帰りの新幹線の中で、俺は今日の、いや、この数時間の自分の不可思議な言動を思い返していた。

 何度も言うが、俺は女には不自由していない。
 それも、容姿共に素晴らしい女達だ。

 今日出会った彼女はと言うと、背は低いし、いわゆる美人ではない。
 歳も俺より上だ。
 結婚歴もあり、子供もいる。

 ある日を境に、愛だとか運命だとかそんな甘ったるい言葉など、いっさい、信じてこなかったこの俺が、一目惚れなどと青臭い事は言いたくはない・・。

 俺は、自分を否定しながらも、何か予感のようなものを感じていた。


 
“今日のこの彼女との出会いが俺の人生を変えてしまうことになる”

 なせだか、心がふわっと温かくなったような気がした。
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