部から切斷して除去すると共に、頭部を切り開いて眼球、嘴(くちばし)を 取り除く。

洗浄 調理が終了すれば、烏賊の胴肉と頭脚肉を夫々れ洗浄し、水切りする。特に脚肉(腕肉)は揉む様に仕て洗い、吸盤を完全に 除去する事が必要で有る。

煮熟 摂氏50乃至60度の温湯中で攪拌して剥皮した後、ボーメ10度の食塩水で摂氏100度、10分間煮熟する。其の後、冷却・ 水切りした胴肉内に頭脚肉を詰め込み、末端を楊子(ようじ)で閉じる。

燻乾 上記を鈎(かぎ)に懸けて12乃至17時間充分に風乾した後、堅木を用いて摂氏30乃至55度で3乃至4時間燻乾を行う。 猶、後に行う殺菌に依り燻煙色は可成り強く成る爲、燻乾後の色調は薄目に仕て置く。

肉詰 冷却した後、鈎から外して楊子を抜き取り、末端から長さ2.2糎の厚さに切斷し、平二号缶に菊花状に並べ二段詰めとする。 猶、固形量は180瓦とする。

脱気 肉詰した缶を脱気箱で摂氏100度、20分間加熱脱気すると共に、缶内の水分を出來る限り排除する。

注油 注入油(大豆油、又は、綿実油)を豫め摂氏100度に加熱して置き、缶に20乃至30瓦注入する。

殺菌 注油後、直ちに巻締し、殺菌加熱する。
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烏賊燻製油漬缶詰(烏賊味附燻製油漬缶詰)

調理 新鮮なスルメイカ(ニュージーランドスルメイカ、カナダマツイカ、アルゼンチンマツイカを含む)を截劃し、頭脚部、内蔵、軟甲等を 除いた胴肉部丈を使用する。

洗浄 調理が終了すれば、殘滓が殘ら無い様に、良く洗浄する。

煮熟 摂氏50乃至55度の温湯中で攪拌して剥皮した後、輕く煮熟する。

調味 水1立、砂糖48瓦、食塩60瓦、グルタミン酸ソーダ4.8瓦の割合の調味液を用意し、煮熟肉1瓩に對し800竓の割合で漬け 込み、輕壓を加えて一夜放置する。

燻缶 調味液から取り出し、水切りした後、表面の水分が無く成る迄風乾し、摂氏25度で一昼夜、又は、摂氏35乃至55度で3乃至 4時間燻乾する。燻乾は表面に輕く燻色が附く程度で止める。

肉詰 表面に附着した燻煙を拭き取った後、長さ7.5糎、幅1糎程度に斜め切りする。此れを平二号缶の時は185瓦、角三号缶の 時は160瓦肉詰する。

注油 肉詰した缶を脱気箱で摂氏100度加熱して浸出液を除いた跡、注入油(サラダ油)を平二号缶の時は30瓦、角三号缶の場合 は25瓦を注入する。

殺菌 注油後、直ちに巻締し、殺菌加熱する。
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其他の缶詰

解説 烏賊の鈴蘭煮缶詰(ネオネクター缶詰)、フィッシュボール缶詰が生産されて居る他、アカイカ蒲燒が試作されて居る。
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