
ΔLOOP8の詳細
作成日: 2010年5月26日
最終更新日: 2010年10月17日
1.回路図
上記のように、まず、低い周波数の受信特性を確保するために、LOOPエレメントが2回巻きになっています。
そして、エレメント両端を220Ωの抵抗でGNDに落とす事により、ブロードな受信帯域特性を確保しています。初段の増幅には「アナログ・デバイセズ社」製の「AD8351」という差動増幅用ICを用いております。ここで約30dBの電圧ゲインがあります。その後は、ΔLOOP7と同じ回路に突っ込んで差動に次ぐ差動アンプをしておりまして、これで約36dBのゲインとなります。
室内側のBOXを下に示していますが、非同調型の特徴ですが、同調つまみ等は無く、1本の同軸ケーブルだけで室外BOXと室内BOXを接続する事が可能です。これが同調型と大きく違う点です。
2.ブロック図の説明
各部に分けてその動作を説明してみます。
<LOOP ANTENNA部>
2回巻きアンテナエレメントとしております。形状は
ΔLOOP7と同じです。
<室外BOX部>
上の基板は、CQ出版社より出版していただいたΔLOOP7の基板をそのまま利用しております。非同調形ですので、バリキャップやリレーの部分の部品を取り外したような感じになっております。で、その基板の下に、AD8351を用いた初段アンプの基板があります。トータル36dBのゲインを稼いでおります。
<室外BOX部と室内BOX部の接続>
同軸ケーブル1本です。50Ωでも75Ωでも使用可能です。私は、1.5C-2Vを使用しています。
<室内BOX部>
なんとシンプルなのか?電源回路と、室外BOXに電源を送るのと、室外BOXからの受信信号をRXに出力する機能を備えています。
<室内BOX部と受信機の接続>
室内BOXには、BNC端子と3.5mmΦモノラル端子を受信機接続用に設けております。BNCは通信型受信機接続用、モノラル端子はDEGEN 1103等のポータブルラジオ用です。同軸ケーブルで接続します。
<ACアダプターについて>
ΔLOOP7の本を購入されて製作された皆様が一番苦労されたのが、このACアダプターの調達でしょう。ACアダプターには非安定タイプというスイッチング式でない、トランス式のものを使います。スイッチング式ですとノイズ発生等の危険性があるからです。
ACアダプターからの電圧を安定化させるために、3端子レギュレータを使用しますが、ここで約2Vの電圧降下が起こりますので、ΔLOOP7では14V以上程度の物をお勧めしていました。(実際は消費電流が少ないので12V品でも動作はしましたが…)
今回の、ΔLOOP8ではこの点にも配慮して3端子レギュレータを5Vのものにしております。つまり、一番手に入りやすい12V〜9VのACアダプターがそのまま使用可能なのです。この点は、ΔLOOP7の反省を入れたつもりです。
3.設置状況
ΔLOOP7との比較もありますので、ご近所のDXer様からお借りしている「点滴台」(別名:ポチ)を使用して、マンションのベランダに2台並べて設置しました。室内BOXの後に「アンテナスイッチャー」を自作して切り替えて比較を実施しました・
また、室内の方においても、ΔLOOP7のコントローラと並んでΔLOOP8の室内BOXを置いていました。チューニング用のVRが無いのがいかにも非同調という感じでしょう!
