06 The best of Ember records part 1

Relic-5016

GG06レーベル:Ember
設立地:ニューヨーク州・ニューヨーク
創設者:Al Silver
活動期間:1953年2月~1965年3月
創設:1953年2月
関連レーベル:Herald

01. Walking with Mr.Lee - Lee Allen
02. Fountain of love - The Starlarks
03. Bing bong - The Silhouettes
04. Hold me closer - The Marketones
05. Get a job - The Silhouettes
06. Pocahontas - The Camelots
07. Talk it over - The Marketones
08. Miss thing - The Silhouettes
09. I am lonely - The Silhouettes
10. Can't we fall in love - The Illusions

11. Dear diary - The Smoothtones
12. Send me a picture baby - The Starlarks
13. Three precious words - The Edsels
14. Why don't you write me - The Barries
15. Smoke from your cigarette - The Fobulons
16. Paradise hill - The Embers
17. How high is the mountain - The Illusions
18. Voodoo eyes - The Silhouettes
19. What brought us together - The Edsels
20. Mary Ann - The Barries

In the still of the night・Get a job・The joker・To the aisle・Walkin' with Mt. Lee…Emberレコードが50年代の中ごろから終わりにかけて放ったスマッシュヒットを覚えているだろうか。Al Silverが設立した Herald(本シリーズ Vol.5参照)・Emberレーベルは、R&B・ポップチャートに多くのシングルを送り出した。EmberはJack Angel・Mercer Ellingtonを長に1953年2月にスタートしている。Jack Angelは、Al Silverが設立した Silver Plastic(ニューヨーク市)の元工場長で、この工場でプレスされたBig John Bouie のStomp juiceがEmber-100(後にHerald-409としてリリースされる)としてリリースされ音楽ビジネスに参入した。およそ1カ月後にThe EmbersのParadise hill(Ember-101)を発表し、ニュアークでヒットした。このシングルは全米で販売するためにマスターをHeraldに持ち込んで配給した作品であった。このJack Angelは1953年6月に3人目のパートナーとしてHeraldに加入し、Emberのロゴは一時的に閉鎖された。1956年は偉大なロックンロールの年でAlan Freedはニューヨークで絶大な人気を得ていた。Al Silver・Jack Angel・Jack BravermanはHeraldからのリリースを充実させるために姉妹レーベルが必要だと感じていた。1956年1月後半、彼らは1956年2月1日をめどにEmberの再発足を発表した。まもなくBob Rosen(Seeco-Dawnレコードに在籍していた)がHeraldに入社し、新生Emberレーベル最初のシングル The SmoothtonesのDear diaryとGloria LynnのAffectionを2月になかばにリリースした。ちょうど市場にはThe WillowsのChurch bells are ringing・The TurbansのSister Spookey・The BaltineersのMoments like this・The SensationsのYes sir, that's my baby(キャッシュボックス誌のニューヨークR&Bチャート第2位となっている)などがヒットしている頃であった。Ember物語で最も有名なヒットは、今ではすっかり知られたThe Five SatinsのIn the still of the nightで、ニューイングランドのStandord(Marty Kugells設立)レーベルからローカルリリースされ、コネチカット・マサチューセッツを中心に大ヒットした作品である。この空前の大ヒットクラシックは間もなくAl Silverがマスターを購入し、1956年春に Ember-1005としてリリースされ全米でヒットとなった。このグループの成功はAl Silverに同じニューヘヴン出身のアーティストを発掘させることになる。マスターを獲得し1957年1月にリリースしたThe Starlarksであった。彼らのFountain of love・Send me a picture baby(Ember-1013)は、エール大学生Joel Aldermanが設立したElmレーベルがオリジナルリリースで、のちにJoel AldermanはAnchoレーベル設立時にThe Starlarksと契約することになる。このシングルも好調なセールスとなり、再びThe Five Satins シングルOh happy day(1957年3月)、To the aisle(1957年6月)とリリースを行った。Ricky Nelsonは1957年8月の最後の週にImperialと契約、The ChannelsのThat's my desireがGoneからリリース、The VeloursのCan I come over tonightはニューヨークR&Bチャート第10位…そんな状況のなか、The MarktonesのHold me closer・Talk it over(Ember-1022)がリリースされ、Mark Alan(WNJR局のDJ・ニュアーク)の番組でオンエアされはじめた。このシングル(多くの人が覚えていないであろう)に続いて強力な2枚が10月に続いた。The Five SatinのOur anniversaryとBill MylesのThe jokerであった。Ember最初のアルバムThe Five Satins Singは1957年11月にリリースされ、Lee Allen(ニューオリンズで活躍したホーン奏者)のWalkin' with Mr. Leeが前代未聞のR&Rインストゥルメンタルチャートのトップにランクインした。Alan FreedがWINSでの番組(午後7~10時に放送された)でさかんにLee Allenをオンエアする頃、Dick ClarkのAmerican Bandstandはレコードプロモーターにとって最も重要なTV番組となった。Emberシングルはフィラデルフィアを中心にヒットしていた。この場所でGeorgie Woods・Jimmy Bishop・Dick Clark・Kae WilliamsといったWHAT局のDJたちがJuniorレーベルを設立し、The SilhouettesのGet a jobを送り出した。この曲はフィラデルフィアで大ブレイクしわずか3週間で100万枚を売りつくした。1957年12月(Dick Clark・Tony Mammarellaのもう一つのお気に入りデュオBillie and LillieのLa dee dahがリリースされた時である)、Get a job・I am lonelyは当時のチャートを(The PastelsのBeen so long・The HarptonesのCry like I cried、The LegendsのLegend of loveのように)圧倒しトップの座に君臨していた。The Silhouettesの次のシングルBing bong・Voodoo eyes(Ember-1037)は1958年8月にリリースされたが成功しなかった。フィラデルフィア・トレントン周辺でわずかに話題となったももの(のちのRoger and The TravelersのYour daddy's little girlも同様となる)他のどの地域においてもほとんど知られないままに終わった。Emberの良き日々は1958年の終わり頃に終焉を迎える。Al Silver・Doug Moodyは大成功したといえるほどのヒットを出せなくなっていた。以降Al SilverとBill Darnelは1965年までヒットを待つこととなる。The Five SatinsはストリングスをバックにしたShadow(1959年9月)・I'll be seeing you(1960年3月)・The time(1960年9月)といったクラシックをリリースした。Al Silverは、Eddie Wood(I need love)・George Tindley(I wish)・Chuck Wright(Dear beloved)・Judy Clay(Do right think that's right)といったソロR&Bアーティストたちの良質シングルを60代初期にリリースした。しかし彼らのいずれもがヒットを送り出せず、すでに忘れ去られた何枚かのポップ作品がEmberから同時に公表された。最初の大きなオールディーズブームが、60年代終わり頃にIvy 'Slim' RoseのTimes Squareレコード(再発を専門にリリースした)の出現で起りはじめていた。The FabulousのSmoke from your cigarette(オリジナルはLillian Leach and The Mellows)のカバーリリースであった。The IllusionsのHow high is the mountain・Can't we fall in love(Ember-1071)は1961年初頭にリリースしたものの受け入れられなかった。市場ではLama lama ding dongをヒットさせたThe EdselsのWhat brought us together(1960年9月)・Three precious wordsが健闘していた。このシングルはTony Marchが設立したTammy レーベル(Struthers・オハイオ州)からリリースされたThe Edselsの作品で、素晴らしい60年代のR&Bバラードとしての一例である。50年代のグループブームはThe Beatlesインヴェイション(1964年1月)によって終わりを迎える。Ember最後のリリースはSam Goldman(かつてThe Five Satinsをマネージメントしていた)制作したニューヘブン出身のグループThe BarriesのMary AnnのマスターをAl Silverが買い取りリリースした、しかし何も起きなかった。Tonite, toniteとWhy don't you write meは60年代中ごろにホワイトグループにとってクラシックR&Bとなった。The Camelotsは素晴らしいアカペラグループ(Don't leave me baby, your way)で、Pocahontasというローカルヒットとなっていた。Emberが最後にリリースした中の1枚だったが、この時にはHerald・Ember はすでに終わりをむかえていた。オフィスは1965年3月に閉じられ、全レーベルは数カ月後に売却された。現在Jack Angelはブルックリンで不動産業を、Jack Bravermanはフロリダに在住、Doug Moodyはハリウッドでレコーディングスタジオを運営している。Bill Darnelは(のちにRouletteとなる)自身のレコード会社を始め、R&Bプロデューサー(Derby・Central・Treatなどに在籍した)のLarry NewtonとGSFレコードと合併した。
by Donn Fileti

