The Dubs / The Five Wings / The Scale Tones / The Marvels

1957年・ニューヨーク州・ニューヨーク市・マンハッタン
Richard Blandon(lead・34.09.16~91.12.30)・Cordell Brown(tenor・35.~)・Cleveland Still(tenor・34.10.~)・James Miller(baritone)・Tommy Grate(bass・34.~)

The Five Wings
■Johnny has gone・Johnny's still singing(King-4778)55.02
■Rock-a-locka・Teardrops are falling(King-4781)55.03
■Walk Along・Pack-shack and stack your blues away(Savoy-1183・Billy Nelson のバッキングで参加)55.12
The Checkers
■Rock-a-locka・Teardrops are falling(King-5199)59.04
The Scale Tones
■Dreamin' and dreamin'・Everlasting love(Jay Dee-810)56.02
The Marvels
■I won't have you breaking my heart・Jump rock and roll(ABC Paramount-9771)56.11
The Dubs
■Don't ask me to be loney・Darling(Johnson-102)57.03
■Don't ask me to be loney・Darling(Gone-5002)57.04
■Could this be magic ?・Such lovin'(Gone-5011)57.08
■Beside my love・Gonna make a change(End-5020)57
■Beside my love・Gonna make a change(Gone-5020)58.01
■Be sure my love・Song in my heart(Gone-5034)58.05
■Chapel of dreams・Is there a love for me(Gone-5046)58.11
■Chapel of dreams・Is there a love for me(Gone-5069)59
■No one・Early in the evening(ABC-10056)59.11
■Don't laugh at me・You'll never be long to me(ABC-10100)60.03
■Be sure my love・Song in my heart(Mark X-8008)60
■For the first time・Ain't that so(ABC-10150)60.10
■If I only had magic・Joogie boogie(ABC-10198)61.03
■Down, down, down, I go・Lullabye(ABC-10269)61.11
■This to me is love・Now that we broke up(End-1108)62.02
■You're free to go・Is there a love(Gone-5138)62.09
■Your very first love・Just you(Wilshire-201)63.03
■Wisdom Of A Fool/This I Swear(Josie-911)63.08
■Could this be magic・Blue velvet(Lana-115)65
■Don't ask me to be lonely・Your very first love(Lana-116)65
■I love you, part 1・Part 2(S.C.M-901)71
■Connie・Home under my hat(Johnson-097)73
■I won't have you breaking my heart・Somebody goofed(Johnson-098)73
■We three・We build a nest - actuals(Candlelite-438)73
■Where do we go from here・I only have eyes for you(Clifton-2)73
■You're just a heartache to me・You're welcome(Clifton-5)75
Richard Blandon and The Dubs
■Lost in the wilderness・I'm downtown(Vicki-229)71
■Wherever you are・Please the crowd(Classic Artists-120)90.12
Cleveland Still's Dubs
■Could this be magic・Teddy bear(Clifton-77)86.12
■Beside my love・If I didn't care(Lillian Leach and The Mellows)(UGHA)86.12
LP
■Battle of the Groups(End-305)62
■Rockn' Roll Jumboree(End-302)59
■The Dubs Meet The Shells(Josie-4001)
■Hits of The Dubs(Candlelite-1004)73

The Dubs
LP Battle of the Groups
End-305
1962年

LP Rockn' Roll Jumboree
End-302
1959年

LP The Dubs Meet 
The Shells
Josie-4001
1962年

LP Best of The Dubs
Collectable 5402
1991年

14曲入りのCDで、End時代の録音が中心のベスト盤です。

Don't ask me to be lonely・Could this be magic・Be sure my love・Chapel of dreams 。彼等のヒット作品はすべて比較的短かい時期に作られ、何度も再発された。The Dubsは世界的ヒットは持たなかったが、現在でもDoo Wopファンから高い支持を獲得しているグループの一つである。The Dubsの歴史は二つの異なったグループから始まる。

