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司法書士になるには?その方法と仕事内容を解説します!

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司法書士になるには
司法書士になるには【方法と仕事内容】

 司法書士になりたいけれど、どうすればなれるのかわからない。司法書士という名前はよく聞くけれど、どんな仕事をする人なのかよくわからない、といった方も多いのではないでしょうか。

 そこで、このページでは、司法書士になる方法司法書士の仕事内容などについてご紹介したいと思いますので、参考にしてください。

【執筆者】
㈱モアライセンス代表 大西雅明

市役所に22年間勤めた元公務員。在職中に、土地家屋調査士、宅建士、行政書士、マンション管理士などの資格試験に合格し、10年以上にわたって当サイトで情報発信している。
2021年度 司法書士試験合格!Twitter

執筆者 大西雅明のプロフィール写真(宅建士、行政書士、マンション管理士、土地家屋調査士などの合格証書)
執筆者紹介

司法書士になるには

 では、司法書士になるための方法から、ご紹介していきたいと思います。

 司法書士になるには、3つのステップがあります。

司法書士になるには
  • 司法書士試験に合格する
  • 新人研修を受講する
  • 司法書士名簿に登録する

司法書士試験に合格する

 司法書士になるには、まず、司法書士試験に合格する必要があり、司法書士試験に合格することで、”司法書士になる資格”を取得することができます。

※ その他にも、一定期間、裁判所事務官・書記官や検察事務官などに従事し、法務大臣の認定を受けた方も、司法書士になる資格を得ることができます。

司法書士試験の概要

 司法書士試験は、 年に1回、7月の第1日曜日に実施されます。

 試験は、「筆記試験」と「口述試験」の2段階あり、筆記試験の合格者のみを対象に口述試験が実施されます。

 ただし、口述試験はほぼ全員が合格しますので、実質的な試験は筆記試験のみと考えておいて問題ありません。

試験日 筆記試験 毎年1回、7月の第1日曜日
【午前】9時30分〜11時30分(2時間)
【午後】13時〜16時(3時間)
口述試験 (筆記試験合格者のみ)10月後半の平日

 筆記試験は、午前の部五肢択一式35問午後の部五肢択一式35問と記述式2問の出題となっています。

 試験科目は全部で11科目あり、午前に、憲法・民法・会社法・刑法、午後に、不動産登記法、商業登記法、供託法、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、司法書士法が出題されます。

 司法書士は、「登記」するだけというイメージを持っている方にとっては、なぜこんなに試験科目があるのか不思議に思うかもしれませんが、冒頭でも記載したとおり、司法書士には「裁判書類作成業務」がありますので、民事訴訟などの勉強も必要になってきます。

試験内容 筆記試験

午前

【択一式】35問
憲法、民法、商法(会社法)、刑法

午後

【択一式】35問
不動産登記法、商業登記法、供託法、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、司法書士法

【記述式】2問
不動産登記法、商業登記法
口述試験 不動産登記法、商業登記法、司法書士法

受験資格

 司法書士試験には、年齢、性別、学歴などの制約はありません

 国家試験の中には、社労士のように受験資格に学歴が設けられている資格もありますが、司法書士試験にはそのような制約、条件等は一切ありません。

 ですので、大卒に限らず、中卒や高卒の方も、どなたでも受験することができます。

合格者の年齢

司法書士試験合格者の年代別割合

 このように、司法書士試験には学歴の制約も年齢制限も何もありませんので、大学生から70歳を超えるご年配の方まで、幅広い年齢層の方が合格されています。

 合格者の年代別割合は、30代・40代がほぼ同数で最も多く、この年代だけで全体の約7割を占めています。

 その次が50代、そして20代となっていますので、新卒で司法書士になるというよりも、社会人としてある程度働いてから司法書士を目指す方が多い傾向がありますね。

 さらに、合格者の平均年齢は年々上昇傾向にあり、2017年度は37歳でしたが、2018年度は38歳、2019年度・2020年度は40歳、そして2021年度は41歳となっています。つまり、上記の傾向がより強まっていると言えそうです。

年度 合格者の平均年齢 最年少 最年長
2017年 37.6歳 21歳 77歳
2018年 38.77歳 21歳 73歳
2019年 40.08歳 20歳 72歳
2020年 40.02歳 19歳 80歳
2021年 41.79歳 20歳 73歳
出典:法務省(司法書士試験)

