もりもりの

菜 園 日 記

 ある日,夢を見ました。
 私は,とても日本的な山間の狭い土地で,小さな小屋の前に立っておりました。
 そこには,私と,嫁さんらしき女性と二人が佇み,どうやら小屋周辺の畑を耕しに出かける様子でありました。

 その夢を見て,すぐ,本当に直後のことだと記憶していますけど,職場の厚生会から「園芸広場」の案内が回覧されてきました。
 厚生会が借り上げた土地を小さく分割し,会員に有償で貸し与えて,趣味の畑仕事を・・・という案内でした。
 それまでの私でしたら,「子供を連れてディズニーランド」の案内と同じく,見向きもしないチラシであったのでしょう。
 ところが,その夢を見たせいか,どういう心境の変化か,私はその案内に引かれ,すぐに申し込みをしてしまいました。
 抽選です。
 当選いたしました。
 めでたく,私は,自宅から車で20分ほどの場所に,15uほどの菜園を,さしあたり2年間使用できることとなりました。

 この菜園は,しかし,私にとっては,どうも趣味の野菜作りということ以上の意味を持っているような気がしています。
 夢見の必然性あるいは偶然性を理屈づけるつもりはありません。
 しかし,そのような夢を見るだけの内在的要因を私が抱えていたことは事実なのでしょう。

 従って,多分,この菜園日記は,野菜の生育状態等々を記録するだけではなく,私の今までの形成過程をたどる一種変わったメモになると既に感じておりますが,未だ客観視できぬ己の恥ずかしさも含めて,土と野菜を見つめていきたいと思い,書くことといたしました。
  
 この直接的契機を与えてくれたTさん,そして何よりも私に,私が生まれてからの生き方を見つめなおす転機を与えてくれたkさんに,心から感謝します。

メール:amhcd@mbox.kyoto-inet.or.jp