■The Five Wings
The Five Wingsはハーレム(129番街・第7ストリート)付近の子供達が結成した。 結成当初はThe Five Starsを名乗っていた。メンバーは、Jackie Rue(リード・後年Jackie and The Starlightsを結成する)・Frank Edwards(テナー)・Billy Carlisle(セカンド・テナー)・Melvin Flood(バリトン)・Tommy Grate(ベース・The DoversのリードシンガーMiriam Grateの兄弟)の5人。マネージャにHiram Johnson(バンドリーダーBuddy Johnsonの兄弟・後年Johnsonレーベルを設立する)が就任した。グループは、1955年にKingからシングルをリリースした。レコーディングは55年2月2日に極めて短時間で行われ、彼らの憧れであったJohnny Aceの讃歌(Johnny has gone・Johnny's still singingの2曲)を歌っている。2週間後にKingでの2度目のセッションを行い、Teardrops are falling・Rock-a-lockaを収録した。これらのシングルは一部の地域でヒットしたが、同じ頃Jackie Rue・Melvin Flood・Frank Edwardsの3人がグループを去り、Kenny "Butch" Hamilton(The Sonicsに在籍していた・Grooveレーベル所属)が加入している。名前はThe Five Wingsのままであったが、実際のメンバーは3人となった。1955年11月、マネージャのHiram Johnsonが得たThe Five Wings最後の仕事は、ブルース・シンガーBilly Nelsonのバッキング・ボーカルであった。シングルのラベルにもThe Five Wingsの名前は記載されている。このセッションののち、Richard Blandon(Billy Carlisleの従兄弟にあたる)がグループに加入した。彼はアラバマ出身で空軍から退役したばかりで、軍ではThe Royal Robinsというグループで歌っていた。退役後に遠縁にあたるBilly Carlisleを頼ってニューヨークに出てきたばかりの彼は、悪戦苦闘しているグループに居場所を見い出した。

■The Scale Tones
The Dubsに関わるのもう一つのグループがThe Scale Tonesであった。このグループはゴスペル・シンガーJames "Jake" Miller(バリトン)とThomas Gardner(ベース)の二人が中心となって結成された。間もなくCleveland Still(テナー)・James Montgomery(テナー)が加入、メンバーが揃った時点で、ゴスペルからは少し離れたポップな音楽を始める。しばらく活動ののちDon Archer(バリトン)が加入し5人編成となっている。The Scale TonesはJay Deeレーベル(Joe Davis設立)のオーディションに合格し、1956年1月にDreamin' and dreamin'・Everlasting loveをレコーディングしたが、レコードもほとんど売れなかった。彼等が出演したのはPeekskill(ニューヨーク)での公演のみである。Cleveland Stillは当時のことを「セッションはまったく気に入らなかった。自分がとったリード(Everlasting loveのことを指す)は特に嫌だった」と語っている。

■The Marvels
ある日Richard Blandon(The Five Wings)は、The Scale Tonesのリハーサルセッションを訪れ、Cleveland Stillの歌声を聞き、それが自分のグループが求めている声であることを確信する。彼はCleveland Still・James Miller・Thomas Gardnerの3人をThe Scale Tonesから、Billy CarlisleをThe Five Wingsからそれぞれ声をかけThe Marvelsを結成する。メンバーの抜けたThe Five Wingsはこれが原因で解散し、Butch HamiltonはThe Bop Chordsに、Tommy GrateはThe Vocaltonesにそれぞれ加入した。The MarvelsはThe Five WingsのマネージャであったHiram Johnsonが管理した。Richard BlandonのアイドルはRay Pollard(The Wanderersのメンバー)・The Harptones・The Spaniels・The Flamingosといったグループであった。Hiram Johnsonは自らの手でグループのI won't have you breaking my heart・Jump rock and rollをレコーディングし、マスター・テープのセールスに奔走した。努力の結果、およそ1年後にABC Paramountからのリリースに成功したもののヒットするには至らなかった。

