ΔLOOP7の作り方

作成日: 2006年7月16日

最終更新日: 2006年7月31日

 本LOOPアンテナの作り方を解説します。このΔLOOP7は、ΔLOOP6やΔLOOP6+からの小変更となっているため、多くの部分の製作方法はΔLOOP5、ΔLOOP6、ΔLOOP6+の作り方のコーナーもぜひご覧ください。

1.LOOPアンテナ部
 ΔLOOP3とほぼ同じです。ΔLOOP3の作り方をご覧ください。ただし、エレメントの固定は詳細のページでご説明したようにバインド線を使用してください。

2.コントロールBOX部
 ΔLOOP6+とほぼ同じです。ただし、3端子レギュレーターだけは12V品を使用します。この3端子レギュレーター部の説明をします。
 
 上のコントロールBOXのボリュームの上にある基板が3端子レギュレータ部分です。この部分は以下のように製作します。

  
 左の図が、78L12の端子の出方です。向かって右側が入力となります。これを3Pのラグ板に右の図のように半田付けします。電解コンデンサーにも極性があるので注意してください。マイナス側を中央になるように取り付けます。

 なお、このアンテナを試作されてお使いになっている、埼玉県にお住まいの岩沙様より、このコントロールBOX部分の実体配線図をご提供いただきましたので、以下からダウンロードしてください。PDFファイルです。岩沙様、本当にありがとうございました!
岩沙さん作成の実体配線図

3.チューニングBOX部
 ΔLOOP6、ΔLOOP6+から変更した部分です。以下にユニバーサル基板への部品実装方法について、ステップを踏んでご解説したいと思います。

 なお、チューニングBOXは、ΔLOOPエレメントの近くに配置されるため、エレメントとの干渉を防ぐ意味でも必ずシールド効果のある、アルミケース等を用いてください。防水の必要な場合はそのアルミケースごと、タッパウェア等で包み込むと良いと思います。

製作の順番は以下のとおりです。

(1)トロイダルコアに巻き線を巻きます。
(2)ユニバーサル基板に部品を取り付けます。慣れない方は1個ずつ基板に差し込んで半田付けして、余計なリード線を切断してください。
(3)各部品を「スズめっき線」で接続していきます。接続図をご参照ください。
(4)長い距離を飛ばす必要がある場合はビニール線で部品間の接続を行います。接続図をご参照ください。
(5)ケースに部品を取り付けます。コネクター類はΔLOOP5の作り方をご参考になさってください。
(6)ユニバーサル基板からコネクターへの接続用の線を出します。予め基板側を半田付けしましょう。
(7)基板をケースに取り付け、各コネクターと接続を完了しましょう。
(8)差動アンプの2個のアンプのゲインがそろうように「ヌル調整」をします。

これで出来上がりです。

<トロイダルコアの巻き方>
 トロイダルコアには、”FT50−77”と言うコアを使用しました。また、巻き線には”0.26mm ETFE電線 外径0.56mm”と言う細い単線を使用しました。長さは20cm程度で十分なのですが3色購入するようにしましょう。作り方は、

(1)3本色の違うのETFE電線をツイスト状(3本の線を捻り合わせる)にします。
(2)(1)の作業で1本のようになった電線をコアに7回巻きます。(トライファイラー巻き)
(3)両端の電線の被覆を剥いて、基板に半田付けの準備をしておきます。
以下の図面を参照してください。
 

<部品配置図> (基板上から見た図)
 
 上図が、各部品の配置図になります。ユニバーサル基板としては、縦方向に14個以上の穴があり、横方向に25個以上の穴があるものをご使用ください。緑色の部品がコイル(固定インダクター)、黄色い部品が抵抗、茶色い部品がセラミックコンデンサーと言う感じです。

<各部品の値>
 
 各部品の値を記入しました。トロイダルコアの巻き線は、上下とも同じ色のものを同じ順番で並べてください。1SV101、1SV149、2SK439、電解コンデンサー、半固定VR、リレー等には向きがありますので、上図を良く見て間違わないように注意しましょう。

 リレーの端子は以下のように出ています。1から8番の端子番号がありますので、以下の接続図の配線をよく見て間違いないようにしましょう。
   (下から見た図)

<各部品間の接続図>
 
 部品取り付けが終わったら、スズめっき線を用いて各部品を接続してください。上図の白い線がスズめっき線だと思ってください。スズめっき線が通るランド(ユニバーサル基板の丸い半田付けできる場所)は全部半田付けをしましょう。FETの下などが入り組んでいますが、良く見て間違わないように。
長い配線はビニール線を使用します。上図の黄色い線がそれです。

