The Bobbettes

1957年・ニューヨーク州・マンハッタン 
Emma Pought(lead・tenor・42.04.28~)・Reather Dixon(lead・baritone・45.05.01~)・Laura Webb(tenor・43.11.08~01.01.08)・Helen Gathers(alt・43.03.18~)・Jannie Pought(soplano・44.01.11~80.)

The Bobbettes
■Mr. Lee・Look at the stars(Atlantic-1144)57.06
■Speedy・Come-a come-a(Atlantic-1159)57.10
■Zoomy・Rock and ree-ah-zole(Atlantic-1181)58.04
■The dream・Um bow bow(Atlantic-1194)58.07
■Don't say goodnight・You are my sweetheart(Atlantic-2027)59.05
■I Cried・Oh my Papa(Galliant-1006)59.12
■I shot mr. Lee・Billy(Triple X-104)60.6
■I shot mr. Lee・Untrue love(Atlantic-2069)60.07
■Dance with me Georgie・Have mercy baby(Triple X-106)60.09
■Oh my papa・Dance with me Georgie(King-5490)61.04
■Teach me tonight・Mr. Johnny Q(End-1093)61.06
■I don't like it like that Pt.1・Pt.2(End-1095)61.08
■I don't like it like that Pt.1・Pt.2(Gone-5112)61.08
■I don't like it like that・Mr. Jhonny Q(Gone-5112)61.08
■Looking for a lover・Are you satisfied(with your love)(King-5551)61.09
■My dearest・I'm stepping out tonight(King-5623)62.03
■Over there(stands my baby)・Lonelyness(Jubilee-5427)62.06
■Broken heart・Mama papa(Jubilee-5442)62.10
■Loop De Loop・Don't Be Ashamed(Diamond-129)62
■Teddy・Row, row, row(Diamond-133)63.03
■Close your eyes・Somebody bad stole de wedding bell(Diamond-142)63.07
■My mama said・Sand man(Diamond-156)64.01
■In paradise・I'm climbing a mountain(Diamond-166)64.04
■You ain't seen nothin' yet・I'm climbing a mountain(Diamond-181)65
■Teddy・Love is blind(Diamond-189)65.10
■Having fun・I've gotta face the world(RCA 47-8832)66.05
■It's all over・Happy go lucky, me(RCA 47-8983)66.10
■All in your mind・That's a bad thing to know(Mayhew-712297)71 
■All in your mind・That's a bad thing to know(Mayhew-712298)71 
■Tighten up your own home・Looking for a new love(Mayhew S-37)72
■Leave my business alone・Happy go lucky me(Mayhew 37/1060)72
■It won't work out・Good man(Mayhew-861)74.01
■It won't work out・Good man(Mayhew-862)74.01
■Love rhythm (long version) ・Love rhythm (short version) (Atlantic DMD-283)81 
■Love rhythm・You aint really down(Radio-4816)81 
■Love rhythm・Love theme(QIT BC-652-A)81
■Love rhythm・Love theme(QIT BC-652-B)81
■Love rhythm・Love theme(QIT BC-652)81.06
■Love rhythm・Love theme(QIT CBL-130)81.06
■Love Rhythm (Long Version)・Love Rhythm (Short Version)(DJコピー盤・Atlantic Dmd-283)81
■Mr. Lee・My girl sloopy(The Vibrations) (back to back hits)(Atlantic Oldies Series-13044)
Johnny Thunder(バッキングに参加)
■Loop de loop・Don't be ashamed(Diamond 129)62
The Soul Angels
■It's all in your mind・The ladies choice (Instrumental) (Josie-1002)69.01
The Sophisticated Ladies
■Check it out part 1・part 2(Bareback-353)77
■Check it out part 1・part 2(Mayhew-353)77
■Check it out (part 1)・Good man(Bareback-532)77
■Check it out (part 1)・Check it out (Bareback-532)77

The Bobbettes
CD Ultimate Collection
Titanic TRC-981008
1998年

これだけのシングル盤があるにもかかわらずアルバムが出ていないのは、やはり第二のヒットが出なかったからでしょうね。イタリアの会社からのコンプリートもので34曲入り、これ一枚で十分ではないでしょうか。

