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烏賊の加工と調理

塩烏賊(しおいか)に關する索引

(赤文字の部分をクリックすると詳細説明が表示されます。)

  1. 塩烏賊(しおいか)
    1. 塩干しイカ(塩干しスルメ)
    2. 塩丸イカ


塩干しイカ(塩干しスルメ)

原料 一般に鮮度の極めて良好なスルメイカが用いられる。揮發性塩基窒素量が20瓱/100瓦以上の烏賊では製造中に赤變等の 惡變が現れ、亦、塩水漬けする時に鮮度の惡い物は塩分の浸透が惡く身痩せする事が多いと謂われて居る。

調理 極めて新鮮なスルメイカ(ニュージーランドスルメイカ、カナダマツイカ、アルゼンチンマツイカを含む)の外套部の腹部中央を縦に 一直線に切り開く。次に頭脚部を漏斗中央部の處から切り開き、内蔵・眼球・嘴(くちばし)等を除去する。此の作業中、内蔵を傷附け無い様に 注意し無いと、肉の汚れが著しく成る。

塩漬 調理が終了すると、希薄塩水(海水)で表面の汚物を洗い落とし水切りした後、塩漬けするが、塩漬けには立て塩漬けに依る 場合と撒(ま)き塩漬けに依る場合が有る。立て塩漬けの場合は、ボーメ15乃至20度の食塩水に3乃至4時間(甘塩物を製造する場合は 30乃至60分)浸漬する。撒き塩漬けの場合は、原料の5乃至15%の食塩を使用する。
猶、塩漬けに依り塩可溶性窒素が溶出し身痩せの原因と成る爲、餘り長時間の浸漬は避けなければ成ら無い。亦、鮮度低下した烏賊を用い 塩分を多くしても良い製品が得られ無い。副食としては、塩分17%位の物が適当で有る様に思われるが、最近は嗜好の變化や低温流通の 發達から、塩分の少ない物が望まれる傾向に在る。

乾燥 塩漬けが終了すると、淡水中で輕く水洗いして表面の塩分を除去する。此れは乾燥に依り食塩が表面に析出するのを防ぐ 爲で、水洗いの時に出る泡が表面に附か無い程度迄洗う事が適度な洗浄で有ると謂われて居る。
洗浄を終えた烏賊は直ちに乾燥に移す。乾燥法には縄懸け、暖簾(のれん)懸け、簀(す)干し等の方法が用いられる。前二者を吊し干し、 後者を地下(じか)干しとも謂う。塩干しイカの場合は、簀の子干しにする事が多い。此の時に簀の子の跡が附か無い様に注意しなければ成ら 無い。乾燥は、一般に水分40%程度迄行う。水分の少ない物は、燒いて食べる時の触感が惡く、亦、多い物は惡變し易い。
亦、塩干しイカの貯蔵性は、塩分よりも水分に左右され易いと謂われて居る。塩干しイカは透明感が有り光沢の有る製品が良く、赤味を帶びた 物や白粉を生じた物は下級品として扱われる。
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塩丸イカ

原料 鮮度良好なスルメイカを使用する。

調理 壺抜(つぼぬき)に依り胴肉(外套膜)と頭脚肉を分離し内蔵を除去する。

剥皮 沸騰水中に投入して攪拌し、再沸騰後10分で取り上げ、流水中で洗浄・剥皮し乍ら急冷する。猶、温湯中で攪拌・剥皮した 後、煮熟すれば、色の白い物が出來る。

塩漬 冷却・水切りした後、頭脚肉に10%の塩を混ぜ、半日乃至1日貯蔵する。次に再び頭脚肉に塩を塗(まぶ)して胴肉内に詰め 込み、撒(ま)き塩漬けに依り一昼夜程漬け込む。使用する食塩の量は全体で20%程度で有る。猶、假漬けの時に頭脚肉と共に胴肉を 塩漬けする場合も有る。

凍結 塩漬けが終了すれば、7.5瓩詰めの冷凍凾(パン)に硫酸紙を敷き、肉鰭(にくびれ)を下にし、10%の合塩を仕乍ら 箱詰めする。硫酸紙で覆いをし冷凍室に入れて凍結する。消費地への輸送は冷蔵車を用いて行う。
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