28 The best of Onyx records part 2

Relic-5050

GG28レーベル:Onyx
設立地:マンハッタン・ニューヨーク州
創設者:Jerry Winston・Al Hirsch
活動期間:1956年~1958年
創設:1956年6月
関連レーベル:Cub・Val-Ue

01 Remember - The Velours
02 Zippidy zippidy zoom - The Pearls
03 Is it too late - The Impressors
04 Angel (take one) - The Montereys
05 Great jumping catfish - The Wanderers
06 My oh my - The Pearls
07 Honey drop - The Velours
08 Yuz a ma tuz - The Pearls
09 Where there's a will - The Velours

10 It's you, it's you i love (take 4) - Carvels
11 I sure need you - The Pearls
12 Do you love her (take 6) - The Impressors
13 Thinking of you - The Wanderers
14 Can I walk you home - The Velours
15 Loneliness (take 3) - The Impressors
16 Hope he's true - Marquis
17 It's love, love, love (take 6) - The Pearls
18 I love you so (take 6) - Carvels

我々の「Golden Groups Pt. One : Best of Onyx Records(Relic LP 5005)」リリースから10年経った今、R&Bオールディーズ・ファンにも明確に嗜好の変遷があった。長い間好きだった偉大なグループの口あたりのよいスローな歌よりも、常に退屈に聞こえる単調なジャンプ・ナンバーが優れているように今では言われるのは、50年代の中後期のニューヨークR&Rを捨ててしまうようで、我々にはまさに意外なのである。我々ニューヨーカーは、たとえばイギリス人がThe Five KeysのCapitalレコードのアップ・ナンバー・シングルを好んでるのを実に奇妙であると考えている。「Out of sight, out of mind」や「Wisdom of a fool」を聞いて育った私たちは、「That's right」「Gee whittakers」「It's a groove」といった彼らのアップ・テンポなB面の曲の大部分は使い捨て品であると思ってきた。新しいものや外国の考えを示すことは、その人の偏狭な見解を広げることができるし、The Veloursのジャンプ・ナンバー「Honey drop」やThe Wanderersの「Great jumpin' catfish」と呼ばれている作品を聞くことは、現在ではより簡単であると思う。本コレクションは「シングルのB面」で成立しないことを示唆している。The Veloursの「Remember/Can I walk you home」のカップリングはニューヨーク市中が注目した偉大な50年代後半のグループ・ハーモニー・シングル盤の1枚である。そして、Onyxはその乏しい運営力にもかかわらず、R&Bボーカル・グループのシングル盤約20枚のリリースに本当に専念していた。Onyxレーベルは、西49番街(マンハッタン)のMalverneレコード卸売業者(Al Hirsch設立)で働いていたJerry Winstonが1956年6月に開設した。Jerry Winstonは最初に(George GoldnerのGee・Ramaのような)Mardi Grasレーベルからマンボとチャチャでレコーディング・キャリアを開始、Malverneの対抗ディストリビュータであったJerry BlaineのJosieとJubileeレーベルがR&Bで儲けているのをみて、彼らはOnyxを立ち上げた。The Veloursは50年代に多くいた街角グループのひとつであったが、はるかに上手に歌うことができた。彼らのOnyxでの最初のヒット曲「My love come back」の裏面は「Honey drop」である。彼らの最大のヒットはもちろん「Can I come over tonight」(#512)で、1957年夏にアメリカ東部において大きなR&Bヒットとなった。クィンテットのメンバーはJerome "Romeo" Ramos(リード)・John Cheetom(1stテナー)・Donald Haywood(2ndテナー)・John Pearson(バリトン)そしてベース。The RavensのJimmy Ricksに大きな影響を受けたCharles Moffettは「Can I come over tonight」のレコーディング時にベース・シンガーとして、Calvin Haynesはピアノ奏者としてそれぞれ加入した。「This could be the night」(Relic LP 5005に収録)で健闘したThe Veloursの次作「Remember/Can I walk you home」(#520)が、MGMが新設したOrbitレーベルとプロデューサーとして契約したWinstonの制作で1958年3月にリリースされ、東海岸全域で売上げを伸ばした。Jerome Ramosのリードはスムーズな唱法が最も特徴的なR&Bシンガーの一人であることは疑問の余地がない。後年彼は、Cheetom・Donald Haywood(「Where there's a will」でリードを担当した)とともにThe Fantasticsを結成し、The Driftersスタイルで70年代前半に英国で人気を獲得して成功を満喫した。The Pearlsは聞き慣れて来るとそのよさが分かってくる。私は繰り返し聞いてHowie Guytonの少しばかり不快な音は紛れもなく彼の声だとわかる。Howie Guyton(最近The Plattersのメンバーとして海外ツアー中に死亡した)をフューチャーしたデトロイト出身の多作なグループは、Derek Martin(ソウル・ヒット「You better go?」を持つ)・George Torrence・Coley Washington・David Clowney(「Happy organ」のヒットを放ちDave "Baby" Cortezと改名した)がメンバーである。彼らもまた、The PearlsとしてAtcoや、The 5 PearlsとしてAladdinに若干の素晴らしいシングルを残し、1958年秋にはOkehから「More than the day before」をリリースしたHowie and The Sapphiresとして知られた。