<外部のコネクターとの接続準備>
 
 青と緑の線は、ΔLOOPアンテナの2本のコネクターと接続します。浮遊容量を減らす意味で出来るだけ短くなるように配線しましょう。黒色の線で基板のGNDとケースのGNDを卵ラグを介して接続しましょう。赤い線と黄色い線がコントロール電圧供給用です。赤をプラス側に、黄色をGNDに接続してください。ピンク色の線がハイバンド/ローバンドを切り替えるリレーの制御電圧です。コントロール電圧と共にステレオジャックに接続しましょうコントロールBOXとの接続に使用する「信号+電源」のケーブルは1.5C−2Vの同軸ケーブルを使用してください。普通の単線を使用したら「発振」します。

4.外部WIRE部
 ΔLOOP6+と同じです。

5.内部WIRE部
 ΔLOOP6+、ΔLOOP6と同じです。

6.ちゃんと動いているかどうかの確認
 さあ、動作確認です。全部の結線をして、POWERをONしましょう。電源のLEDが点灯します。まず、コントロールBOXのバンド切り替えSWをローバンド側に切り替えましょう。受信機を5000KHz程度の無信号に合わせ同調ボリュームのつまみを回してみましょう。製作がきちんと行われていたら、あるところでノイズが「ザー!」と増加するはずです。更に周波数を変更して、色々試してください。ちゃんとできていれば、大体、120mbから22mbはフルにカバーできているはずです。
 次に、バンド切り替えSWをハイバンド側にしましょう。LEDのもう片方が点灯するはずです。周波数は15000kHz程度の無信号に合わせ同調ボリュームのつまみを回してみましょう。製作がきちんと行われていたら、あるところでノイズが「ザー!」と増加するはずです。更に周波数を変更して、色々試してください。ちゃんとできていれば、大体、22mbから16mbはフルにカバーできているはずです。
 上記のように、無信号チャンネルにあわせてノイズが増加するポイントがあるかどうか?で判断してください。なお、カバー周波数範囲が広いので、ボリュームの調整は慣れないと難しいかもしれませんが、使っているうちに慣れます。

7.ゲイン調整の方法
 チューニングBOXに入れている半固定ボリュームはアンプ部のゲイン調整用、および、差動アンプとして2組のFETアンプを構成していますが、この2組のアンプのゲインばらつきを合わせ込む目的もあります。
雑音が非常に多い環境でお使いの場合、ノイズだけでSメーターが5以上も振るという状況であれば、VRを絞る必要があると思われますが、本ΔLOOP7については、差動型のアンプ構成を採用したためもともとローノイズのため、ゲインは最大が基準です。具体的には2個ある半固定VRをどちらも反時計方向に回しきる事(ゲイン最大=抵抗値最小)になります。
 これを、できない場合(発振するとか)はトロイダルコアの巻き線やプリント基板のGNDの配線で変わりますので、その場合は配線を見直してください。あるいは、2SK439よりちょっと低ゲインの、2SK125や2SK192A等のFETを使用されることをお勧めいたします。

8.2組のFETアンプのゲインを合わせ (ヌル調整)
 上記の状態でフルゲインで動作をすることになりますが、2組入っているFETアンプのゲインに差があるときちんとした差動動作ができず、本ΔLOOP7の狙いとするノイズの少ないアンテナにはなりません。よって、ひ2組のFETアンプのゲイン調整をすることをお勧めいたします。
<調整方法>
1.ノイズの多い環境の方の場合
(1)25mbや31mb等にあわせていただき放送のない周波数に合わせて同調をとります。
(2)チューニングBOXに2個ある半固定VRのうち1個を、最大ゲインよりほんの少し絞ります。
(3)もう片方の半固定VRを回してノイズが最小(=Sメーターの振れが最小、または聞いた感じで)になるように合わせます。

2.もっときちんとした調整方法
 京都にお住まいのDXer NGOさんが本ΔLOOP6を作成され、このゲイン合わせのユニーク、かつ非常に正確で簡単な方法について、ご自身のHPにUPされておりますのでご参考にされてください。こちらから飛べます。
 この方法を簡単に述べると、ΔLOOP部を外して、そこをショートしてロングワイヤーアンテナを接続し、31mbあるいは25mbあたりの強い局を受信し、その局のSが最小になる点(ヌル点)に追い込むと言う方法です。半固定VRの調整の要領は、上記ノイズの多い環境の(2)と(3)と同じです。

以上、作り方でした。

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