04 The best of Celeste records

Relic-5014

GG04レーベル:Celeste
設立地:ニューヨーク州・ブルックリン
創設者:David Levitt・Sylvia Drucker
活動期間:56年2月~1957年3月
創設:1956年
関連レーベル:Decatur・Falcon

01. Sweet Lorraine - The Mellows
02. My darling - The Mellows
03. Tall lanky papa - The Four Sounds
04. Where are you - The Mellows
05. I'm yours - The Mellows
06. Afraid - The Four Sounds
07. Lucky guy - The Mellows
08. You stole my heart - The Four Sounds
09. Noisy clock - The Four Sounds
10. I'm yours - Lillian Leach and The Mellows

11. Lucky guy - Lillian Leach and The Mellows
12. I call to you - Lillian Leach and The Mellows
13. Sweet Lorraine - Lillian Leach and The Mellows
14. My darling - Lillian Leach and The Mellows
15. You're gone - Lillian Leach and The Mellows
16. Ain't she got nerve - Lillian Leach and The Mellows
17. I'm gonna pick your teeth with an ice pick
Lillian Leach and The Mellows
18. When the lights go on again*
Lillian Leach and The Mellows

56年というのは、Buchanan and CoodmanのFlying saucerが全米でヒットし、Elvis Presleyが一躍スターダムへ、そして何百というローカルなR&Bボーカルグループが大小さまざまなレーベルで(わずかな望みを持って)レコーディングした年であった。また、The Teenagers・The Plattersといったひとにぎりのグループだけがポップス界での成功を享受し「ロックンロール・ボーカルグループ」として後年まで語り継がれていくことになる。56年2月22日、The New YorkersのCha cha babyが、キャッシュボックス誌のニューヨークR&Bチャート第9位にランクイン、同じ週にApolloレコードからThe KeynotesのMy girlをリリースした。まさにこの時、David Levitt・Sylvia Druckerの二人は設立したばかりのCeleste最初のリリースとして、Audio-Video Stutdio(ニューヨーク)で Lillian Leach and The Mellowsのテストセッションを行った。ここではSweet Lorraine・I call to you・My darling・Lucky guyのアカペラバージョンがレコーディングされた。Celesteは、50年代のR&R全盛期にニューヨークを拠点にR&Bをレコーディングした他の多くの弱小レーベルと同じく、非常に短命(1年と少し)であった。ラテン音に使用される楽器の名をとってレーベルをCelesteと命名したDavid Levittは、音楽ビジネスに夢中になった若者の一人で、それまでに何度となく失敗をくり返したが、それでもこの世界を去る気はならなかった。彼は、SongcraftやMonogramといったレーベルで会計士として働き、52年に自身のDecatureレーベルを設立した。Decatureは、R&Bよりもポップス畑においてわずかに成功(The Toppers・Jack Browne・The Cliff Dwellersなどをリリースした1000番台シリーズ)を収めた。コレクターの間では、LevittとJack Russellが製作したThe Billy Dawn QuartetのThis is real thing now(B面はCrying for my baby・セッションでは4テイク収録された)が人気を集めている。David Levitt自身によると、ニューヨークでは100枚に満たないSP盤(78回転)が売れただけだったと語っている。Decaturが倒産した54年に、彼は(62年に結婚することとなる)タレントスカウトをしていたSylvia Duckerと出会った。Sylvia・David(ともに生粋のブルックリン生まれ)夫妻はウィリアムバーグ(Throop-Avenue)に住み、やがて近所にレコードレーベルを設立することを決めた。こうして56年にCelesteはDavid Levittを社長に、Sylvia Druckerはセールスマネージャー、A&R部長として James Brokenshireを迎え設立された。当初は同じウィリアムバーグ(43 Harrison Avenue・ブルックリン)に会社はあったが、のちにJewish stronghold(多くのプエルトリコ人がオフィスを構えた地区)に移した。70年代にもこの建物は残っていた(ウィリアムバーグのオフィスはすでに壊されていた)。またCelesteと同時に、スペイン・カリプソ音楽専門レーベルとしてFalcon Recordsを設立している。56年7月28日にキャッシュボックス誌にCeleste-3002の小さな広告を掲載した。「Lillian Leach and The MellowsのLucky guyとMy darling 登場。両バージョンともアカペラ版マスターが完了、このマスターにはI'm yours・Sweet Lorraineも収録されこれらはCeleste-3004として年末にシングルリリースされます。」