25 The best of Herald records part 2

Relic-5047

GG25レーベル:Herald
設立地:ニューヨーク州・ニューヨーク
創設者:Al Silver
活動期間:1952年10月~1965年3月
創設:1953年2月
関連レーベル:Ember・Silver Park

01 Whispering blues - The Debonaires
02 Baby come a little bit closer - The Five Willows
03 'Lizabeth The Thrillers - The Thrillers
04 Foolish one - The Rocketeers
05 Gonna love you every day - The Heralds
06 Remember the night - The Loungers
07 Do I upset you - The Cashmers
08 So help me - The Five Willows
09 Gonna feed my baby poison - The Rocketeers
10 Vip a dip - The Mint Juleps
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11 Rock n' roll indian dance - Little Buchie and His Buddies
12 Why should we break up - The Sonnets
13 Cold lonely heart - The Desires
14 Ginny - The Smart Tones
15 Always and ever - Dele and The Del Hearts
16 Betty my own - The Dynamics
17 Bobby you - The Desires
18 I wanna hollar - Little Buchie and His Buddies
19 Forever love - The Dynamics
20 Dance dance - The Vocalairs

「Golden Groups」シリーズのHerald編の第2集(第1集は、Relic LP-5015 "Golden Groups, Pt. 5 : Best of Herald Records")では1953~63年の10年間にレコーディングされたR&R・R&B(より公平な評価に値する20曲の比較的無名の歌を集めた)を収録した。Heraldに在籍したThe Nutmegs・Turbans・Zodiacsといったグループが放ったヒットに比べて、本作に収めたシングル盤のほとんどはヒットに恵まれなかったが、彼らはみな素晴らしいグループ・ハーモニーの独自性とスタイルがある。そういった主旨による編集物(たとえば「Golden Groups : Best of Ember Records, Vol. 2」などがそれに該当する)である本作はベテランのR&Bコレクターさえ見逃すいくつかの作品を含んでいる。Al SilverのHeraldレーベルは、1953年に全国的なR&Bビッグ・ヒットをリリースし好調な滑り出しであった。Faye Adamsの「Shake a hand」はSilverを含む誰をも驚かせた。彼がFaye Scruggs(Joe Morrisバンドのヴォーカリスト)にオーディションを受けさせたとき、レコーディングするボーカル・グループを探していた。「Shake a hand」はHerald 416としてThe Rocketeersの直前にリリースされ、運の悪い事に彼等のヒットの影に隠れる結果となった。1953年6月27日付けキャッシュ・ボックス誌はThe Rocketeersとの契約に言及しているが、そのメンバーについてはほとんどわかっていない。あなたがAl Silverにこのグループについて尋ねたならば「50年代の注目すべき思い出だ」と言うだろう、彼は本当にR&Bが好きだった。The Rocketeersのバラード(「Foolish one/Gonna feed my baby poison」#415)は、Heraldにおける黒人グループによるレコーディング作品として、おそらく最も捜し求められる一枚である。1953年におけるリリースのほとんどがそうであるように、数枚の「Foolish one」は、当時シングル盤として制作された。The Thrillersの「Please talk to me」はHeraldに在籍したグループ(確信をもって彼らの「Lizabeth」以外のものとして)の我々の最初のコレクションとして聴くに値する。Silverによると、Joe Von Battle(JVBレーベルとJoe'sレコード・デトロイト)が、HeraldにThe Thrillersを持ち込んだという。このグループは1953年にBill McCallのBig Townレーベルから「The drunkard」をリリースののちDeluxeに移籍しThe 5 Jetsと改名している。