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初めての恋  


          (愛し、別れ、そしてめぐり会った・・・)

                  


       

 その人に初めて会ったのは、桜の花吹雪が舞う頃のことだった。

 俺はあるパーティにエスコートする女との待ち合わせ時間に遅れそうになって急いでいた。
 その人も待ち合わせか、何かの時間に遅れそうだったのか、急いでいた。
 俺たちは出会い頭にぶつかった。

 その人は散乱したバックの中身を拾いながら、
 「ごめんなさい。急いでいるもので。本当にごめんなさい」
 とあわてて駆け出していった。

 ふと見ると、携帯が残っていた。
 「あの、携帯」と追いかけようとして、何故か俺は追いかけず、携帯をポケットにしまった。

 俺は、森村真珠(もりむらしんじゅ)
 独身。小さいが企画関係の会社をやっている。
 今日は、仕事関係のパーティに出席する為、初めてこの街にやってきた。
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