女性グループは1950年代のR&BやR&Rの歴史にほとんど登場しない。登場する女性の多くはたいていソロ・シンガーもしくは、グループのメンバーに一人いるかいないか程度である。50年代に活躍した数少ない少女グループはThe Herts・The Peaches・The Queens・The Chantels・The ShirellesとそしてこのThe Bobbettes である。彼女達に加えるならThe Blossoms・The Enchanters(The Deltones)・The Copesetics・The Cookies(Ray CharlesのコーラスバンドThe Raeletsとして後年有名になる)かもしれない。とはいえ当時のこの世界は、彼女達にとって「年を取った男の世界」であった。The Bobbettesはそんな中でも群を抜いたトップグループの一つである。The Bobbettesは1955年にP.S.109(マンハッタン99番街セコンドアヴェニュー)から始まる。グリークラブのメンバーで遊び友だちだった当時11~15歳の8人の少女たちがグループを結成した。The Harlem Queensと命名したそのグループはアマチュア・ショーでその能力を発揮し始める。翌年から2年の間にメンバーのうち3人が抜けていった。その頃のThe Harlem Queensは、Emma Pought・Jannie Pought・Laura Webb・Helen Gathers・Reather Dixonの5人でEmma PoughtとReather Dixon が主にリードを歌った。アポロ劇場で開催されたアマチュア・ショーで見事勝ち抜き、Herb Sheldonのテレビ・ショーへの出演が予約された。これがきっかけとなりReather Dixon(The Demons・The Desires・The Ospreysなど多くのローカル・グループをマネージメントしていた)によって「発見」されることとなる。James Daileyは彼女達のサウンドを気に入ったが、The Harlem Queensは「女性の暴走族のように聞こえる」と言う理由から改名を提案した。ちょうどこの頃Laura Webbの姉が生まれたばかりの赤ん坊にChanel Bobbetteという名前をつけたばかりだった。彼女の名前をもじってThe Bobbettesに改名(ChanelはChantelsに似て使えなかった)した。The Bobbettesはすでにオリジナルを持っており、それは気に入らない教師を歌ったものであった。これが大ヒットしたMr. Leeである。James Daileyはすでにこの作品をAtlanticへ持ち込むつもりでいたが、そのためには歌詞に含まれる軽蔑的な表現を変えるよう強く要望した。こうしてMr. Leeは1957年6月にリリースされ、57年7月下旬にビルボードR&Bチャートに登場した。この時は最高第6位で24週間チャートにとどまっている。The Bobbettesはイースタン劇場でのサーキット公演というハードな仕事を開始する。彼女達はまだ若かったために、たいていのクラブ出演は気の思い仕事であった。57年10月、AtlanticはSpeedy・Come-a, come-aをリリースしたが全く話題にならなかった。Zoomy・Rock and ree-ah-zoneを1958年4月にリリースしたがこちらも同じ運命を辿った。続いてDream・Um bow wowを7月に、そして1959年5月のDon't say goodnight・You are my sweetheartも同様であった。明らかに売れ行きは下降していた。最初のレコードヒットは内容の新鮮であったが、その後の作品には何かが欠けており、Mr. Leeのような自然さを失っていたのであった。斬新なステップが必要とされ、メンバー達は知恵を絞り、Lee氏を歌の中で抹消することにした。 1959年2月、AtlanticでI shot Mr. Leeをレコーディングを行う。これは勇敢な試みだったが、Atlantic側は「少女たちが彼の頭を撃ち抜くような歌」を発表し話題になる事を拒否する態度を見せた。結局このシングルはAtlanticからはリリースされず、グループはここを去る事となる。ついでThe BobbettesはGalliantレコード(Hal Dennis・Fred Fox設立)と契約し1959年12月にEddie Fisherのヒット曲Oh my papaのリメイクをリリースした。1960年、グループはTriple-XレコードのTeddy Vannと組み、I shot Mr. Leeを再レコーディングし1960年6月にリリースした。これがポップス・チャートを登り始めた。この曲がヒットして間もなくAtlanticも倉庫に眠るグループのマスターからプレスを行い60年7月にリリースした。両社のシングルはいずれもよくオンエアされたがAtlantic盤は劣勢だったといえる。グループにとってTriple-Xでの2枚目で最後のシングルDance with me Georgieも同じくポップス・チャートにランク・イン、これは1960年9月にリリースされている(1961年4月にOh my papaとDance with me GeorgieとのカップリングでKingレコードから再発された)。次にJames DaileyはGeorge Goldnerとの契約に成功しEnd・Goneレーベルから1961年6月にMr. Jhonny Qをリリースした。裏面は50年代初期のヒットTeach me tonight(Endからリリース)である。8月、I don't like it like that, Part 1 & 2(Chris KennerのI like it like that のアンサー・ソング)が短期間だがポップス・チャートにランク・インした。