菜園日記2022年6月


2022/06/05

 6月に入りました。
 久しぶりに涼しい日曜日です。
 量販店で、エダマメの苗を2つ、レタスを2種類、パセリを購入して畑へ。
 玉ねぎの跡地に、エダマメとレタスを定植します。パセリはコンパニオンプランツとして、トマトやキュウリの脇に植えました。
 他の野菜も概ね元気なようです。
 トマトの脇芽を整理、ゴーヤとトマトの上部をまた支柱に留めます。
 大きなキュウリ1本を収穫できました。本年のお初です。
 あとは、草抜き等々。

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2022/06/12

 風の強い日曜日となりました。
 昼から畑へ。
 ソラマメを終わりとします。今年のソラマメは当初元気でしたが、花が咲く頃から大量のアブラムシに襲われ、ほぼ全滅いたしました。ただ、その時から新たに伸びてきた若い枝に実がつきましたので、それが一定大きくなるのを待っていました。結果的には、10個ほどの収穫。
 豆類は受難が続いており、今は枝豆によく分からぬ丸っこい虫が大量についています。
 他のものは概ね順調のようです。
 ミニカボチャとゴーヤに本支柱を立てました。
 1個だけ大きくなったシシトウを初収穫。
 あとは小さなキュウリの実を数個。

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2022/06/19

 梅雨に入りました。
 昼から畑へ。
 キュウリがたくさん生っていました。大小合わせて19本の収穫。この時期のキュウリの成長はびっくりするほど早いものです。
 トウモロコシも実をつけてきました。同じ株に2つ実をつけていたところから1つを間引きつつ収穫です。
 トマトも実をつけ始めました。まだ色づいてはいません。
 ズッキーニにも実を発見。
 その他、夏野菜の楽しみな時期となっています。
 全体的に概ね順調な様子です。
 あとは草抜き、水やり等々。

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2022/06/24

 6月とは思えない猛暑です。夕方から水やりに行きました。
 キュウリは1株が完全に立ち枯れしていました。原因はよく分かりませんが、根元で折れたりしたのかもしれません。
 トマトやナス、ズッキーニなどいろいろと実をつけてきました。
 そろそろ収穫の楽しみな時期となります。
 枝などを間引き、水やりをして退散いたします。

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2022/06/26

 6月最後の日曜日となりました。
 相変わらずの猛暑、そして空梅雨となっています。昼過ぎから畑へ。
 多くの野菜が、花を咲かせ、実をつけています。
 本日は、ズッキーニ、レタス、シソを収穫。
 全体に追肥をし、エダマメ、トマトには石灰も少し与えます。
 あとは、草抜き、水やり等々。

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2022/06/29

 昨日、28日、近畿地方が梅雨明けしたとみられると発表がありました。
 京都は概ね祇園祭の山鉾巡行の日(7/17,24)前後に梅雨明けしますので、かなりの早さです。また雨のほとんど降らない梅雨ともなりました。畑の野菜に影響が大きそうな梅雨明けでもあります。
 夕方から畑へ。
 全体的に枯れ枯れでした。
 キュウリを初め、シシトウ、ナス、ズッキーニ、レタスなど、たくさんの収穫となりました。
 トマトの実も色づき始めました。
 ミニカボチャの実も少しずつ大きくなっています。
 たっぷりと水をやって、退散いたします。


   
 

 
 齢を重ねますと、感性が大きく揺さぶられる言葉に巡り合います。
 人それぞれの歴史や想いによってそれぞれの言葉と出会うものと思います。

 昔からの格言やことわざなどに自己の人生を重ねる人も多いでしょうし、歌の一節や小説の一節を繰り返し口ずさむ人もたくさんおられます。
 気に入った言葉と同行しようと、いつも文庫本をポケットに忍ばせている方もおられます。

 私の場合も複数の言葉に親しみを感じていますが、その中でも含蓄のある言葉だなぁと思いますのが、
「思えば遠くへ来たもんだ」
という言葉です。

 この語は以前からいろいろな場面で語られる、ある意味一般的な言葉でもありますが、特にはやはり海援隊の歌う曲のタイトルとして、また映画などの主題歌としてよく知られています。
 私はその曲を特に聴きこんだ記憶もありませんし、その映画やテレビ番組などを見たこともありませんが、この言葉に対しては強い愛着を有しています。

 歌や映像の効果などを捨象しても、この言葉は齢を重ねてきた人間にとって非常に含蓄のある言葉だなぁと思います。

 若者が生まれ故郷から遠く離れた都会へ旅立っていく姿も思い浮かびますし、年月を重ねてさまざまな経験をしてきた結果としての老いた人間の姿が彷彿ともします。

 毎日毎日の積み重ねがあり、昨日の自分とは差を見出すこともできないのに、気づいたらこんなに変化した姿で今ここに存在しているという驚きでもあります。

 海援隊の曲が代表的なものではありますが、調べてみますとこの曲にはいろいろな逸話があります。

 1978年(昭和53年)9月21日に「武田鉄矢(海援隊)」名義でポリドールから発売、B面は『新宿シンデレラ』)、同年11月21日発売のアルバム『堕落編』に収録。

 1980年(昭和55年)8月1日に、映画「思えば遠くへ来たもんだ」の公開に合わせて海援隊名義で再びシングルとして発売(B面は『ダラクロン』)。

 武田鉄也作詞、山本康世作曲ですが、山木康世さんが在籍したフォークデュオのふきのとうが、1977年に発表した「風来坊」がヒットし、それを目の当たりにした武田鉄矢さんが「『風来坊』のような曲を作ってくれ」と依頼されたことがきっかけで制作されたとか。

