05 The best of Herald records part 1

Relic-5015

GG05レーベル:Herald
設立地:ニューヨーク州・ニューヨーク
創設者:Al Silver
活動期間:1952年10月~1965年3月
創設:1953年2月
関連レーベル:Ember・Silver Park

01. Darling - The Debonairs
02. Bells of love - The Mint Juleps
03. Lindy Lou - Little Buchie Saunders and His Buddies
04. Look me in my eyes - The Five Willows
05. Dizzy spell - The Loungers
06. Come back baby - The Sunbeams
07. Down in Cuba - The Royal Holidays
08. Little dream girl - The Cashmeres
09. Story untold (unreleased version) - The Nutmegs 
10. Story untold - The Premiers
*

11. Chip chip - The Mello Kings
12. Bob o link - The Smart Tones
13. Great big heart - Little Buchie Saunders and His Buddies
14. Tell me why - The Sunbeams
15. Eternal love - The Heralds
16. Marlene - The Concords
17. Please talk to me - The Thrillers
18. Gee oh gee - The Premiers
19. Lay your head on my shoulder - The Five Willows
20. Tonite tonite - The Mello Kings

Al Silverの設立したHeraldレコードは10年以上にわたりメジャーな独立R&Bレーベルであった。良く知られた「黄色のラベルに黒色のロゴ」シングルは全米のレコード店で売られ、基本的には2~3人の男たちによって運営された。1953年から63年にかけての活動期間中にはレコードチャートにも頻繁に顔をだしたレーベルである。Al Silverがレコードビジネスに参入したのは1947年のことで、ニューヨーク市(469 West Broadway)でSilver Plasticsという会社を設立し、Jubilee・Apollo・Sittin' In・Regent・Four Starsといった初期に活躍したレーベルのプレス工場であった。彼は自身のレーベルを始めることにし、ニュージャージで活躍していたR&BプロデューサーFred Mendelsohn(King・Deluxeなどで仕事をしていた)とともに Heraldレーベルを開始した。すでに1952年にはHeraldレーベルからLittle Walter・Eddie Boydらを含む8枚のブルースをリリースしている。サザンブルースは限定されたものではあったが、大きいマーケットを持っていた。Fred MendelsohnはJack Braverman(Al Silverの義理の兄弟)をレーベルに参加させ、3人でこの市場を狙うことにした。1953年2月のことである。1953年4月にThe EmbersのParadise hill(Herald-410)をJack Angel・Mercer Ellingtonが新しく設立したEmberから購入し、Heraldからリリースしヒットさせた。およそ2カ月後にJack AngelはFred Mendelsohnの所有するHerald株を買収し、フルタイムのパートナーとなり、1956年まで同じHeraldの社員として参加することになった。1953年夏、The RocketeersのFoolish one(Herald-415)をリリースしヒットした。すぐにAl Savage・Joe MorrisのI had a notionが続いてリリースされた。1953年10月17日(Al Silverがレーベルを始めて9カ月後)、Heraldは キャッシュボックス誌の表紙に登場するほど重要なレーベルとなった。1953年11月のニューヨークはとても寒むかった。しかしAl Silverにとっては非常にホットな時であった。レベルのオフィスを「W. Broadway」からミッドタウン(236 West 55th Street)に移転し、Faye Adamsの2枚目の大ヒットI'll be trueをリリースしたからであった。1953年11月(この頃Alan Freedは午後10~12時にかけてアメリカ全土に向けてニューヨークのWNJRから放送を開始していた)、The DominoesのRags to riches(Chance-1147)がニューヨークチャート第9位を獲得していた。The MoonglowsのBaby pleaseは好調な売れ行きを示し、The AmbassadorsのDarling I'm sorry(Timelyレーベル・Hy Siegal設立)がオンエアされはじめるなどボーカルグループ流行の兆しが見えはじめていた。そんな中、キャッシュボックス誌(1953年11月21日付)は「Al SylverのA&R担当(彼はそれが誰なのか今では思い出せない!)は新しいグループと契約したところである。Joel Turneroの4作品をThe Moods(Red Robbin)・The Vibranaires(After Hours)・The Sharps(Two Mikes)ら取り上げる。」と報じている。これらのグループの600ドルにおよぶセッション費用は永久に反古にされたのだが。1954年はレーベルにとってあまり幸先よくなかった。Heraldは、Five Willows(Herald入社以前に Allen・Pee Deeに在籍していた)・The Thrillers(Drunkard・Mattie・Leave me aloneをヒットさせていたデトロイト出身のグループ)・The Heralds(Billy Dawn Smithがリード)といったグループと6月に契約している。The ThrillersのPlease talk to me・Lizabeth(Herald-432)は1954年6月初旬に、The Five WillowsのLay your head on my shoulder(Herald-433)は7月末に、The HeraldsのEternal loveが9月にそれぞれリリースされた。この間にDay, Dawn, and Dusk TrioのAll through the years(Herald-1000)がリリースされており、最初の成功しなかったポップシリーズとなっている。Heraldの2000番台シリーズは1954年10月から開始され、Ethel Davenport・The National Clouds of Joyといったゴスペルタレントを扱った。Heraldのこの2年の間で活躍したのはソロアーティストであった。The Five Willowsの2枚目シングルLook me in the eyes(Herald-442)は1枚目と同じくあまり売れず、Charlie and RayのI love you madlyやFaye AdamsのHurt me to my heartが売り上げをのばしていた。