この曲は同8月にGoneレーベルからもリリースされている。1961年夏、The BobbettesはマネージャをJames DaileyからJoe Webb(Laura Webbの兄弟)に代えた。James Daileyに対する尊敬と希望はすでに冷えきっていた。Joe Webbはデビュー当時からステージ衣装を制作してきたデザイナーでもあり、業界でも評判のいい腕を持った職人でもあった。Joe Webbが最初に取り組んだのは、James DaileyがそれまでにKingレコードと交わした複雑な契約を解決することであった。しかしこの契約は交渉が難航し、その間に2枚のシングルがリリースされている。Looking for a lover・Are you satisfiedは1961年9月に、My dearest・I'm stepping out tonightが1962年3月にリリースされている。1960年依頼グループとともにステージに立たなくなったHelen Gathersは正式にグループを抜けThe Bobbettesはカルテットになった。1962年に KingからようやくJubileeに移籍し、2枚のシングルを発表した。62年6月のOver there・Lonelinessと10月のThe broken heart・Mama papaであった。1962年の遅くにはDiamondレーベルに移籍している。グループ最初のセッションではJohnny Thunderのバッキング・コーラスに参加したLoop de loopが大当たりした。The Bobbettes自身の最初のリリースはTeddy・Row, row, rowで1963年3月に行われた。続いてThe Five KeysのClose your eyes(The ChateausのDarling・Je vous aime beaucoup等のバッキングに参加)のリメイク作品で、裏面は50年代のヒット曲 Somebody bad stole de wedding bellを収めて1963年7月にリリースされた。1964年1月、My mama said・Sandmanをリリース。SandmanはThe CookiesのIn Paradiseのリメイクであった。1964年、映画Dr. Strangelove のサウンド・トラックLove that bombをレコーディングした。I'm climbing a mountainを1965年に再発、そして1965年10月にDiamondでの最後のシングルとなるTeddyの再リリースが行われた。1966年にはRCAに移籍し同66年5月にHaving funを発表するが全く売れずすぐさまRCAを離れた。グループが去ったあとの10月にRCAはIt's all overをリリースしている。1969年1月、一枚のシングルIt's all in your mindがJosieレーベルからリリースされた。グループ名をThe Soul Angelsと変えた、元The Bobbettesであった。メンバーはReather Dixon・Emma Pought・Mattie LaVetteのトリオ編成である。1971年、再びThe Bobbettes名儀でMayhewレーベル(Joe Webb設立)でレコーディングを行っている。この時のメンバーは、Reather Dixon・Emma Pought・Laura Webb・Jannie Poughtの4人。ここでは4枚のシングルをリリースしている。71年のAll in your mind・That's a bad thing to know、72年のTighten up your own home・Looking for a new love(That's a bad thing to knowと異名同曲)とLeave my business alone・Happy go lucky me(いすれも1966年にRCAでレコーディングした作品)、Mayhew最後のシングルのIt won't work out・Good manでこちらは1974年1月にリリースされた。1977年には The Sophisticated Ladies名義で数枚のシングルを発表している。これらは同じレコード番号でBarebackと Mayhewの両方からリリースされ、12インチのダンス・ミックスバージョンであった。1980年、Jannie Poughtはジャージー市内で歩いている所を見知らぬ人物に刺され死去した。The Bobbettesにはしばらくの間Gloria Glynnが彼女の代わりを務めたが、間もなくReather Dixon Turner・Emma Pought Patron・Laura Webb Childressの3人で活動を継続した。AtlanticからリリースされたLove rhythmという10インチ・シングルが、Jannie Pought在籍中の最後のレコードとなった。1981年にはRadioレーベルからLove rhythm・You ain't really down(再録バージョンもしくはAtlanticマスターによるミキシング違いの可能性がある)、そしてThe Bobbettes最後のレコードはQitレーベルからリリースされたLove rhythm・Love rhythm (feels so good) とLove rhythm・I'll keep coming backである。これらのディスコ・シングルはともに1981年に発表された。Laura Webb Childressは2001年1月に死去した。The Bobbettes(クィンテット・カルテットそしてトリオとして)は30年以上の間を共に活動を続け、最初の20年間でメンバー・チェンジはたった一人であった。