更新日:2022年12月1日
司法書士の通信講座を選ぶ際に、通学教室を運営しているLECやWセミナー、伊藤塾などの大手資格予備校と、教室を運営していないスタディングやアガルートなどのオンライン資格予備校のどちらがよいのか迷うと思います。
LECなどの大手資格予備校は、教室運営のコストがかかるため、通信講座であっても高額な受講料となりますが、スタディングなどのオンライン資格予備校は、教室運営のコストがかからないため非常に低価格です。
LECなどの大手予備校は実績もあるため、優れた講座であることはわかりきっています。しかし、スタディングなどのオンライン資格予備校は実績が少ないというだけで、果たして本当に、大手予備校の通信講座よりも劣っているのでしょうか?
このページでは、この疑問を紐解いていきたいと思います。
私の見解では、通信講座の良し悪しを決定づけるのは、究極的には、「講師」と「教材」に尽きると思います。
もちろん、他にも様々な要素はありますが、例えばカリキュラムですが、結局のところは、教材に沿ってインプット講義とアウトプット講義があるだけです。教材に基づく講義ですから、つまり、講師と教材です。
サポート体制(質問対応)も、多少は影響するかもしれませんが、おそらく質問を利用する機会はほとんど生じないと思いますので、大きな影響はないと思います。
そして、学習方法の点では、従来型の印刷物で学習する方法と、先進的なスマホなどの機器を利用する方法とで違いが出てきますが、これも結局は、教材です。
資格予備校の蓄積したノウハウや、組織的な過去問分析などが、メリットとして考えられるかもしれませんが、なんだかんだ言いながら、結局は資格予備校の名物講師の力に依るところが大きいと思います。結局は、講師です。
価格の差は、教室運営をしているかどうかで違いが出てくるだけです。つまり、講師と教材で比較し、それが同じレベルなら、迷わず安い方を選べば良いのです。
ということで、私がおススメしている通信講座6社(オンライン資格予備校のスタディング・アガルートと大手資格予備校のLEC・Wセミナー・伊藤塾)について、講師と教材に絞って比較していきたいと思います。
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司法書士のおすすめ通信講座5社の受講料の価格差【大手資格予備校vsオンライン資格予備校】
まずは、オンライン資格予備校2社(スタディング・アガルート)と大手資格予備校3社(LEC・Wセミナー・伊藤塾)の受講料を確認しておきたいと思います。
オンライン資格予備校2社と大手資格予備校3社の受講料の価格差 | ||
スタディング |
通信講座名・受講料
司法書士 合格コース<コンプリート>【2023年+2024年向け】 [Web] 99,000円 ※2024年向けコースに無料で更新可能! ※合格お祝い金1万円 ![]() ⇒ スタディング 公式サイト |
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アガルート |
通信講座名・受講料
司法書士 入門総合カリキュラム【2024年向け】 [Web] 2022年12月25日まで→ 196,020円 ※合格者全額返金+合格祝い金3万円 ![]() ⇒アガルート公式サイト |
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LEC |
通信講座名・受講料
司法書士 新15ヵ月合格コース【2024年向け】 [Web] 2023年1月末まで→ 419,700円 [DVD] 2023年1月末まで→ 513,750円 ![]() ⇒ LEC 公式サイト |
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Wセミナー |
通信講座名・受講料
司法書士 20ヵ月総合本科生<山本オートマチック>【2024年向け】 [Web] 2022年12月27日まで→ 418,000円 [DVD] 2022年12月27日まで→ 451,000円 ![]() ⇒ Wセミナー 公式サイト |
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伊藤塾 |
通信講座名・受講料
司法書士 入門講座 スリーステップコース【2024年向け】 [Web] 2023年2月末まで→ 429,000円 ![]() ⇒ 伊藤塾 公式サイト ![]() |
以上のように、オンライン資格予備校2社は、10万円〜20万円程度。大手資格予備校3社は、概ね40〜50万円程度。ということで、オンライン資格予備校と大手資格予備校とでは、2倍から5倍もの大きな価格差が存在しています。
