17 The best of Relic records part 2

Relic-5036

GG17レーベル:Relic
設立地:ニュージャージー州・ハッケンサック
創設者:Eddie Gries・Joe Martin
活動期間:1962年10月~運営中
創設:1962年10月
関連レーベル:50~60年代のマイナーレーベル多数

01. Hey landlord - The Five Crystals
02. I believe - Dee Vines
03. Good looking out - The Five Crystals
04. Mother nature - The Vilons
05. End of time - Unknown
06. Sweet Louraine - Unknown
07. Baby doll - The Excels
08. My greatest Thrill - The Starlites
09. You're mine forever - The Excels

10. Joannie - The Starlites
11. Can't you see - The Newtones
12. I remember the nite - The Nu-Tones
13. Unfaithful - The Quinns
14. My Juanita - The Kents
15. Peace of mind - The Continentals
16. Don't say goodbye - The Kents
17. We're going steady - The Nutones
18. Come on - The Nutones

このアルバムに収録されている歌が60年代中頃にRelicレコードからシングル盤として発売された当時、グループ・ハーモニーへの関心は急速に薄れていた。ほぼ一夜にして、ビートルズ出現以降のアメリカン・ポップスを変えることになったブリティッシュ・インヴェイション(英国の侵攻)は、オールディーズ・スタイルのグループの終わりを予測させた。どんなに新しい「ドゥー・ワップ」シングルでさえ、ラジオでのオン・エアを得ることは非常に困難になり、またあれほど人気のあったオールディーズ番組さえ急速に人気を失っていった。Relic最初のシングル盤がリリース(Relic LP-5027 "Golden Groups part.11 Best of Relic records)された1963年当時は、今では考えられないかもしれないが、ドゥ・ワップ・グループは東海岸を中心に重要なラジオ番組で盛んにオン・エアされ、地元や時には全米チャートにおいてヒットさせることができた。このアルバムに収録された18曲は(1曲を除き)、発売あるいは(R&Rコレクターのために)再発され、Relicリリースとして最高でも数百部が売られた。1960年代後半(まさに我々が最初のプレス工場を持った時である!)から需要が急激に減少したため、我々(Ed Griesと私・Relicレコード所有者)は数年前にシングル盤のプレスを止めた。それらの盤は少数のコレクターズ・アイテムとなった。そのほとんどは、緑・赤・青などカラー・ビニールに金のRelicロゴのラベルでリリースされていた。Relicからリリースされたシングルの裏面は全て初収録(グループの作品は1950年代後半にレコーディングされていたが、決して発売される事はなかった)で、Al Browneの倉庫に眠っていたテープを我々が1965年に購入の後リリースした。本アルバムの大部分の作品はAl Browneがプロデュースした。ここで我々は彼の経歴を1972年発行のBim Bam Boomマガジン(Bob Ostrowski編集)の記事を借用して概説する。Al Browneは1953年のBilly "Dawn" SmithによるThe 4 Dukesの「Crying in the chapel」のカバー作でR&B界に参入した。完璧なまでのハーモニーが実に効果的で心に残る作品群、The Heartbeats(Hull)の「Crazy for you」や「People are talking」、The Deltairs(Ivy)の「Lullabye of the bells」、The Delroys(Apollo)の「Bermuda shorts」や、さらにはJoyce・PeakからはJohnny Maestro and The Crests初のシングル「Sweetest one」、The Starlitesの「Missing you」、The Gaytunes「I Love you」、The Cresentsの「Everybody knew but me」、The Storey Sistersの「Bad motorcycle」といった、1956年から57年にかけてのシングル盤の数々といったものがあった。こららは後にCameoレコードから再発されヒットしている。