The Coronets

1953年・オハイオ州・クリーブランド
Charles Caruthers(lead)・Lester Russaw(tenor)・George Lewis(baritone)
Samuel Griggs(tenor)・Willie Griggs(bass)

■I'm all alone・Nadine(Chess-1549)53
■It would be heavenly・Baby's comming home(Chess-1553)53
■The little boy・Don't deprive me(Stirling-903)55
■Crime doesn't pay・I love you more(Groove-0114)55
■Hush・The bible tells me so(Groove-0116)55
■Footsteps・Long John silver(Job-100)60

The Coronets
CD Meet The Pelicans
Krypton KRCD-6003

かなりマニアックなカップリングで、結構貴重なCDではないでしょうか。全22曲のうち14曲が彼らの歌です。一方のPelicansをまとめて聞けるのもなかなかありません。2000年頃に出回っていたと記憶しますが。

LP The Golden Age of
Rhythm & Blues
Chess 2CH-50030
1972年

DooWopファンならご存知な2枚組のLP盤で、内容も優れたオムニバスです。アメリカでは90年代になって再発(残念なジャケットになりましたが)されたりしています。残念ながらこれまでCD化されてきませんでした。これでしか聴くことのできない作品もあるため、ぜひデジタル化してほしいものです。

53~56年にかけて活躍した。彼等は全員トーマスエジソン高校出身。結成当初のメンバーは、Lester Russaw・Samuel Griggs・Willie Griggs・George Lewis。同じ高校の学友だった、Greg Morris・Leonard Parker・Cullen Maidenらも一時期参加していた。Greg Morrisは布教活動家として、Cullen Maidenはプロのオペラ歌手として、Leonard ParkerはTVシリーズNaked Cityでプレー、とそれぞれ活動している。Samuel Griggsと Cullen Maidenは一時期ボクサーをしていたが、53年にリードボーカリストとしてCharles Carruthersを加え本格的に活動を再開する。エボニークラブで彼らの最初のプロフェッショナルとしての公演を行い、The Orioles(Nadine発売直前の53年7月にCrying in the chapelをリリース)とも共演している。ChampaignからI just can't tell no lieをリリースしたThe Moonglowsは彼等と同じクリーブランド出身ということもあって、2グループともAlan FreedによってChi-townと契約(レコードは発売されていない)しており、共によき助言者として彼と親交を深めていた。Alan Freedは彼等にSnyderレコーディングスタジオでNadine・I'm all alone(Charles Carruthers作)を録音させ、Chessに送る。ほどなく彼等はChessと契約することとなる。Alan FreedはNadineの著者として認められ、Charles Carruthersの名前はクレジットされなかった。53年8月(MoonglowsのChanceでのアルバムリリースの2カ月前)に、ChessからNadineがリリースされた。Nadineはラジオ・テレビで好評を得て、R&Bチャート第3位まで上昇し、約3カ月間チャートにとどまった。Alan Freedは、彼らのマネージャーを務め、1年以上の間、他のR&Bスターと共にツアーを行っている。ツアーの間に、ChessがIt would be heavenlyをリリースしたが、Nadineほどのヒットにはならなかった。B面のBabyはWillie GriggsとCharles Clarkの共作だったが、彼等に著作権は認められず、著作料はAlan Freedへと流れていった。彼らはAlan Freedに約80パーセントを要求、さらに問題を複雑にしたのが、Lester RussawとCharles Carruthersの徴兵だった。この頃Charles Brownがグループに加入し、Corbella・Beggin' and pleadin(Willie Griggs・Charles Clark共作)をレコーディングしたがChessはこの曲をリリースしていない。彼らは新しいリードボーカルを迎え、55年にStirlingから、Samuel GriggsとShelly Haimsが書いたDon't deprive meをリリースした。次いでGrooveへ移籍し、55年にI love you more・Hushをリリースしたが成功しなかった。リードボーカリストのCharles Carruthersが戦争から戻るのを待たずに彼等は解散してしまう。しかし60年に、Samuel Griggs・Willie Griggs・Charles Carruthers・Desious Wille Brooks・Lucky Jordanの5人で新生Coronetsを結成する。Desious Wille BrooksはBen Iverson and The Hornets(I can't believe that you're in love with me・Lonesome baby)に参加している。Coronetsは自らのレーベルJobからFootstepsを発表したが、わずかにヒットしただけで、やがて解散した。Chessでは2枚のシングルをリリースしただけだが、BMIのデータベースによると4つの曲がArc Publishing(Chess所有の音楽出版社)に残っている。Don't you cry・G.I. missing・Should I・Woke up this morning (全てメンバーの曲)である。これらの歌が実際にレコーディングされたかどうかは不明だが、さらに Samuel GriggsとShelly HaimsはGlory of christmas・Yuletide ballを書いたと記録されている。解散後、Samuel Griggsは地元クリーブランドの書店で、Lester RussawはSnyderレコーディングスタジオで働いている。Nadineは70年にThe Dellsによってリメイクされ、Open your heartの裏面としてリリースされた。