David LevittによるとSweet LorraineはCelesteがリリースしたシングルで最も成功したレコードで、ニューヨーク・フィラデルフィア・ボストンでは約2000枚を売り、Lucky guyは1000枚でほとんどがSP盤だった、と語っている。この時代に活躍した他の多くの小さなレーベルオーナーと同じく、David Levittもまたニューヨークにおいても、適当な卸売業者を探すことが困難で、業者(それも大手の業者ほど)とのトラブルに悩まされていた。というのもプレスの期限や納期が約束通りにいったためしがなく、小売店からのクレームを受け付けるのはいつも彼だったからである。そういったことにもかかわらず、ニューヨークの小売店、特にPioneer Radio(Stone Avenue)とStadium Records(Pitkin Avenue・Brownsvill)の2つの店ではCelelsteのレコードがよく売れた。David Levittはブルックリン出身のThe Mellowsのヒットを信じた。この頃のメンバーは、当時19歳のLillian Leach(My darlingのリード・のちにJoe DavisのもとでSmoke from your cigaretteを大ヒットさせた)・Arther Crier(ベース)・Harold Johnson(テナー・Lucky guyのリード担当)・Gary Morrison(バリトン)・Johnny Wilson(ベース)。グループは 56年10月12日にAudio-Video Studioでリハーサルセッション中だったが、スタジオ内でグループとのにマネージメントについてDavid Levittと口論となり、彼はセッションテープを持ち帰ってしまう。本アルバムに収録されたYou're gone・When the lights go on again・I'm gonna pick your teeth with on ice pic・Ain't she got nerve(すべてアカペラバージョン)は、このセッション中にレコーディングされたものである。You're goneに続くThe Mellows のシングルはCandlellight(Woody Hinderling・Rod Zinsser設立)からリリースされグループは彼のレーベルを離れたが、CelesteにはThe Hi-Liters(ポップなサウンドのグループ・本アルバムには見収録)・The Four Sounds・The Minors(彼らのマスターは紛失していた)・The Challengersなどが残った。David Levittは様々なエージェント・マネージャーを通じ、多くのグループを見いだした。James H. Johnsonは The Minorsを、Rurth SpivakはThe Four Soundsをそれぞれ担当した。Yvonne Lee and The Minorsの Jerry(B面はWhere are you・David Levittによると彼らのことをFlalnkie Lymon and The Teenagers タイプのグループとして記憶している)は、57年3月23日付けのキャッシュボックス誌でレビューされ、Hal Jackson(WLIB局・ニューヨーク)のオンエアも手伝ってヒットしたが、Jerryが最も売れたのはフィラデルフィアだったが、わずか200枚程度というものであった。David Levitt・Sylvia Druckerの二人はThe Four Soundsには多くの可能性があると確信し、David Levittの指示により新譜シングル(45回転盤)が急遽プレスされ、Celesteはおよそ100枚のDJコピー盤を発送した。こうしてCelesteの新しいグループThe Four SoundsのAfraid(B面はTall lanku papa・Celeste-3010)がリリースされたがまったくヒットしなかった。すでに収録されていたNoisy clock・You stolel my heartも未発表のままに、二人はレコードビジネスに落胆し、ついには運営の中止を決意した。二人は、ある男がオフィスにやって来て、在庫のシングル・SP盤を買いあさり「南部のどこか」に出荷していたことを覚えている。彼らの所有したレコード盤は、保管していた地下室が洪水で破壊され紛失したが、幸いにもすべてのCelesteのマスターテープは残り、初めてアルバムという形でここにリリースする。50年代のボーカルグループが感じた「俺達はいつも金をもらえなかった」という不満にDavid・ Sylvia Levittは次のように正直に答えている。「私達のレコードは売れなかった。業者は私達とのつながりを軽んじ、DJたちは金を受け取りながらもレコードをかけなかった。私達は成功しなかったものの良い作品をつくり出したんだ」。David Levittはレコードビジネスにおよそ3万ドルをつぎ込んだものの、ビジネスと割り切れなかったのかもしれない。現在(70年代)のDavid Levittは、ブルックリンで会計士として成功を収め、空き時間にオペラを書いている。Deeレコードは、彼のCelesteのリリースを計画していた。パートナーのSylvia Druckerはメキシコ大使館で働いている。David Levittにとって問題児でもあった青・銀のラベルのCelesteは、リリースされなかった作品も含めて、長く忘れられていたが1970年に再び聞けることをうれしく思う。
by Donn Fileti (本LPに収録した全ての曲は56年〜7年にDavidとSylvia Levittがプロデュースした)

Pelican's impression

どうも女性の単独リードのものは個人的にあまり得意じゃないというか、延々続くとちょっとキツイです。このアルバムのほとんどでリリアン・リーチのボーカルがフューチャーされております。彼女のボーカルも悪くはないのですが、バッキングの妙とか、かけあいとか、変化にとぼしいというかその辺りが理由なのですが。こっち方面がお好きな方にはいいのかな。実を言うと私が入手した本シリーズの最初がこれだったもんですから、長い間次の一枚に手が出ませんでした。