
自作LOOPアンテナ
Since: 2003年10月4日
最終更新日: 2014年1月18日
このページでは、都市雑音に強く、かつ感度も高い自作LOOPアンテナ、および、アンテナ周辺機器について御報告したいと思います。ここでご紹介するアンテナおよび周辺機器は、すべて自作したものです。

●2008年8月23日にCQ出版社より、「受信用ループ・アンテナの実験」というタイトルでΔLOOP7の製作本が出版されました。プリント基板も付属しておりますので、より簡単に本LOOPアンテナをお作りいただけます。
●2010年8月20日にCQ出版社より、「短波用アクティブ・ロープ・アンテナの製作」と言うタイトルで、ΔLOOP9とΔLOOP10の製作本が出版されました。プリント基板がもちろん付属しておりますので、より簡単にこれらのLOOPアンテナをお作りいただけます。
なお、本のタイトルが「短波用」となってはおりますが、中波帯、長波帯も十分に聞くことができます。
これらの製作本を購入され、ΔLOOPシリーズを製作される中で、もしご質問等がございましたら、以下のBBSよりご質問を投稿ください。回答は、BBSの方からさせていただく予定ですが、あくまでも本製作に関しては、「自己責任」です。製作に関して発生した問題について一切の責任を負いません。ご質問に関しては、できるだけ迅速に対応したいと思いますが、仕事の都合等で遅れる事があることもご容赦願います。
<更新履歴>
1.<ΔLOOPアンテナ>
LOOPエレメント部分が正三角形をしていることから、「ΔLOOP」と名付けました。2003年10月5日、第1号機完成以来、改良を繰り返し、現在のものは第6世代機(ΔLOOP7)と第8世代機(ΔLOOP9)が融合した第10世代機(ΔLOOPX)にあたります。
まず、LOOPアンテナといっても同調形と非同調形に分けられますが、私が2003年から長期にわたり開発を繰り返してきましたのは同調形というものでした。
同調形の開発当初は、ゲインの無い「パッシブ同調型ΔLOOPアンテナ」でスタートしましたが、最新機(ΔLOOP7)ではアンテナ直下に約20dBのゲインを持つアンプを入れ込んだ「アクティブ同調差動型ΔLOOPアンテナ」となっています。
同調形では、この最新型ΔLOOP7が一番のお勧めですが、以前のバージョンについても製作記事を以下のリンクにのせておりますので、その成長過程がお分かりいただけるかと存じます。このΔLOOPの受信カバーレンジは、120mb〜16mbとなっております。(ちょっと無理をすれば、13mbも聴けます)
また、更に、1本のアンテナで複数台の受信機が使える非同調形アンテナの第2作目にあたる、ΔLOOP9も2010年9月下旬に完成し、ΔLOOP7等と性能を比較しておりますし、実際の稼動もしておりました。この非同調アンテナも結構なパフォーマンスを示しております。
更に、ΔLOOP10を2011年3月上旬に完成させ、ΔLOOP9と入れ替えて運用をしておりましたが、更に2012年9月にΔLOOP7とΔLOOP9を融合させたΔLOOPXを完成させ現在運用中でございます。
2.<短縮ダイポールアンテナ>
1976年11月の「ラジオの製作」に広瀬直樹さんが、製作記事を書かれていた短縮ダイポールアンテナを製作しました。ゲインは低いですが、指向性が得られ同一周波数局からの混信から逃げるのに役立ちます。このアンテナは「ラジオの製作」を見て作ったもので、多少の改良はしてはいますが、この関係上、製作記事としてはUPしておりません。
3.<ActiveBOX>
短いアンテナ(マンションのベランダ等のロングワイヤーや上記短縮ダイポールなど)のゲインUPのために製作した「非同調型」のアンプです。20dB位のゲインがあり、感度UPはしますが夕方などの強い局が多い場合は、受信機が飽和して混変調を起こしますので、あくまで短いアンテナの感度UP用として使用中です。
4.<Active Pre-Selector>
上記「ActiveBOX」の不具合は、非同調としたため何でもかんでもアンプしてしまったために混変調等の副作用を生じたということです。これを解決し、日常的に使用できる感度UPの方法として、この「Active Pre-Seector」を製作しました。よって、「同調型」のアンプとなっています。まず、同調回路で特定の周波数帯だけを選択し、その後でアンプをするため、混変調などには強くなり効果UPをすることができました。ただし、受信周波数を変える度に、同調操作が必要になります。この点は、ΔLOOPアンテナシリーズにも言える事です。
5.<ハイバンド用ΔLOOPアンテナ>
2005年5月にΔLOOP6の同調用バリキャップを、2個と6個に切り替えられるように改造しました。これによって、2.3MHz〜18MHzの周波数レンジをカバーできるΔLOOP6が完成しました。名前を、ΔLOOP6PLUS(ΔLOOP6+)としました。更に、2006年7月9日には、低容量タイプのバリキャップを採用する事で、より受信範囲を周波数の高い方向へ拡大したΔLOOP7が完成いたしました。これの詳細は、下の「ΔLOOP7について」から飛んでください。ΔLOOP6+まで製作されている方でしたら、ΔLOOP7への移行は作業自体は1時間程度の簡単なものです。
ΔLOOP9では、更に同調操作なしにより広い周波数範囲をカバーしております。
<まとめ>
最新の自作アンテナの使用状況としては、以下のようになります。
放送バンド |
使用アンテナ |
夏 |
冬 |
中波帯〜13mb帯 |
ΔLOOPX |
◎ |
◎ |
120mb−13mb |
ΔLOOPX |
◎ |
◎ |
31mb−13mb |
ベランダロングワイヤー+Active Preselector |
× |
○ |
<ループアンテナとロングワイヤーの受信音の差> ΔLOOP2を使用
10月12日の夕方〜夜にかけてインドネシアの放送局をターゲットに今回のLOOPアンテナと今まで使用してきた(ハイバンドは現在も使用中)ロングワイヤーアンテナの受信音を比較してみました。聞いてみてください。相当感度が違いますよ!受信機1台で続けて録音していますので、LOOPとWIREの受信時間差はほとんどありません。
周波数 |
受信時間 |
放送局名 |
受信音 |
4920kHz |
18:20〜18:22 |
RRI-Biak |
LOOP
WIRE |
3976kHz |
21:05〜21:06 |
RRI-Pontianak |
LOOP
WIRE |
<FETの互換性>
本製作記事の中で使用しているFET(電界効果型トランジスタ)”2SK439”については、ディスコン部品につき、現在お店にあるものが底をつくと、入手困難になります。全くの互換性があるものとしては、”2SK359”があります。2SK439とはパッケージが違うだけでピン配列や性能は全く同等です。
この2品種のFETがもし両方入手不可能な場合は、ピン配列の違う互換品 (2SK241, 2SK192A等) がありますのでご安心ください。
この自作ループアンテナの詳細を公表します。以下のところから飛んでいってください。
このループアンテナ、および、本ページにある製作品について許可なく製品化することは禁止いたします。個人で作成されるのは御自由にどうぞ!ただし、本LOOPアンテナの製作については個人の責任で行ってください。製作によって生じた問題について一切の責任を負いません。