しかし、この価格差が、講座の良し悪しを左右するものではないということを、以下で見ていきたいと思います。
司法書士のおすすめ通信講座5社の講師の比較【大手資格予備校vsオンライン資格予備校】
それでは、比較項目である「講師」・「教材」のうちの『講師』について、詳しく見ていきたいと思います。
5社の看板講師の比較 | ||
スタディング |
山田 巨樹 講師
〜 長年Wセミナーで講師を務めたベテラン講師 通勤講座(現スタディング)司法書士講座を開発 〜 ・司法書士試験合格後、1998年から大手資格学校(Wセミナー)にて司法書士試験の受験指導を開始。教材制作、講義、受講相談、質問回答などあらゆる業務を担当。 ・その後、大手通信教育会社に転職し、教材の企画・制作、情報誌の編集等を担当。 ・大手法律事務所に勤務して幅広い業務を担当し、さらに、司法書士事務所を開設し、実績を積む。 ・2014年、KIYOラーニング株式会社と出会い、「通勤講座(現スタディング)」のノウハウに自らの司法書士合格法を融合させた「司法書士 通勤講座(現スタディング)」を開発。 ≪著書≫ ・『通勤時間で攻める! 司法書士スタートアップテキスト』 ≪サンプル講義≫ ⇒ サンプル動画を見るための無料会員登録ページ(スタディング公式サイト) 講義は、通信講座専用にスタジオ収録されます。作り込まれたフルカラーのスライドを画面に表示しながら講義を進めるスタイルです。 |
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アガルート |
浅野 勇貴 講師
〜 映像制作のプロ! 〜 ・2008年〜 民法テレビ局勤務 ・2013年 行政書士試験合格 ・2015年 司法書士試験合格 ・2016年 司法書士登録、簡裁訴訟代理等関係業務能力認定、群馬県文化審議会委員 ・2017年 群馬司法書士会理事・広報部次長、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート群馬支部幹事、日本司法書士会連合会市民の権利擁護推進室委員 2019年 関東ブロック司法書士会協議会研修委員会委員・ADR委員会委員 2020年 群馬県自殺対策連絡協議会委員 ≪サンプル講義≫ 講義は、通信講座専用に収録されます。フルカラーテキストやスライドを画面に表示しながら講義を進めるスタイルです。 三枝 りょう 講師
〜 資格予備校を渡り歩くカリスマ講師! 〜 ・2000年 司法書士試験に2回目の受験で合格。 ・翌年、大手資格試験予備校にて司法書士講師として就任して以来、15年以上にわたり、最前線で受験指導を行なっている。 ・LEC → クレアール → 小泉司法書士予備校 → 資格スクエア → 資格スクール大栄 → アガルート ・さらに、2012年に司法書士登録し、実務の他、東京司法書士会の派遣講師として都内の高校で法律教室の講義も担当。 ≪著書≫ ・『司法書士になりなさい!!』 ・『司法書士“極"択一答練』 ≪サンプル講義≫ |
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LEC |
森山 和正 講師
〜 カリスマ講師・効率学習コーディネーター 〜 ・早稲田大学法学部卒 ・大学3年生の11月に司法書士受験を思い立ち、LEC15ヵ月合格コースを受講し、8か月の学習で大学在学中に司法書士試験に合格 ・司法書士事務所、司法書士法人勤務を経て、2004年から受験指導を開始 ・科学的、合理的な学習法は〈ベクトルマジック〉と呼ばれ、多くの短期合格者を輩出しており、「ケータイ司法書士」は累計10万部を突破し、ベストセラーとなっています。 ≪著書≫ ・「ケータイ司法書士」シリーズ ・「司法書士Vマジック」シリーズ ・「司法書士試験 解法テクニック50」 ・「司法書士試験 暗記の力技100」 ・「SOS!弱点強化司法書士」 ・「司法書士試験 すぐに結果が出る勉強メソッド55」 また、司法書士試験に特化した六法「司法書士合格六法(三省堂)」を監修 ≪サンプル講義≫ 通信講座での実際の講義は、教室講義を収録したものになります。適宜、手元のテキストや資料を画面に映し出しながら講義を進めるスタイルです。 |
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Wセミナー |
山本 浩司 講師