 元々は所属事務所からの日本国有鉄道(国鉄)のキャンペーンソングを作れという命令で作られた曲でしたが、同じ事務所の谷村新司さんの作った「いい日旅立ち」が採用され、この曲は不採用となったとか。

 海援隊と同じく福岡出身のチューリップがこの楽曲と似通ったタイトルの楽曲「思えば遠くへ来たものだ」を発表しています。
 これは海援隊の「思えば遠くへ来たもんだ」よりも先に発表されており、曲調も歌詞も全く異なる楽曲です。
 (1972年のアルバム『魔法の黄色い靴』に収録。安部俊幸作詞、姫野達也作曲)。

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「思えば遠くへ来たもんだ」

歌:海援隊
作詞:武田鉄矢
作曲:山木康世


踏切の側に咲く コスモスの花ゆらして
貨物列車が走り過ぎる そして夕陽に消えてゆく

十四の頃の僕はいつも 冷たいレールに耳をあて
レールの響き聞きながら 遥かな旅路を夢見てた

思えば遠くへ来たもんだ 故郷離れて六年目
思えば遠くへ来たもんだ この先どこまでゆくのやら

筑後の流れに小魚釣りする人の影
川面にひとつ浮かんでた 風が吹くたび揺れていた

二十歳になったばかりの僕は 別れた女を責めながら
いっそ死のうと泣いていた 恋は一度と信じてた

思えば遠くへ来たもんだ 今では女房子供持ち
思えば遠くへ来たもんだ あの頃恋しく思い出す

眠れぬ夜に酒を飲み 夜汽車の汽笛を聞くたびに
僕の耳に遠く近く レールの響きが過ぎてゆく

思えば遠くへ来たもんだ 振り向くたびに故郷は
思えば遠くへ来たもんだ 遠くなる様な気がします
思えば遠くへ来たもんだ ここまで一人で来たけれど
思えば遠くへ来たもんだ この先どこまでゆくのやら

・・・・・・

 いろいろな逸話としてはあまり語られることがありませんが、私的にはこの歌にはやはり元歌があると考えています。
 (まあ一部では以前から指摘されてきたことではありますが、武田鉄矢さん本人はあまり語ってはいません。しかし、「今では女房子供持ち 思えば遠く来たもんだ」というようなフレーズはそのまま元歌にあります。)

 しかし、そのことにより、武田鉄矢さんの才能を否定するつもりはありません。
 逆に、当時の楽曲として大きな存在感をもたらした武田さんの天才ぶりを強く感じます。

・・・・・・

中原中也
「頑是ない歌」


思えば遠く来たもんだ
十二の冬のあの夕べ
港の空に鳴り響いた
汽笛(きてき)の湯気(ゆげ)は今いずこ

雲の間に月はいて
それな汽笛を耳にすると
竦然(しょうぜん)として身をすくめ
月はその時(とき)空にいた

それから何年経ったことか
汽笛の湯気を茫然(ぼうぜん)と
眼で追いかなしくなっていた
あの頃の俺はいまいずこ

今では女房(にょうぼう)子供持ち
思えば遠く来たもんだ
此(こ)の先まだまだ何時(いつ)までか
生きてゆくのであろうけど

生きてゆくのであろうけど
遠く経(へ)て来た日や夜(よる)の
あんまりこんなにこいしゅては
なんだか自信が持てないよ

さりとて生きてゆく限り
結局我(が)ン張(ば)る僕の性質(さが)
と思えばなんだか我(われ)ながら
いたわしいよなものですよ

考えてみればそれはまあ
結局我ン張るのだとして
昔恋しい時もあり そして
どうにかやってはゆくのでしょう

考えてみれば簡単だ
畢竟意志(ひっきょういし)の問題だ
なんとかやるより仕方もない
やりさえすればよいのだと

思うけれどもそれもそれ
十二の冬のあの夕べ
港の空に鳴り響いた
汽笛の湯気は今いずこ

・・・・・・

 30歳で亡くなった中原中也さんの28歳の時の詩です。 

 「あの頃の俺はいまいずこ」
 ・・・本当にどこに行ってしまったのでしょう・・・

* 中原中也、1907年〈明治40年〉4月29日生まれ、 1937年〈昭和12年〉10月22日没
 「頑是ない歌」:詩集『在りし日の歌』31番目の歌。昭和10年(1935年)12月、中原中也28歳の時の制作で、『文芸汎論』の
昭和11年1月号に掲載。

6月末の畑の様子


シシトウ

ピーマン

モロヘイヤ
ツルムラサキ
ズッキーニ



ナス



トマト

 

シシトウ


エダマメ


トウモロコシ



エダマメ


レタス




ミニカボチャ

ゴーヤ


シソ

トウガン

マクワウリ


キュウリ



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