01 The best of Onix records part 1

Relic-5005

GG01レーベル:Onyx
設立地:ニューヨーク州・ブルックリン
創設者:Jerry Winston
活動期間:1956年6月~1958年3月
創設:1956年6月下旬
関連レーベル:Merdi Gras・Newport

01. My love come back - The Velours
02. Your cheting heart - The Pearls
03. Romeo - The Velours
04. Ice cream baby - The Pearls
05. Bohemian daddy - The Montereys
06. Wheel of love - The Pearls
07. Angel - The Montereys
08. Through the years - The Montereys
09. What you do to me - The Velours
10. Can I come over tonite - The Velours

11. This could be the nite - The Velours
12. Let's you and I go steady - The Pearls
13. Here's a heart for you - The Chordells
14. I started out - The Chordells
15. Dearest one - The Montereys
16. Tell me why - The Montereys
17. No no no - The Impressors
18. Tree in the meadow - The Pearls
19. Story of love - The Joyettes
20. Hands across the table - The Velours

1954年9月に若きJerry WinstonはMerdi Grasレーベルを設立し、ラテン音楽で一連の成功を得ることになる記念すべき第1作をリリースした。彼はCatskillというリゾート地でThe La Playa Sextetの演奏を聴き、彼らの才能に魅力を感じたことからMardi Grasを設立した。1954年はマンボの当たり年となり、Chop suey mambo(Alfredito・Rainbow)やSweet Sue mambo(Chris Powell・Grand)といった曲がニューヨーク・フィラデルフィアのR&Bチャートを賑わせていた。彼はさっそくThe Le Playa Sextet・Charlie Palmert・Al Costellanosといったアーティストらで音楽ビジネスに参入し成功を収めた。Speak up mamboはラテンのスタンダードとなるほどのヒットであった。Mardi Grasのアーティストはノースイーストで数多くオンエアされ、レコードも(現在でいうJoe BataanとWillie Colonのように)R&Bファンに好調なセールスを記録した。成功を収めたJerry Winstonは1956年の6月下旬にR&Bレーベルとして新たにONIX(5544 Avenue D・ブルックリン)の設立を発表した。ONIX最初のリリースMy love come back(The Velours・Onix-501)はニューヨーク・ニュージャージー・コネチカットの各州でヒットした。The Veloursはブルックリン出身のDonald Haywood・Jerome Ramosらが結成した若いグループであった。Jerry Winstonは同時にThe Dreamettesという少女グループとも契約した。彼女らはThe Joyettesと改名しStory of love(Onix-502)で1956年7月にデビューしている。続くシングルは、The PearlsがONIXで初めてレコーディングしたLet's you and I go steady(Onix-503)で、Aran Freed・Tommy 'Dr. Jive' Smallらがこぞってオンエアし、この曲はグループがかつて在籍していたAladdin・Atcoでの成績を大きく上回るセールスを記録した。The ChordellsのHeart for you(Onix-504)・The MarquisのBohemian daddy(Onix-505)は、テンポナンバーの傑出した例といえる。1956年にはThe PearlsのTree in the meadow(Onix-506)がリリースされた。1957年はこの新しいレーベルにとって最もいい年となった。この年はThe Miller SistersのMy own(Onix-507)のリリースで始まった。このグループはHeraldとの契約ののち、彼女らはHull・Acmeと同様にONIXともフリーの契約を行いレコーディングした。1957年冬にはONIX最初のカリプソグループのシングルがリリースされた。The DalesのIf you were meant to be・Lonely woman, lonely man(Onix-509)で、この曲はHarold Ladell(WNJR局のDJ・ニュアークで活躍しMr. Bluesと呼ばれた)との共作であった。このシングルは、レーベルにとって恐らく他のどのレコードよりも最も多く地元でオンエアされたものとなった。のちにニュージャージーのレコード店では「3枚で1ドル」の値段で大量に積まれていたのだが…。1957年3月、The Veloursの最も珍しいシングルRomeo(Onix-508)とThe PealsのYour cheatin' heart(Onix-510・Hank Williamsのヒット)がリリースされた。The Pearlsはさらに続いてIce cream baby(Onix-511)もリリースされた。6月初旬にJerry WinstonはThe Veloursとのセッションに戻り、ONIX最大のヒットとなるCan I come over tonight(Onix-512)をレコーディングした。このシングルは、8月8日(この同じ週にThe ShellsのBaby oh babyが初めてヒットしている)付けキャッシュボックスのニューヨークR&Bチャートにおいて第10位にランクインした。このシングルはキャッシュボックス・ビルボードともに全米チャートには登場しなかった。Sammy Loweと彼のオーケストラがONIXのグループのバッキングを行っていた。この才能あるベテランアレンジャー・指揮者は、The Momentsというビジネス的には成功とはいえなかったグループとのセッションでは、複雑なストリングスを指揮した。1957年8月、Dean Barlow and The MontereysのDearest one(Onix-513)がリリースされた。このグループは、Sammy Loweと同じくEarlレーベル(Tommy Smalls設立)に在籍していたが、1956年に彼がJerry Winstonのもとへ自身とともに連れてきたグループである。1957年秋、非常に過小評価されているレコードがリリースされている。The ImpressorsのNo no no(Onix-514)で、その魅力的なメロディーにもかかわらずポップチャートに顔を出せなかった。しばらくは私のなかで繰り返し歌われた(それからあとの5~6年はそれを聞かなかったが)ものだった。このグループはその滑らかなサウンドにもかかわらず売れなかった。数年後のマーケットではまったく新しいサウンドが登場した。彼らは時流に乗れずにグループは失敗した。The VeloursはThis could be the night・Hands across the table(Onix-515)で再びヒットを放ち、ニューヨークチャートで第10のヒットとなった。この頃にはThe Veloursに続いてThe PearlsのWheel of love(Onix-516)が1957年11月にリリースされ、両グループは名実共に確立したグループとなった。翌12月、ONIXにとって重要なシングルがリリースされた。The WonderersのThinking of you(Onix-518)で、このグループがONIXでリリースした唯一のシングルであった。Ray PollardのエキサイティングなリードボーカルとSammy Loweのタイトなバックボーカルは多くのレコードバイヤーに支持された。The MontereysのAngel(Onix-517)は実際にはリリースされておらず、初めてこのアルバムに収録された作品である。The Veloursのもう一つのONIXヒットは1958年にリリースされたRemember(Onix-520)で、ONIXのオフィス(424 West 49th St.)でカッティングされ、ローカル人気から徐々に火がつき、ついに3月15日にキャッシュボックスに登場した。しかしこの翌週にFerry WinstonはONIXレーベルの終焉を発表する。Jerry WinstonはMGMの設立した子会社のOrbitレーベルと契約し、年間15枚のシングルリリースをMorty Craft(MGM)から行うことで同意した。Rememberは1958年3月31日にOrbitレーベルからリリースされ、The WonderersのA teenage quarrelもリリースされた。MGMは西海岸で運営されていた同名レーベルと混同を避けるためにまもなくOrbitからCubにレーベル名を変えている。こうしてONIXの歴史は幕を閉じた。その後The Velours・The WonderersはCubでレコーディングを行った。The Pearlsはグループ名を一時的にThe Majorsと変え、Herb Abramsonの新設したTriumphレーベルと契約した。Jerry Winstonは1958年夏に再び自身のNewportレーベルを設立した。The Five DelightsのThere'll be no goodbyeはUnited Artistsの新設レーベルUnartから同年10月に、The EmersonsのHungry・Joanie, Joanieは11月にリリースされた。またJerry WinstonはニュアークでWendy Record Distributorsをオープン(73年の時点でも経営は続いている)し、ONIX・Newportの終わりを告げた。
by Donn Fileti