Al Browneは地元のヴォーカル・グループ達に、アレンジャーとともにバッキング・ミュージシャン(彼の独特のニューヨーク・サウンドは本アルバムでも随所で聴く事ができる)として、特に東パークウェイやブルックリン近郊ではよく知られていた。Al Browneは共同で多くの歌も書いたが(そのうちの2曲はLeslie UggamsとSteve Lawrenceのいずれかによってレコーディングされた)、Irv RoseのTimes Squareレコード(Relic LP-5032, Golden Groups vol.15 "Best of Times Square"参照)が1960年代前半にニューヨーク市開催したオールディーズ・ショー(Richard Naderに続く模倣者を出す事となる前の最も初期のリバイバル・ブームを作った)に出演した多くのグループ達を彼のバンドがバッキングした。やがてAl Browne自身もAljonというレーベルを設立し、1957年後半にThe LincolnsとRuss Riley and The Five Soundsを世に送り出した。(彼自身が作曲するという行為を含めて)その多くが成功しなかったにもかかわらず、彼は可能性のありそうな多くの地元グループをレコーディングすることに固執した。結局Aljonの設立から7~8年間はこれらのテープをそのままだったが、その中の何枚かをデモ盤を作成し、楽曲とグループを他のレーベルや出版社に売った。我々はErnest Kelley(Lakeレーベルを共同で設立したAl Browneのパートナー)の紹介を通して1965年にAl Browneに会った時点で、Alはすでにボーカル・グループのレコーディング活動は全く行なっていなかった。我々が1950年代後半に購入したマスター・テープの箱にはレコーディングに関する情報が書かれていなかったため、Al Browneにグループに関する話を聞くことにした。「Mother nature」は1960年代初頭にAljonからリリースされた。The Vilons(Bobby Alveray・リード、John Pagan・ファーストテナー、Santos Torres・セカンドテナー、Louis Torres・バリトン、Cesare Pagan・ベース)は、ファラガット公営団地(ブルックリン)に住む若者達が結成。レコーディング・グループとして短期間活動していた。彼らもLakeレーベル(BrowneとKelley共同設立)から「Angel darling/Wish she was mine」と1970年代後半に「What kind of fool am I?/Let me in your life」をBim Bam Boomレーベルからリリースしている。「Baby doll」と「You're mine forever」はリードのFreddy OrangeをはじめとするThe Excels(Benito Travieso・Raphael Diaz・Harry Hilliard・Joe Robles)が歌っている。Benito・Raphael・Harryの3人はThe Excels結成以前に、Celesteレーベル(Relic LP-5014 "Golden Groups part.4 "Best of Celeste" に「Jerry」が収録されている)に在籍したThe Minorsの中心的メンバーである。1958年夏にCentralレコードはThe Excelsの「Baby doll」とThe Laddinsの「Did it」(Relic LP-5018 "Presenting the Laddins"参照)を同時発売、この2曲はタイトルは異なるものの同じ曲であった。The Shieldsの「You cheated」、The Silhouettesの「Bing bong」、The Spanielsの「Stormy weather」、Chuck Berryの「Carol」などがこの頃にリリースされている。Al Browneがプロデュースした「Joannie」と「My greatest thrill」をレコーディングしたThe Starlitesは、「Missing you」(Peak)と「To make a long story short」(Scepter)を出したThe Starlitesと同一のグループである。彼等の「Can't you see」と「Come on」も、Batonで発表した「Going steady」と「Remember the nite」の別バージョンである(現在、きわめてレアなシングルとしてグループ・コレクターの間では400ドルで取引されている)。我々がシングルに記載する彼らの名前についてAl Browneに尋ねたところ、「当時はThe Nutonesと記載していた」と彼は答えた。おそらく彼は、Batonから1958年に出したグループのシングル盤に「The Newtones」と記載していることをすでに忘れていると思われた。