The Thrillersの「Lizabeth」は、Herald 432として1954年6月にリリースされた。1954年6月に3つのグループがHeraldと契約を交わした。The Thrillers・The HeraldsそしてThe Five Willowsである。The Heraldsの「Gonna love you everyday」は「Eternal love」 (435)のB面で、このグループはDecaturレーベルではBilly Dawn Quartet(「This is the real thing now」)という名前で、DukeレーベルではThe Four Dukes(「Crying in the chapel」)という名前で活動している。HeraldのためにレコーディングしたThe Five Willowsのシングル盤「So help me」は「Look me in the eyes」のB面に収録されたHerald 422として、続いて「Baby come a little bit closer」がHerald 433として1954年8月にリリースされた。メンバーはTony Middleton(リード)・Richie Davis(1stテナー)・Ralph Martin(2ndテナー)・Joe Martin(バリトン)John Thomas Steele(ベース)の5人。レノックス通り115番街の男の子達は、Allenレコードで「My dear, dearest darling」をレコーディング、1956年には「Church bells may ring」で全米で知られるようになった。1956年4月にHerald 474としてリリースされた「Do I upset you」を歌ったThe CashmeresはかつてMercuryでレコーディングを行なったCashmeresと同一グループであると思われる。古い契約書によると、このグループはフィラデルフィア出身。メンバーはGrover Mitchell・Henry Boyd・Romeo Shuler・Ralph W. Riley・Mark Alanの5人編成。The Mint Julepsは、1956年3月にHeraldと契約を交わしたグループである。彼らのノベルティ・ジャンプナンバー「Vip-a-dip」は「Bells of love」とのカップリングでリリースされた。この作品が収録されるのは本アルバムが初めてである。メンバーはWilliam Terrell・Charles Thomas・Emra Clemmons・Alvin Clark・George W. Poitierで、スプリングフィールドに活動拠点を置いた。興味をそそられる「Ginny doll」と「Queen of love」といった作品以外にも多数の未リリース作品を残している。1956年はラジオで放送されるために争っている数多くの様々なグループが活動していた。そして最初のシングルが売れなければ他の曲はさっさと廃棄されただろう。The Sonnetsは、1956年5月には有名なFlying saucerレコードのBill BuchananとDickie GoodmanがHeraldに持ち込んだ。「Why should we break up?」はHerald 477として発表、グループの実に簡潔なHerald歴の終焉としてレコーディングされた作品である。Little Butchie Saundersは明らかにFrankie Lymonサウンドのコピーであった。「Lindy lou」を裏面にした「Rock and roll indian dance」は1956年8月にHerald 485として、「Great big heart」の片面に収録した「I wanna holler」は1957年1月にHerald 491としてリリースされた。Butchieは、後年The Elchordsのリード・シンガーとして「Peppermint stick」でかなり大きなニューヨーク・ヒットを放ち、アンダー・グラウンド・オールディーズを導いた。アトランタのBill LoweryはThe Debonaires(5 Debonairesも名乗った)のオリジナル作品「Whispering blues」(Herald 509)をプロデュースした。このグループはアトランタ(ジョージア州)出身のArthur Simon・Emory Cloud・Milton Boykin・アレンジとギター奏者のWesley J. Jacksonがメンバー。Loweryは「Young love」で大成功したシンガーで、Tommy Roe・Joe South・Ray Stevensらをプロデュース、The Debonairesのような親しみのあるドゥー・ワップは彼にとっては本当の例外であった。1957年12月にリリースされた「Darling」のトリッキーなベース・パートと素晴らしいハーモニーは、オールディーズ・ファンに非常に人気があるようになった。1958年中頃、HeraldとEmberは、堅実(だが大きなセールスには至らない)R&Bスタンスをあきらめ、より幅広い10代の市場を狙って多くのR&Rシングルをリリースし始めた。