■The Dubs
Hiram Johnsonはそれでも諦めなかった。1957年初頭、彼は自身でJohnsonレーベルを立ち上げ、このグループのレコーディングを開始した。デモ・レコーディングの時点からThe Dubsと改名している。こうして1957年3月にリリースされたDon't ask me to be lonelyはわずかながらも話題となった。小さいながらの成功であったが、この頃Thomas Gardnerがグループを抜けTommy Grate(元The Five Wings)が加入した。この曲が大きくヒットしなかったのはHiram Johnson自身が配給という手段を持たなかったことに起因した。そのことを身にしみて味わった彼は、このシングルの配給をGeorge Goldner(当時Goneレコードのオーナー)に依頼した。1957年4月、Don't ask me to be lonelyはGoneレコードから再発され、全米で販売できるようになった。こうしてThe Dubsの5連続ローカル・ヒットの第一作目にあたるシングルが登場した。Don't ask me to be lonelyはニューヨークで大ヒット(全米ポップ・チャートは第72位)し、7月12日から始まるアポロ劇場公演にも出演が決定した。この公演にはThe Spaniels・The Cadillacs・Shirley and Lee・Huey Smith and The Clowns・Otis Williams and The Charmsらとともに登場している。シングル第2作目のCould this be magicは1957年8月にリリース、全米チャート第23位というビッグ・ヒットとなり、11月1日に再びアポロ劇場の舞台に立った。今回はThe Heartbeats・The Sentimentals・Linda Hopkins・Donnie Elbertらと出演、MCはEvelyn Robinson(WOV局のDJ)が担当した。1958年1月にはBeside my loveがヒットし、Lloyd Price・Shirley and Lee・Geoffrey Holderらとともにアポロ劇場に出演した。その後もBe sure my love(1958年5月)・Chapel of dreams(1958年11月・チャート第74位)とヒットを放っThe Dubsは、Alan Freed・Dick Clark・Peter Tripp(The Curly-Headed Kid In The Third Row)・Kae Williams・Jocko・Tommy Smallsらがそれぞれパーソナリティをつとめるショウに出演するスター・グループとなる。またカナダ・テキサス・アメリカ南部でのツアー(Sam Cookeのツアーにも参加している)を行った。しかし、このツアーが終わると、突然The Dubsは今までのようなヒットを出せなくなっていた。メンバーは、これまでのヒットに対して納得のいかない収入への不満もあり、1958年の遅くに解散した。こののちRichard BlandonはThe Vocaleersに加入する。Cleveland Stillは配送部に、Tommy Grateは公衆衛生局に、Jake Millerは輸送局にそれぞれ就職した。Billy Carlisleはミュージシャンとなっている。Richard Blandonが加入したThe Vocaleersのリード・シンガーであったJoe Duncanは1958年当時、陸軍から退役したばかりであった。彼は兄弟のPaul Roland Martinezとともに自身のThe Vocaleersを組むためにHerman Dunham・Richard Blandonの4人のテナー・シンガーとともに、Richard Barrett(元The Valentinesのリード・シンガー)を迎えてThe Vocaleersを結成する。Richard BarrettはTwentieth Century FoxのA&Rで、Paul Roland Martinezとともにリードを担当した。グループはAin't that so, Columbus ?をFoxでレコーディングしたがこの作品はリリースされなかった。1959年中頃、The Vocaleersのメンバーは、Joe Duncan・Herman Dunham・Richard Blandon・Lamar Cooper・Melvin Waltonの5人となった。グループはOld Townレコード(Hy Weiss設立)と契約し、1959年6月25日にOld Townの子会社ParadiseからI need your love so bad・Have you ever loved someoneをリリースしたが話題にもならなかった。1959年遅く、Richard Blandonはグループを抜けThe Dubsを再結成しABC Paramountでレコーディングを行う。