Pelican's impression

こちらも前作のHeraldと同じくビッグヒットグループの作品はあえて収録されていません。第26集に続編が登場しますのでそちらもお聞きください。The Starlarksはやや古いタイプのグループですがこのスタイルはなかなか私好みでけっこう気に入ってます。そんな感じで聞いていくとThe Silhouettesなどはかなりポップなスタイルに聞こえてきますね。しかしこれくらいの音作りが当時は売れ筋だったのかも知れませんね。The MarketonesはDoo Wopといえるかどうかのギリギリの線です、好き嫌いの別れるところでしょうか。07曲目はJackie Willsonを彷佛とさせるシンガーがリードを担当しています。The CamelotsのPocahontasはなんというか不思議な曲です、The CoastersのPoison Ivyあたりを思い浮かべてしまいました。11曲目のThe Somoothtonesがまいなーながらにいいセンスを持ったグループで、もう少し色々と聞いてみたくなりました。13曲目のThe EdselsのはもうDoo Wopとは言えないですが、本アルバム中最高のR&Bナンバーではないでしょうか、泣き泣きのバラードです。同グループの19曲目もヘビーなバラードで注目したいグループとなっています、意外な見っけもんでした。ということで本作はヒット曲あり、知られざる(私だけ?)名曲ありで、かなり楽しめました。