〜 大ベストセラーテキスト「オートマシステム」著者のカリスマ講師 〜 ・37歳失業中、司法書士試験にわずか6ヵ月で一発合格 ・講師を務める傍ら、独自の理論「オートマチックシステム」に基づき、宅建・行政書士など法律系資格試験に挑戦し、一発合格を果たす。 ・「山本浩司のオートマシステム」シリーズなど著書は多数あり、受験生から熱い支持を受けている。 ≪著書≫ ・「山本浩司のオートマシステム」シリーズ ・「みるみるわかる!」シリーズ ・「新でるトコ一問一答」シリーズ ・「合格教室リーガルレッスン会社法」 ・「新合格教室 なるほど民法」※その他、憲法・刑法等 ≪サンプル講義≫ 通信講座での実際の講義は、教室講義を収録したものになります。黒板に手書きで板書しながら講義を進める授業スタイルです。 |
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伊藤塾 |
山村 拓也 講師
〜 旧態依然としていた司法書士受験業界に風穴を開けた「司法書士試験受験界のエース」 〜 ・2004年 司法書士試験合格。 ・2005年 簡裁訴訟代理等能力認定考査合格。 ・司法書士試験合格と同時に伊藤塾にて受験指導を開始し、講師歴は10年を超える。 ・特に、2004年の合格直後から指導している、山村講師が開発した「答案構成力メソッド」による記述式の合理的解法は、驚くほど受験生に普及し、著書「うかる!司法書士 記述式答案構成力」シリーズはベストセラーとなっている。 ≪著書≫ ・『うかる!司法書士 記述式答案構成力』シリーズ ≪サンプル講義≫ 通信講座での実際の講義は、教室講義を収録したものになります。適宜、スライドや手元の資料を画面に映し出したり、板書は手元で記入したものを画面に映し出しながら講義を進めるスタイルです。 |
オンライン資格予備校も大手資格予備校も、いずれも遜色のない講師陣が揃っています(アガルートの浅野講師を除けば)。
大手資格予備校に務めていた講師が、オンライン資格予備校に移籍するケースも多いようですね。大手の資格予備校では、自分のやりたい指導ができなかったり、待遇面での問題があったのでしょうか。それはわかりませんが。。
ちなみに、いずれもトップクラスの講師ですが、講義を聴いてみた上での私の個人的な好みは、森山和正講師が一番好きですね。流れるような喋り方の中で、重要なポイントは、ハッと目が覚めるような強弱をつけて説明してくれます。
これらの講師の中でも特にカリスマ性が高い、山本浩司講師は、喋り方にクセがありますが、それも含めてカリスマ性ということだと思います。山村拓也講師は、とてもスマートな喋り方で、山田巨樹講師は、ごく標準的な印象です。
司法書士のおすすめ通信講座5社の教材の比較【大手資格予備校vsオンライン資格予備校】
それでは次に、比較項目である「講師」・「教材」のうちの『教材』について、詳しく見ていきたいと思います。
5社の教材の比較 | |
スタディング
スタディングでは、すべての教材がオンラインで提供され、スマホ等で利用する形態となっています。 開発者である山田巨樹講師が、テキストなしで、スマホだけで分かるようなビデオ講座を開発する目標を立てて開発に取り組み、テレビ番組のようなスタジオで、重要なポイントをスライドで示しながら説明していくスタイルを作り上げました。このスライドは、できるだけ図で解説したり、具体例(ケース)で理解できるように工夫されています。 そして、オンライン講座の最大の特長が、アウトプット用の教材と暗記ツールです。 スマート問題集、セレクト過去問集、要点暗記ツール、記述式雛形暗記ツールなどがすべてスマホ等で利用することができ、いつでもどこでもアウトプット学習をすることができるようになっています。 システムの機能として、メモ機能があるため、ノート代わりにメモをとることができますし、このメモを含めて、テキストや問題集などの全文検索機能があるため、調べたい事柄は一発で検索することができます。 また、問題集では、間違えた問題や復習が必要と自分でチェックした問題を抽出して復習できる機能もありますので、効率的に知識を習得していくことができるようになっています。 |
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アガルート
アガルートアでは、司法書士講座としては画期的な「冊子版のフルカラーテキスト」が使用されます!もちろん、受講料込みです! 学習で常に使用するテキストをフルカラーにすることで、視覚的にスムーズに理解できるようになっています。 また、このテキストでは、レイアウトにもこだわり、図表にまとめたり、アイコンやマークを使用することにより、膨大な知識量を整理し、見やすさとわかりやすさが追求されています。 このフルカラーテキストは、 講義中に画面に表示されるようになっていますので、スマホ画面だけで講義を受講することもできます。 |
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LEC
