The Tune Wavers

1956年・マサチューセッツ州・ボストン
Margo Sylvia(lead・36.04.04~91.10.25)・Gilbert Lopez(tenor・34.07.04~)・Johnnie Sylvia(bass・35.09.08~)・Margo Lopez(tenor・36.04.04~)

■Happy, happy birthday baby・Ol' man river(Casa Grande-4037)57
■Happy, happy birthday baby・Ol' man river(Checker-672)57
■Happy, happy birthday baby・Yo yo walk(Checker-672)57
■Tough enough・Ol' man river(Checker-880)57
■Pamela jean・I remember(Casa Grande-4038)57
■Little boy・Please baby please(Casa Grande-101)58
■There stands my love・I'm cold(Casa Grande-4040)58
■My congratulations baby・This can't be love(Casa Grande-3038)60
■Your skies og blue・Congraturations on your wedding(Checker-1007)62
LP
■Happy, Happy Birthday Baby(Casa Grande-4037)73

The Tune Wavers
45s Happy, Happy 
Birthday Baby
Casa Grande-4037
1973年

リリース年からも分かるように、非常に愛情のこもったリイシューLP盤です。とはいえファンの中には公式アルバムとして捉える人たちも多いようです。

55年(56年説あり)に徴兵期間を終えたGilbert Lopezが妹のMargo Lopezとともにデュオを結成、間もなくMargo Lopezの夫であるJohnnie Sylviaが参加しトリオとしての活動を始めた。3人での活動期間はさほど長くなく、すぐにSharlotte Davis(36.10.12~・Gilbert兄弟にとって従姉にあたる)が加入しThe Toneweaversと名乗った。グループはおよそ1年間ほど地元のクラブやダンス・パーティーに出演して下積みを経験する。ある日のショウで司会者が彼らの事をThe ToneweaversではなくThe Tuneweaversと紹介してしまったが、それを面白いと感じたのか以降The Tuneweaversを名乗っていく。ナイトクラブに出演中のグループを見たFrank Paul(プロデューサー・作曲家)は即座にレコーディングを決意したと言われている。こうして1957年5月7日にグループ初のレコーディング・セッションがボストンのスタジオで行われた。ほどなくデビューシングルHappy, happy birthday babyがCasaGrandeからリリースされた。地元ボストンのラジオ局からもオン・エアされたがほとんど話題にならなかった。だがフィラデルフィアの小さな放送局(もちろんDJはFrank Paulの友人であった)で6月からオン・エアが始まったこのシングル盤はローカルながらも大反響を得たことでFrank Paulは有数のメジャー・レコード会社となっていたシカゴのChessに持ち込んで全米での販売計画を実行することに成功した。全米での販売網を得た事により同57年9月4日付のビルボード誌ポップスチャートに登場、続いて9月7日にはR&Bチャートにも登場し10月にはそれぞれ第5位・第4位という大ヒットとなった。こうしてスターダムにのし上がったグループは遂にニューヨークに進出し、Alan Freedの公演にも出演するようになる。CasaGrandeからは60年までのあいだに計4枚のシングルが、Chessからも同じく4枚のシングルがリリースされたがいずれもヒットには至らずに63年頃にはグループとしての活動を休止したと思われる。73年に突然LP(Casa Grande-4037)がリリースされたが正式な発売ではなく海賊盤であった。しかしジャケットの素晴らしさとともに、未発表曲が収録されている等、現在ではファンの間では高い評価を得ているグループ唯一のアルバムとなっている。1992年にClassic Artists RecordingsというレーベルからリリースされたオムニバスアルバムDoo Wop Diner(CAR-3055)にはCome Back To Meという曲がMargo Sylvia & The Tune Weavers名義で収録されている。こちらはドゥワップ色は褪せているもののソウル色が増して良い作品に仕上がっている。