本アルバムには「Zippidy zippidy zoom」と同シングル裏面の「Let's you and I go steady」(#503)を収録した。この曲はニューヨーク市でオン・エアされマイナー・ヒットとなった。「My oh my」は元々「Tree in the meadow」(Onyx #506・1956年12月)のB面としてリリースされ、私のR&Bの流行を変えるという序文があてはまった。「Yuz a ma tuz」は裏面の「Ice cream baby」(Onyx #511・1957年冬)と同じくらい出来が悪い(今ならThe Pearlsファンはすべてを覚えている)と思われているが、それは事実とは異なるし、私の意見でもない。これらジャンプ・ナンバー好きのために、我々はHowie Guytonの「I sure need you」(Onyx #510・1957年3月)をリリース、B面はHank Williamsとは全く異なった解釈をした「Your cheatin' heart」を収録した。結果的に我々は「It's love, love, love」(初盤が1957年11月にOnyx #516としてリリースされた)のテイク6を「Wheel of love」のB面に入れた。The Impressorsについて書くのはエキサイティングである。私は「Do you love her」(MGMの子会社Cubから1958年にリリース・Winstonが制作を担当した)が常々とても過小評価されたグループ・シングルの一枚であると思っていた。我々は「Loneliness」を含むCubのオリジナルシングル盤では、テイク6のセッションを使った。The Impressors、評価の高い2人の謎めいた兄弟を含んだThe Lotharios(The Channelsへの加入前にEarl Lewisが在籍したグループ)が「Is it too late?」と呼ばれたOnyxでのもうひとつのシングルを1957年秋に「No, no, no」の裏面としてリリースした。Barlow and The Montereysの「Angel」は、Onyx #517としてリリースが予定されたが未発表のままであったが、我々の最初のOnyx編集アルバムに収録している。さらに本アルバムでは最初の別テイクを収めた。じらすようにCarvelsとだけ書かれたラベルのあるOnyxのテープ・ボックスからThe Carvelsの2曲を収録、これらの歌は当時未発表のままであったものである。Ray PollardとThe Wanderers(R&Bファンの間でも長年にわたる熱心な彼等のファン以外には見落されたグループでもある)は間もなくOnyxを去る。The Wanderersは、Ray Pollard(1stテナーおよびリード)・Sheppard Grant(ベース)・Robert Yarborough(バリトン)・Frank Joyner(2ndテナー)の4人で、1953年に契約したSavoyからデビューをはたした。Decca移籍後に、美しいバラード「Wrong party again」とノベルティー・ソング「Say hey, Willy Mays」をリリースののち、Winstonと契約し、彼らの最も商業的にヒットしたレコードを制作した。「Thinking of you/Great jumping catfish」(Onyx #518)は1957年のクリスマスの時期間、ラジオから盛んに流れた。当時私はニューヨークで何度も耳にしたのを覚えている。その仰々しさやまるで見本通りのようなポップ・スタイルと言い回しが好きになれなかったが、その考えを長年を捨てなかったという私個人に対して自己嫌悪した。「Thinking of you」の作り話への隔たりが、The Earlsの「I believe」に感じた偽狂的信仰や偽の誠実という全くのつまらなさと同様、短期間(徐々に静まったが)でR&Rのどん底まで下がっていった。それでも、おそらくRay Pollardの声はR&Rには十分によかった。しかし彼は本当のヒットを出すためには現実に戻る必要があった。最もグレイト(そして、最も珍しい)なOnyxの1枚は「Hope he's true/Bohemian daddy」(Onyx #505・1956年12月リリース)と呼ばれたThe Marquisの調子外れで魅惑的にアマチュアっぽいシングル盤である。かつて暗黙の対抗意識が、大学生(collegians)と自由人(bohemians)と彼等を支持するハーレムのティーンエイジャーたちの間にあったが、この素晴らしいシングルはこれらの反目の灰から出現した。The Marquisは、ブロードウェー130番街の近所から生まれたグループで、June Batemanのリードを全面に、Charlie(1stテナー)・"Rocko" MaCk(2ndテナー)・Lloyd Lomelino(バリトン)・Robert "Babe" Stowers(ベース)の5人編成であった。June BatemanはFrankie Lymonのサウンドによく似た声を持っていたが、数ヶ月後にHolidayからリリースされた彼女自身のシングルでは、それがより抑制されているように聞こえる。Onyxは1958年にWinstonとMalverneによって閉鎖され、暫く後にMGM-Cubがアーティストカタログを買収した。WinstonはThe Velours・The Impressors・The Wanderersらのシングル盤をCubからリリースし、そのうち何枚かは地方でちいさなヒットを得た。Jerry Winstonは、今でも何不自由なくMalverneのレコード配布ビジネスを続けている。50年代後期に売れ残りのOnyxシングル全てを処分したことを皮肉っぽく憶えている。こうしてThe PearlsとThe Wanderersのオリジナル・シングル盤といおう大きな遺産は、意図的な忘却のために破壊された。
by Donn Fileti
Art Berlowltzによるメンバーの情報に感謝します。The VeloursへのYesterday's Memories誌のインタビュー記事を書いたDave Hinckley・Marv Goldbergに感謝します。また、Time Barrier Express誌でThe Marquisについて書いたMark J. Zuckerに感謝します。

Pelican's impression

Onyx編のパート2です。今回も後半が難しかったです。謝辞をささげた人のひとりMarv Goldbergさんは私もしょっちゅう参考にさせてもらってるし、Doo Wop関連のCDのライナーでは何度もみかける研究家もひとりです、皆さんも一度はみた事あるでしょ。ここまでシリーズで28枚目です、まだまだ先は長いっ。