 ですので、長年仕事を続け、定年までの人生が見えてきた段階で、「こんな年で、今さら勉強を始めても遅すぎるよなぁ、、」などと心配する必要はまったくありません。

 60代でも70代でも合格される方はいらっしゃるんですから。司法書士に定年はありません。人生はまだまだこれからです。

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難易度・合格率

 では、この司法書士試験の難易度は、どれぐらいあるのでしょうか。

 司法書士試験の合格率は4%程度しかありませんので、超難関資格です。

 つまり、100人受ければ、96人が落ちることになります。

 勉強時間でいうと、一般的に3,000時間程度の勉強が必要と言われていますので、例えば、1日に3時間勉強したとしても、3年かかる計算になります。

 ですので、安易な気持ちで挑戦できるような資格ではないというのは、なんとなく想像がつくかと思います。

 しかし、司法書士はとても魅力的な資格ですので、人生をかけて5年も10年も試験に挑戦し続ける方も多くいらっしゃいます。

 一方、割合的には少数ですが、1〜2年で合格してしまう方もいらっしゃいますので、やはり、いかに効率的に勉強するかがポイントですね。

新人研修を受講する

 それでは、司法書士試験については以上として、次は、試験に合格した後の流れについて解説していきます。

 試験に合格した後には、原則として1年以内に司法書士の登録を予定している方を対象にした新人研修が用意されています。

 この新人研修には、中央研修ブロック研修司法書士会研修(配属研修)の3種類があります。

 さらに、認定司法書士になるための特別研修もありますが、これは認定司法書士になることを希望する方のみが対象です。(とはいえ、ほとんどの合格者が特別研修を受講します。)

中央研修

 中央研修は、日本司法書士会連合会(日司連)が実施する研修です。

 eラーニング研修として、12月中旬〜2月頭の期間を3つのブロックに分けて実施されます。(2021年度は、各ブロック17日間ずつ)

 この研修では、司法書士制度の歴史を知り、業務の成り立ち、職責・倫理などを学びます。

ブロック研修

 ブロック研修は各司法書士協議会ごとに行われる研修で、全国8つのブロック(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州)ごとに開催されます。

 この研修では、実務で必要とされる知識、実務に直結する知識を学びます。

司法書士会研修(配属研修)

 司法書士会研修は、各都道府県の司法書士会ごとに行われる研修で、配属研修とも呼ばれます。配属研修では、一定期間、実際に司法書士事務所に配属され、実務を学ぶことができます。

 なお、司法書士会研修では、配属研修だけでなく、数回の集合研修も実施されるところが多いようです。

司法書士名簿に登録する

 以上の新人研修を修了後、司法書士会を経由して日本司法書士会連合会が備える司法書士名簿に登録し、事務所を設置する予定地の司法書士会に入会することで、司法書士になることができます。

 具体的な手続としては、登録・入会を申請すると、司法書士会役員の方との「登録面接」を経て、日本司法書士会連合会の「登録常務会」で登録が認められれば、司法書士名簿に登録されることになります。 

※ なお、新人研修の修了前であっても司法書士名簿に登録し、司法書士会に入会することは可能ですが、研修自体は必ず受講する必要があります。(司法書士会によっては、新人研修の修了が入会条件となっているところもあるようですので、事前にご確認ください。)

司法書士の仕事内容

 次は、司法書士の仕事内容について、ご紹介します。

 司法書士は、不動産の権利に関する登記と商業登記の手続代理が中心的な仕事です。

 また、高齢化社会の進展により「成年後見制度」や「民事信託」などにおいても、活躍の場を広げています。

 さらに、認定司法書士になれば、簡易裁判所において、弁護士同様に裁判業務(訴訟代理業務)を行うこともできます。

 なお、この訴訟代理業務にスポットが当たったことで見落としがちなのが、裁判書類作成業務です。従来から司法書士には、簡裁に限らず地裁でも高裁でも最高裁でも、本人訴訟を支援する形で裁判所に提出する書類の作成業務が認められています。

司法書士の仕事内容
  • 不動産の権利に関する登記・商業登記の手続代理が中心的な業務
  • 成年後見制度・民事信託などに活躍の場を広げている
  • 認定司法書士は簡裁の訴訟代理業務を行うこともできる
  • 従来から、簡裁に限らず裁判書類作成業務が認められている

 では、これら司法書士の仕事内容について、もう少し具体的にご紹介していきたいと思います。

司法書士の独占業務

 司法書士には、独占業務があります。

 独占業務というのは、つまり、司法書士しか、やってはいけない業務のことですね。逆に言うと、司法書士ではない人が、この業務をすると違法になり、罰せられることになります。

 司法書士の独占業務としては、以下の業務が定められています。(司法書士法第3条第1項第1号〜第5号第73条第1項

司法書士の独占業務
  • 登記又は供託に関する手続の代理
  • 法務局に提出する書類の作成
  • これらの審査請求の手続の代理
  • 裁判所又は検察庁に提出する書類の作成
  • 上記に関する相談

 以上の業務は、司法書士以外はすることができない独占業務とされています。

 ただし、他の法律に別段の定めがある場合は除かれています。つまり、他の法律で、この業務をすることが認められている場合があるわけですね。

 例えば、土地家屋調査士は、土地家屋調査士法第3条に基づき、不動産の表示に関する登記の手続代理をしますし、弁護士は、弁護士法第3条の「その他一般の法律事務」として、登記申請代理業務を行うことが認められています。

 また、 これらの独占業務に加えて、財産管理業務(相続財産管理人、不在者財産管理人、成年後見人などへの就任)も行うことができます。(司法書士法第29条第1項同法施行規則第31条

※ 法29条1項は、「司法書士法人」に関する規定のため少々読みづらいですが、「すべての司法書士」が行うことができるものとして、施行規則31条で財産管理業務が定められています。

