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Nat Williams
Neatha Jean
Rufus Thomas
Dewey Phillips
Jack Parnel
Bill Allen
John Richbour
Joe Finan
Lance Freed
Bruce Morrow
Arana Freed
本作は50年代から登場したラジオのDJにスポットをあてつつR&Rの普及から衰退までを語るという内容となっています。当時、テレビはまだまだ贅沢品で庶民の娯楽の中心は映画とラジオでした。そんな中からスターDJが登場します。若者にR&Rを広めた人達を、ラジオ局というくくりで紹介しています。進行役はR&R研究家がつとめます。全米で最初の黒人向けのラジオ局WDIAから紹介されます。Nat Williams・Maetha Jeanがパイオニアとして紹介されます。あのRufus ThomasもここのDJとして人気を博しレコード出したらこれまた大当たりしたというStaxのスターです。次いでアメリカで初めてエルヴィスをオンエアしたというWHBQのDewy PhillipsについてJack Parnellがインタビューにこたえます。いわゆるR&Rの登場です。Bill 'Hoss' Allen・John Richbour(WLAC)やJoe Finan(KWY)が登場しWCBSの話しへと進みます。そうですAlan Freedの登場です。彼はもともとクリーブランドの地方局DJでしたが、ある事件をきっかけにニューヨークのWCBSに進出します。WCBSは全国ネットを持った大放送局で、ここから全米の若者にR&Rという言葉と音楽を広めていき、ラジオだけにとどまらず映画も製作しました。このコーナーでも紹介している「Rock, Rock, Rock」「Mister Rock and Roll」「Go, Jhonny go」です。また当時のDJの多くがレコード会社を設立しています。Alan Freedは有名人の仲間入りするものの最後には当局からの追求を受けます。あのペイオラスキャンダルが全米を揺るがしました。本作でもやはり…というか触れています。ちょこっとこのペイオラについて書いておきます。いったい何が事件だったのか。それは「レコード会社の人がDJに自社の曲をかけてもらうためにお金を渡す」とか「作ってもいない曲の著作者としてクレジットします」ことだったんですね。当時においてはごく普通に行われたていたレコード会社のPR活動のひとつだったんですが、「ラジオと言う公共性の高い仕事に携わる者がお金を受け取るなどとはけしからん」となったわけです。実はこの事件の直前に起ったのがテレビ局のクイズ番組でチャンピオンに答えを前もって教えていた、というスキャンダルが暴露されたんです。これは視聴率をあげるために仕組まれたものでした。視聴率があがって喜ぶのは?…そうスポンサーとTV局です。この両者でお金のやり取りがあった末に仕組まれた出来レースを放映し続けたのでした。これが世論を揺るがし、じゃ次は…という感じでAlan Freedが槍玉にあがってしまいます。たしかに賄賂ともいえます。当時のDJにとってはちょっとしたお小使い程度の額だったそうです。もっと辿っていくと、実はこの裏には人種問題が大きく横たわっていたのも事実です(このあたりの黒人にとっての事情が「R&Bの政治学」というサイトに詳しく書かれています。興味がある方はぜひどうぞ)。この事件でAlan Freedは、せっかく移籍した全米ネット局をクビになり最後はアルコールがもとで亡くなってしまいます。ある意味ではそういった人種問題の犠牲者ともいえそうです。Alan Freedについてはかなりの時間をさいて紹介してあってやっぱこの人を抜きには語れないんですね。インタビューには息子のLance Freedと、WCBSからはBruce Morrow、そして奥さんのAlana Freedが登場します。このあともDick ClarkやWolfman Jackが登場します。残念ながら本作では当時のボーカルグループの映像というものははほとんど登場しません。60年代になるとTVが家庭に普及するとともにラジオはその座を奪われていきます。もはやスターDJというものも出にくくなってしまいます。Dick ClarkはそこらへんとこうまくやってAmerican Bandstandなんていう今じゃ資料・記録としてもかなり価値のある番組をはじめました。