この頃のメンバーは、Richard Blandon・James Miller・Tommy Gate・Billy Carlisleと、Cleveland Stillはこの時点ではまだ復帰しなかったためにCordell Brown(ファースト・テナー)を加えた5人であった。このメンバーでの最後のABC Paramountシングルをレコーディングする。1961年中頃にCordell Brownがグループを去り、同時にCleveland Stillが復帰してDown, down, down I goのレコーディングを61年9月に行っている。同じメンバーによるレコーディングは1962年にGeorge Goldnerのもとで行われ、This to me is love・Now that we broke up(End・同62年2月とYou're free to go(Gone・同62年9月)がそれぞれリリースされた。You're free to goの裏面には1958年に収録したIs there a love for meが収められている。1961年7月28日、The Dubsはアポロ劇場で開催されたAlan Fredericks Old Goldies showにトリとして出演した。この公演にはThe Sil Austin Orchestraの伴奏でThe Cleftones・The Teenagers・The Cadillacs・The Bobbettes・The Solitaires・The Charts・Johnnie and Joeといった往年のスター・グループが登場した。1963年、The DubsはWilshireレコードからYour very first loveを、JosieレコードからWisdom of a foolをリリースする。この時再びCleveland Stillがグループを抜けCordell Brownが復帰した。Cleveland Stillはこの時以降およそ10年間The Dubsを離れることとなる。一方のRichard Blandonはグループ活動を続け、1965年にLanaからCould this be magic・Don't ask me to be lonelyのリメイク・バージョンをリリースした。1971年、The DubsはRichard Blandon・Cleveland Still・Kirk Harris(ファースト・テナー)のトリオ編成で活動を再開する。グループはS.C.M.からI love youを同71年にリリース、VickiレーベルからLost in the wildernessをリリースした。2年後の1973年、同じメンバーによるThe DubsはWe threeをCandeliteからリリースしている。また同レーベルではThe Dubsの旧作品をリメイクしたシングルも数枚リリースした。1973年後半、4人目のメンバーとしてDave Shelley(バリトン)が加入し、Cliftonレーベルから2枚のシングルをリリースしている。1973年、JohnsonレコードからThe Dubsの2枚のシングルがリリースされたが、いずれも1957年にレコーディングされた古いマスターからカットされたものであった。80年代半ば、Cleveland Stillは、Steve Brown・John "Spider" Truesdale(ともにThe Chartsに在籍)・Bernard Jones(Dock Green期のThe Driftersに在籍)・Leslie Andersonとともに自身のThe Dubsを結成する。このグループは最後のアルバムをCliftonでレコーディングを行っている。またBeside my loveをUGHAからリリースした。一方Richard Blandonも、Jay McKnight(The Dubs作品はほとんど歌わなかった)をリード・シンガーに迎えて自身のThe Dubsを継続している。1987年にはKenny Whiteが4人目のメンバーとして加入するが、Kirk Harrisが間もなくグループを抜けている。この頃臨時メンバーとしてDoretha Gillsも参加している。彼女のパワフルな歌声はグループのGee whizで聞く事ができる。1990年後半Danny Foyが加入し、Richard Blandon・Jay McKnight・Danny FoyのトリオでレコーディングしたWhenever you areが lassic Artistsから12月にリリースされた。Richard Blandonのグループは、自身のバンドを持っいる。ピアニストのJoe Owensを筆頭にサックス・ボンゴ・ベース・ギター・ドラムを演奏した。The Dubsは1991年12月にRichard Blandonの死までその活動は継続した。かれの死後は兄弟のDarryll Blandonがリードを引き継いでいる。1992年2月に行われたショーでのThe Dubsのメンバーは、Darryll Blandon・Jay McKnight・Danny Foy・Doretha Gillsである。2004年、Cleveland StillとDarryl BlandonのそれぞれがThe Dubsとして活動している。