心想素描(随想U)No.50


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2017/11/1

 

   平成29年10月12日の第一紙面に、第48回衆議院議員総選挙予想が大きく報道されたを見て、溜息とともに、私の周辺では選挙熱が一気に冷めてしまった。開票が始まった瞬間に各マスコミが一斉に当選確実と各政党勢力分布が発表され、それが事前予想と大きく外れないことを国民は何度も経験しているからである。結果が判っている選挙に、投票意欲が上がるとは思えない

 根拠が乏しい衆議院解散による今回の選挙は、慌ただしく政党の離合集散が起こり、与野党を問わず浮足立った立候補予定者があぶり出され、公示前から報道が熱心なだけに、マスコミの軸足が支持率や情勢分析に移ったように感じて残念だ。

 安倍氏に一票を投じるか否かの選択が可能なのは、山口4区の選挙民だけで、大半の国民には無い。私は安倍氏に何度かメール送信したが、私の声が届いているとは感じられない。私たちにできる唯一のことは、選挙区の立候補者に苦渋の一票を投じるだけである。

 18歳以上の男女に選挙権が得られるまでの先人たちの大変な努力と苦労の歴史を思うと、徒歩数十分で投票できる機会を、安易に棄権はできない。各党首よりも選挙区の立候補者の主張と実行力について詳しい報道を求めたい。高投票率が政治家に緊張感と成長を促すに違いないと私は考える。投票率の低迷責任は政治家だけでなく、その一端はマスコミにもあると私は思う。

2017/10/15