LECオリジナルの「ブレークスルーテキスト」(2色刷)をメインテキストとし、その他、各種答練等の問題冊子・解説冊子が使用されます。(海野クラスは、毎回の講義にセルフレクチャーが提供されます。) ⇒ 教材紹介ページ(LEC公式サイト) ブレークスルーテキストは、司法書士受験生のバイブルとして、長年、合格者を支えてきました。司法書士試験最終合格のために必要な情報・講師のノウハウがすべて網羅されたテキストです。 <ブレークスルーテキストの特徴> ・ 重要度ランク分けにより、学習の優先順位が明確 ・ 重要条文は全文を掲載 ・ 条文理解を深める制度趣旨 ・ 関連情報、補足情報も掲載 ・ 表や図で、視覚的・横断的な知識整理が簡単 |
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Wセミナー
山本浩司講師著書のベストセラーテキスト「オートマシステム」(2色刷り)シリーズをメインテキストとし、「みるみるわかる!」シリーズ、「新でるトコ一問一答」シリーズなど、山本式記憶法(ツーウェイ方式、ウサギとカメ方式)を駆使したテキストが使用されます。 ⇒ 教材紹介ページ(Wセミナー公式サイト) <「オートマシステム」シリーズの特徴> ・「山本式記憶法(覚えようとしなくても自然に覚えられる記憶法)」・・・法律のオモテ側だけでなく実社会での実相を明らかにしながら学習する「ツーウェイ方式」と呼ばれるものと、法律の奥にある意味や立法者の思想を理解しながら記憶する「ウサギとカメ方式(足が速くとも油断のあるウサギにカメは勝てるという裏話と一緒に覚えることで、勝者はカメだと記憶できる)」を組み合わせた、山本浩司先生独自の理論 ・「インアウト一体型」・・・インプットの段階で過去問を解くことにより、学習内容の「急所」を早期に知ることができ、学習の合理化と合格レベルまでの時間を短縮することができるというもの |
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伊藤塾
伊藤塾オリジナルの「講義テキスト」(白黒)をメインテキストとし、「基礎力完成ドリル」、「基礎力完成テスト・演習」、「模試の問題・解説冊子」が使用されます。 伊藤塾のテキストは、最新の本試験出題傾向を反映し、短期合格に必要なすべての情報が盛り込まれています。 <伊藤塾の講義テキストの特徴> ・ テキストが白く、余白も多いので、マーカーが引きやすくメモをとるのにも便利。 ・ 各章の冒頭に学習のポイントが書いてあるので、 全体像がつかめる。 ・ 図表やイラストが多く盛り込まれている。 ・ 過去問で出たところが書いてあるから、重要度が明白。 |
大手資格予備校は、長年積み重ねてきたノウハウを凝縮した教材が売りであり、その一方で、オンライン資格予備校は、IT技術を駆使したアウトプット学習や暗記ツール、そしてフルカラーテキストなどが売りです。また、スタディングは、講義中のスライドが非常に工夫されています。
大手資格予備校は、長年のノウハウが売りと書きましたが、オンライン資格予備校の教材を作成している講師は、その大手資格予備校で経験を積んできた講師です。つまり、大手資格予備校のノウハウを持っているわけです。みなさん、どういうことか、おわかりですね。
ちなみに、教材については、私の個人的な好みは、LECのブレークスルーテキストが、2色刷りで見やすく、知りたい情報がすべて載っているという点で、やはり優れていると思います(Wセミナーのオートマシステムのシリーズは、独学者にとっては、ナンバーワンですが)。
伊藤塾の教材は、白黒でレジュメ風の味気ないテキストという印象ですね。その一方で、アガルートのフルカラーテキストは、画期的ですよね。
スタディングのWebテキストは、フルカラーで図解も豊富です。
- 司法書士の通信教育について、受講料、講義時間数、テキスト、eラーニング、セールスポイントなどから総合的に評価した記事はこちら⇒司法書士通信講座おすすめランキング
独学が安くつくとは限らない! 最安値 99,000円!
司法書士通信講座【大手資格予備校vsオンライン資格予備校】徹底比較まとめ!
以上、見てきたように、オンライン資格予備校と大手資格予備校とを、講師と教材に絞って比較してきました。
おわかりのように、講師は、オンライン資格予備校も大手資格予備校も遜色がなく、いずれもトップクラスの講師です。そして、その講師が作成した教材も、自ずと優れたものになってきます。
そして何より、オンライン資格予備校は、スマホを使った学習に幅広く対応していること!これが何といっても最高のメリットです。
そしてさらに、受講料が、大手資格予備校の半額以下で、これだけの講座を受講できるわけですから、オンライン通信講座を選ばない手はありません!!
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