1954年にAl Silverは「W Broadway」のプレス工場を閉鎖を決意し、Parkレコード(ニュージャージ)を吸収合併し「Silver Parkレコード」となった。1954年の終わりにはこのレーベルオフィスをCBSビル(1967 Broadway)に移転している。Al Silverはまさに「ポップなタイプ」のレコードを作ろうと、Sid De May(The OliolesのIt's soon too knowの制作を担当した)を1955年3月にHeraldに迎え、The KnickerbockersのYou must knowをレコーディングした。この2週間後にThe NutmegsのStory untoldがリリースされた。ニューヘヴン(コネチカット州)出身の若者Leroy Griffinのグループで、彼らはHeraldのオフィス前の道ばたでオーディションを受けたのだった。時あたかもEarth angelがロセンゼルスだけで16万5,000枚を売りさばいており、すべてのレコード会社はボーカルグループを血眼になって探し求めた頃である。4月にParedise hillがロサンゼルスで再発(恐らく「再発」が行われた最初のR&Bオールディーズと思われる)され、このヒットがきっかけとなり最初のオールディーズブームが起った。Virgin BrinnonがAlan FreedのMoondogショウ(WJW)に登場したのを始めとし、Bo DiddleyのクラシックBo Diddley、The SwallowsのMy baby・The ConcordsのCandlelightといったHeraldのR&B作品が4月の同じ週に次々とリリースされた。ヴォーカルグループの人気は1955年にはさらに熱をおびていった。The TurbansのWhen you danceはAl Silver・Leroy Kirklandによって1955年7月に、The NutmegsのShip of loveとThe SunbeamsのTell me why・Come back baby(Herald-451・こちらはほとんど知られることがなかった)が8月にリリースされた。翌1956年もブームは衰えを見せなかった。HeraldはさらにThe CashmeresのLittle dream girlを4月にリリースしたが、The Sixteens(Mercuryに在籍)のA casual lookに惨敗した。The WheelsのMy heart's desireやThe Jayhawksの Stranded in the jungleはすべてこの4月下旬の同週にリリースされている。1956年5月にJack Angelは Heraldを去り、Al SilverはBraverman(プレス工場を運営していた)を迎えた。一方のJack AngelはNeilレコードを設立し、Heraldと契約していたThe MonarchsのPretty little girlをリリースした。1956年夏、グループの長編歴史物語は続いた。The Mint JulepsのBells of loveが6月に、わずか10歳のButchie Saunders and The BuddiesのLindy Louが8月にリリースされた。The Turbans・The Nutmegsの新譜は順調に行き、1957年1月にはButchie Saundersの2枚目のGreat big heart・I wanna holler(Herald-491)がリリースされた。1957年5月にリリースされたThe Mellow KingsのTonite, toniteは、チャートでは下位ランクであったが、リリースから長い期間に渡って売れていった。その伝説は目を見張るものがある。Tonite, toniteはニューヨークオールディーズチャートで常にトップ10にランキングされるが、この曲は全米で大ヒットしたというわけではなかった。1957年にAl Silverの右腕として活躍していたBob Rosenが会社を去り、Doug Moodyが入社した。このコンビでの最初の仕事は11月にリリースしたHeraldとして最初のオールディースアルバムHerald The Beatの制作である。1957年12月、The DebonairesのCongraturationsをリリース、しかし翌1958年には姉妹レーベルのEmber在籍のアーティストが人気を集めはじめた。Harrisonレーベル(Max Harrison設立)からマスターを購入したThe Smart TonesのBob o linkを1958年9月にリリースする。この頃ニューヨークではJackie WillsonのLonely teardropsやエルヴィスのOne nightが大ヒットしておりHeraldがリリースしたThe LoungersのDissy spellはほとんど話題にならなかった。Paradise hillは1958年8月に再び再発され、The Mellow KingsのChip, chipとThe Royal HolidaysのDown in Cubaが1959年1月にリリースされた。同1月にはオールディースに対する需要が非常に強かったためにStory untoldも再びマーケットへ出荷された。アルバムThe Mellow Kingsは1960年9月に制作され、Maurice Williams and The ZodiacsのStay(Herald-552)がHerald最大の全米ヒットとなった。R&Bグループのサウンドは1962年頃までに急速に変化していた。ニューヨークではThe Concordsの Marlene(Herald-576)やThe PremiersのDiary of our love・Gee oh gee(Herald-577)が健闘したがもはや今日のマーケットで競争することは不可能である。Vito and The SalutationsのUnchained melodyとPatty and The EmblemsのMixed-up, shook-up girl…この2枚の静かなヒットシングルをリリースののちの1965年3月にAl Silverは「West 55th Street」のHeraldオフィスを閉じた。同年6月にはプレス工場も閉鎖され、彼のR&B時代が終わった。
by Donn Fileti

Pelican's impression

Doo Wopファンにはすっかりお馴染みのレーベルですね。このHeraldに在籍したスター・グループの多くがこのアルバムには収録されていません。Relicではこのシリーズ以外にも単独アーティスト別にGratest Hitsとして多数のアルバムをリリース(すごい量です。誰かしらべてみませんか?)しており、有名グループに関してはそちらを聞いてくださいね…ということです。本作ではより「レアで、マイナーで、単独アルバムを出す程の記録がないグループ」の作品を収めてあります。ですからHeraldらしいサウンドではあるのですが、ほとんど知らない曲集といった趣きです。とはいえThe Nutmegs・The Five Willows・Mellow Kingsあたりはさすがにいい出来のものがあります。しかしこのレーベルを1枚に収めるというのもかなり無茶な話しで、のちに26枚目にこの続編が登場します。ということでこのアルバムはけっこうマニア好みな作りとなっています。