Pelican's impression

このシリーズは(Soul Onによると)80年8月の時点で1~7まで、81年12月には15までがリリースされていました。全55枚という膨大な枚数ですが80年代が終わるまでに完結したのではないでしょうか。なんといってもThe VeloursのCan I come over tonightは素晴しい曲です。ベースシンガーの縦横無尽に奏でるベース・ラインは逸品。The RavensのJimmy Ricksの鳥肌もんの歌い出しで始まるCount every starsを思い出さずにはいられません。The Jestersに通づるものを感じるのは私だけでしょうか。1曲目のMy love come backもしっとりとしたいい作品ですよね。このレーベルの3大アーティストがこれ1枚で聞けます。The Pearlsもお気に入りのグループのひとつで、ONIXからのアルバム「Zippy zippy zoom・Here comes The Pearls(ONIX-203・リイシュー・もっともらしいLP番号がついていますがおそらくブート盤)」にはなんと20曲も収録されています。本アルバムを聞いて彼らに興味を持った…なんて人にはおススメです。写真を見る限りかなり若いグループですが、キッドグループというほどには若くないです。ドンフィレッチの解説でもThe Montereysにはほとんど触れていませんが、リードシンガーは(女性にも聞こえますが)おそらく若い男の子だと思います。とにもかくにもRelicのGolden Groupsシリーズはこれから始まりました。