帰りの新幹線の中で、俺は今日の、いや、この数時間の自分の不可思議な言動を思い返していた。
何度も言うが、俺は女には不自由していない。
それも、容姿共に素晴らしい女達だ。
今日出会った彼女はと言うと、背は低いし、いわゆる美人ではない。
歳も俺より上だ。
結婚歴もあり、子供もいる。
ある日を境に、愛だとか運命だとかそんな甘ったるい言葉など、いっさい、信じてこなかったこの俺が、一目惚れなどと青臭い事は言いたくはない・・。
俺は、自分を否定しながらも、何か予感のようなものを感じていた。
“今日のこの彼女との出会いが俺の人生を変えてしまうことになる”
なせだか、心がふわっと温かくなったような気がした。
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) | (11) | (12) | (13) | (14) | (15) | (16) | (17) | (18) | (19) | (20) | (21) | (22) | (23) |
(24) | (25) | (26) | (27) | (28) | (29) | (30) | (31) | (32) | (33) | (34) | (35) | (36) | (37) | (38) | (39) | (40) | (41) | (42) | (43) | (44) |