ΔLOOP8の評価結果

作成日: 2010年5月26日

最終更新日: 2010年10月17日


 本LOOPアンテナの評価結果をUPします。ご近所様にも助けていただいて、ALA-1530との比較も行いましたのでその結果をUPします。

1.ΔLOOP7との比較結果
 早速ですが、当家にあるΔLOOP7との比較を試みました。ビジュアルに見えるようにPERSEUSを使用しました。
(1)ハイバンドのDRM受信結果
 S/Nが数字で表示されるDRM受信ではその差が比較しやすいと思い昼間のDRM放送で比較しました。ハイバンドは何となく良いと思っていたΔLOOP8ですが、画面にて、その状況をUPします。
 13:30JST〜13:40JSTに ΔLOOP7+Perseus+Dream、そして、ΔLOOP8+Perseus+Dreamのコンビネーションで15720kHz、RNZIのDRM をデコードしました。まず、ΔLOOP7の画面です。
 

次にΔLOOP8の画面です。
 

上下の画面を比べると、ΔLOOP8は明らかにノイズフロアーが10dBほどΔLOOP7より低くなっている事が確認できます。信号はと言うとやや ΔLOOP8の方が良く振幅が伸びています。つまり、ΔLOOP8の方がS/Nが良いことが証明されていると思います。
 Dreamの画面上も、ΔLOOP7ではS /N=8dB〜12dB程度でぶつ切れの音。ΔLOOP8ではS/N=16dB〜21dBでほぼ100%のデコードとなります。こんなに差が出るとは思いませんでした。

 次に14:00開始の、17525kHz Deutsche Welleにて実験しました。
今回は、Perseusの画面を1MHzSPANに変更してより広い範囲を見てみようと思います。
まずは、ΔLOOP7でのPerseusの画面のスクリーンショットです。
 

次にΔLOOP8の画面です。
 

 ちょっと定規を当ててみないとわからないかもしれませんが、ΔLOOP7の方は、センターが盛り上がって周辺のゲインが落ちた「同調型」特有のスペクトルが確認できます。これは、真ん中の周波数に同調させるΔLOOP7の特徴です。
 次に、ΔLOOP8の方ですが、以下の様に定規を当ててもノイズフロアーが真っすぐになっております。「非同調型」ではこうなって当たり前ですよね。
入感局には大きな差が無い事が確認できます。ノイズフロアーは、やはりΔLOOP7の方が約10dB高いのが確認できます。

さて、この状態におけるDRMのデコード結果です。
まずは、ΔLOOP7では…
 

次に、ΔLOOP8では…
 

結果として、約5dB程度ΔLOOP8の方が良い結果になります。AM放送ではそれほどの感じが無いのですが、DRMでは結構数字で結果が出るので楽しくなります。

以上ハイバンドでは、予想通り、ΔLOOP8の方が良い結果が出ました。
しかし、ローバンドは結構ΔLOOP7が良いんだろうと思います。事実、弱いAfrica局等はΔLOOP7の方が聴きやすいです。もちろん、ΔLOOP8でも入感はしているのですが、感度が10dB程度低いのが影響しているのかもしれません。これは今後の課題と認識しており、ΔLOOP9への目標かもしれません。しかし、結構、ΔLOOP8も良い感じでできている事をご確認いただければ幸いでございます。
ローバンドでは若干感度が低く感じる時には、受信機のプリアンプを使用すれば大丈夫かも知れません。

(2)中波帯の受信結果
 最後に、ΔLOOP8を用いて、昼間に中波を受信してみました。センターが1000kHzで2MHzの幅を見てみました。飽和等もなく、きれいにスペクトルが並んでいます。

でも、NHK大阪の2波はS=9+50dB程度触れています。また、中波帯の下方でゲインが低下して行っております。これは設計通りです。
 

ΔLOOP7の5回巻きアンテナでは、どうしても感度が高すぎて、NHK大阪の2波の周りには、回路飽和のため±100kHz程度にある放送は聞く事ができませんでしたが、本アンテナでは、NHK大阪のすぐ横は静粛になっており、そこに放送が在ると聞こえるのがおわかりかと存じます。これは感度を低めに設定した成果でしょう。

2.ALA-1530との比較結果
 京都にお住まいのDXer 永野氏にご協力頂き、比較実験を行いました。
Perseusに付属しているHFSpanの波形で比較してみました。ほぼ同じ時間帯の受信波形です。

 まずは、ΔLOOP8です。(当家にて受信)
 

 次に、ALA1530です。(永野氏宅で受信)
 

 おっとビックリですね!ALA1530は偉大でした。ノイズフロアが約10dB低いのにも関わらず、感度はΔLOOP8以上にあります。この結果を見た瞬間に唖然とすると共に、次のΔLOOPでは、少なくとも追い付く、できたら追い抜く!という新たな闘志がメラメラと湧き上がってきたのでございます。ご協力いただきました、永野さんに感謝申し上げます。
 ということで、このΔLOOP8はICを用いている関係上、上記のノイズフロアはそのICで決まってしまいます。だから、これ以上の改善はΔLOOP8としては不可能と判断し、新しい回路構成を検討する事になったわけです。それが、ΔLOOP9と言う事になるわけです。

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