認定司法書士の業務

 特別研修を受け、認定考査に合格した認定司法書士は、以下の業務を行うことができます。(司法書士法第3条第1項6号〜第8号

認定司法書士の業務
  • 簡易裁判所における140万円以下の訴訟、民事調停、仲裁事件、裁判外和解等の代理
  • 筆界特定手続の代理
  • 上記に関する相談

登記業務

 登記業務には、不動産登記商業登記とがあります。

 司法書士が担う不動産登記は、所有権や抵当権などの権利関係を登記記録(登記簿)に記録する「権利に関する登記」を行うものです。

 また、商業登記は、法人を設立するために必須となる設立登記を行ったり、会社の事業内容や資本金の額、役員など、その会社の重要な事項を登記記録に記録するものです。

 司法書士は、これらの登記業務を、不動産の所有者や会社の代表者から依頼を受けて、代理で行います。

供託業務

 供託とは、供託所という機関に金銭を預ける制度のことです。

 例えば、家賃の値上げなどで折り合いがつかない場合や、貸主が行方不明で弁済することができない場合などに、供託所にその家賃を預けることにより、債務不履行となることを免れる制度です。

 この供託制度は手続きが複雑なため、司法書士に手続を依頼することが一般的です。

裁判書類作成業務(本人訴訟の支援)

 司法書士は、簡易裁判所に限らず、家庭裁判所や地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所など、裁判所の制限なく本人訴訟を支援する形で裁判書類を作成する業務が認められています。

 そもそも司法書士は、裁判書類作成業務をルーツとする資格です。

 明治時代に、裁判所に提出する書類を作成する「代書人」として司法書士の制度はスタートし、当時、弁護士は「代言人」、司法書士は「代書人」として訴訟手続の両輪を担っていました。

 その後、裁判手続は弁護士が中心に担うことになったため、司法書士の裁判業務における存在感は薄れてきましたが、依然として裁判所提出書類の作成業務は、司法書士本来の業務であることに変わりはありません。

 訴状の作成や答弁書の作成、相続放棄の申述書の作成や自己破産の申立書の作成など、裁判所に提出するあらゆる書類を作成することができます。

 ただし、弁護士と違って法廷に立つことはできませんので(簡易裁判所における140万円以下の訴訟を除く。)、傍聴席に座り、あくまでも本人訴訟を支援する形になります。

成年後見業務

 成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神障害などで判断能力が不十分な方を保護し、支援する制度です。

 家庭裁判所から、成年後見人(又は保佐人・補助人)として選任を受けて、不動産や預貯金などの財産管理を行います。

裁判業務(訴訟代理業務)

 平成15年に司法書士に簡易裁判所の訴訟代理権が与えられたため(平成14年5月改正、平成15年4月施行)、特別研修を受け、認定考査に合格した認定司法書士は、簡易裁判所(140万円以下の請求に限る。)において、弁護士と同様に、裁判業務(訴訟代理業務)を行うことができます。

司法書士と行政書士の仕事内容の違い

 司法書士と行政書士は、いずれも「書士」という名前がついているため混同されることがよくありますが、その違いについて簡単に説明しておきたいと思います。

司法書士の仕事

 司法書士の業務は、上記のとおり、登記・供託に関する手続の代理、法務局に提出する書類の作成、裁判所・検察庁に提出する書類の作成、簡易裁判所での代理人業務などです。

行政書士の仕事

 行政書士の業務は、官公署に提出する許認可等の書類の作成やその手続の代理、権利義務又は事実証明に関する書類の作成などです。

司法書士と行政書士の仕事の違い

 これらの違いをひとことで言うと、作成する書類の提出先の違いです。

 司法書士は、法務局や裁判所に提出しますが、行政書士は、官公署(国の機関や都道府県、市町村など)に提出します。

 司法書士が法務局に提出する書類は登記申請書などで、裁判所に提出する書類は訴状などであり、行政書士が官公署に提出する書類の代表的なものは、許認可等の申請書ということになります。

司法書士と行政書士で重複する仕事

 ただし、現実には、重複してくる業務もあります。例えば、「相続」に関する業務は、司法書士も行政書士も取り扱う業務です。

 遺言書の作成や、相続人の調査、遺産分割協議書の作成などは、司法書士も行政書士もいずれも行うことができる業務ですが、いざ、相続登記をしようとすると、その登記申請は司法書士にしかできない業務ですので、ここで違いが出てきます。

非司行為

 稀に、司法書士の独占業務が「登記申請の代理」だけで、「登記申請書の作成」は独占業務ではないと勘違いし、行政書士が相続登記の申請書を作成して本人に申請させるという事例があるようですが、これは明かな違法行為です。

 これを、”非司行為”といいます。つまり、司法書士ではない者が、司法書士の業務を行うことですね。

 法務局に提出する書類の作成(相談を受けることも含めて)は司法書士の独占業務であり、司法書士でない者がこの業務を行った場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。(司法書士法3条1項2号、73条1項、78条1項)

司法書士の年収

 司法書士の平均的な年収は、およそ500万円〜600万円ぐらいと言われています。一方、行政書士の平均的な年収は、およそ500万円ぐらいと言われていますので、そう大きな差はないようです。

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