The Quinnsに関しては、Paul WinleのCycloneレーベルから「Hong kong/Oh starlight」をリリースした The Quinnsと同じ可能性がある。The KentsはCeciliaレコード在籍したThe Criterionsと同じグループ、そしてThe ContinentalsはRamaレコードに在籍したグループである可能性がある。1950年代後半のAl Browneは、レコーディングで最も多忙な時期であった。数々のグループをプロデュースしたが、その中には短時間のレコーディング・セッション以降に、再び合うことがなかったグループもあったであろうことは十分に考えられた話だ。また、曲がうまく歌えないグループには次がなかっただろう。Al Browneの臨時のパートナーであるErnest Kelley(LakeレコードでThe Cashmeresの「Satisfied」を制作し、わずかだが成功を収めている)は、我々に未知のグループ作品「End of time」と「Sweet Lorraine」のテープを持ってきた。ピッツバーグで制作されたようだが、ニューヨークの歌い手であると思われた。「Hey landlord」と「Good looking out」は、1959年秋にKaneレーベル(Les ButlerとDossie Terryが共同設立したが短命に終わった)からリリースされたThe Five Crystalsの唯一のシングルである。Wayne Stierleと私はDavid Campanella(有名なブルックリン・ドジャーズ選手キャッチャーRoy Campanellaの息子)とともにThe Dellchordsの「Somewhere over the rainbow」のマスターを借り、おおいなる希望を持ってCandleliteレコードから再発したものの、全くの失敗に終わった。The Dee Vinesの「I believe」は、1960年10月にRocco Catalanoがポート・チェスター(ニューヨーク州)で設立したLanaレーベルからリリースされた。メンバーの多くがウェストチェスター郡(ニューヨーク州)出身のイタリア系アメリカ人の若いグループは、以前Andie(Laurieレコードの子会社)からThe Quentinsとして「You'll never know」を歌った。本アルバム(そのほとんどは、レコーディング・セッションの直後にほこりまみれの棚へ追いやられた)の中では、他の歌と違い「I believe」にはヒットになるチャンスがあった。パワフルなニューヨークのDJ、Murray "the K" Kaufmanは一時期この曲を盛んにオンエアした。しかし不可解な事に急に放送されなくなってしまった。この曲はのちの1964年にRelicから再発され、非常にポジティブな反応があったことに我々は驚いた。しかし結局、The BachelorsとThe Earlsによるこの歌のカバーがThe Dee Vinesのバージョンを圧倒した。The Earlsの「I believe」(1963年に「Don't forget」とのカップリングだったがヒットしなかった)は、アンダーグラウンド・ドゥーワップの古典として、ニューヨーク・オールディーズ・ファンにとっての啓示と狂的信仰ともなった。1960年代中後期(もしそれらが消滅しようとした期間ならば)におこったアカペラ・アルバム(我々にとっての初のRelicアルバムである「Best of Acappella, Vol. 1」)のリリース・ブーム(並行してリリースしたシングル盤よりはるかに人気があった)によって、ニューヨーク・オールデォーズファン達が本当に興奮したということなどないと断定するだろう。熱狂的グループ・ファンとコレクターは本アルバムに収録された歌を評価している。いつかは彼らの歌がより多くの聴衆を得るであろうことを付け加えよう。
by Donn Fileti (謝辞:アルバム・リリースに関する多くの部分にAl BrownとErnest Kelleyに感謝する)

Pelican's impression

全編ほぼマイナー・グループばかりなので、ポップなあるいはヒット・ナンバーを聴きたいファンには退屈かもしれないですねー。ライナーにあるように本アルバムに収録の作品はほぼ全作レア・シングルばかり、コレクターは大変ですね〜。私はこの一枚で十分ですけどね。おわかりかとおもいますが、Relicというのは再発専門レーベルと思っていいのですが、各々のオリジナルはきわめて小さいレーベル会社であります。本作はAl BrownとErnest Kelleyの関わった2〜3のレーベルを中心に収録されています。なので「Best of Relic」というのは人によっては紛らわしい表現でもあります。一口にDoo-Wopといっても出来上がった作品は、グループの数だけ多様です。さてあなたはステキな一曲がありました?