The Smart Tonesの「Ginny/Bob o link」(529)は、「Smartレコード」という小さなレーベルを運営していたメンローパーク(ニュージャージー州)出身のMax Harrisonとリンデン(同州)出身のピアノ教師Frank Wolfが共同プロデュースした。何枚かのレコードは売れたものの、その後をフォローするには明らかに十分な成績とは言えなかった。「Bobby you/Cold lonely heart」(532)は、ニューヘーヴン(コネチカット州)出身のAndre Scottというリード・シンガーの率いるThe Desiresにスポットをあてた。The Loungersは感謝祭(1958年にHerald-534という歴史的なレコディングで幸運をつかんだ)に「Remember the night/Dizzy spell」を発売した。この退屈な歌(この評価を疑うならDeccaからリリースされたThe Flamingosのシングル盤を聞いてみなさい)のヒットで、退屈な編曲で多くのR&Bグループの悪名を高くし滅ぼしたDeccaレコードとの契約を手に入れた。The Loungersはデビュー当初はThe Secretsと名乗り、愚かなことにThe Cleftonesの強力なオリジナル盤が出たあとに、彼らの唯一のシングル「See you next year」が出た。このスタテン・アイランド(ニューヨーク)出身の若いグループは、結局Heraldで運を味方に付けることはなく、彼らの唯一のシングルはプロモートさえされなかった。The Loungers/Secretsは、Dave Concepcion(リード)・Pat Russo(1st テナー)・Vinnie Santorelli(2nd テナー)・Steve Murphy(バリトン)Frank Del Cavo(ベース)の5人。Story untold誌(Jay Repoley設立)によるDave Concepcionのインタビューによると、Deccaはポップ・サウンドらしくするために必要以上のビブラートを入れるように注文、一方のHeraldは彼の自然な歌い方を求めたという事である。そういう内情もあり、The SecretsとLoungersとでは、まるで違うグループのように聞こえる。Dale and The Del-HeartsはWindsong Music(コロンビア/サウス・カロライナ州)の紹介でHeraldと契約した。オーナーのPhil Gernhardは、Maurice Williams and The Zodiacsを扱った人物であった。「Always and ever」(Herald 564)は1961年8月にリリース、自身の「High blood pressure」のリメイクバージョンに続く作品であった。最も人気がある白人グループによるドゥー・ワップの1曲はHerald 569、The Dynamicsの「Betty my own/Forever」で、おそらく1961年に2〜3の東部だけでテスト的に販売された非常に珍しいオリジナル・シングル盤となった。Anthony Maresco(元Tony and The Twilighters・Relic 5021「Best of Red Top Records」参照)のTonyが新たに結成したグループがThe Dynamicsである。彼はこの後も「Play those oldies, Mr. DJ」のヒットを放つAnthony and The Sophomoresを結成している。我々の編集盤に登場する最後の曲は、コニー・アイランド(ブルックリン)出身のThe Vocal-Airsである。Louis Fasanaro・Eric Nathanson・Joe Piazza・Bob Kutner(EmberでThe Boptonesのメンバーとして在籍していた)がメンバーで、弦楽器が素晴らしいロッカ・バラード「Dance, Dance」(Herald 573)で、この作品は1962年9月にラジオ放送で人気を獲得した。Al SilverはThe Concords・Patty and The Emblems・Vito and The Salutationsらを抱え2〜3のヒットもあった。しかしHeraldが1965年3月にそのドアを下ろした時がロックン・ロール時代の終わりでもあった。
by Donn Fileti
Bim Bam Boomマガジン誌でAl Silverとインタビューを行なったFred Bailin、そしてThe 5 Willowsへのインタビューを行なったMarcia Vance・Phil Groiaに感謝します。

Pelican's impression

このレーベルを知らないという人は少ないと思いますが、そのパート2です。本アルバムが入手できた当時(70年代〜80年代)こういった音源は非常に珍しかったというか、このレリックのシリーズしかなかったのでした、特に関西では。現在では簡単にCDで手にはいりますけどね。さて収録ナンバーですが、まぁホントに好きなひとしか聞けなかったであろう作品のオンパレです。さすがに中堅レーベルだけあった豊富なカタログであります。今回のライナーもなかなか面白いのでぜひご一読いただければよろしいかと。