ΔLOOP3の作り方

作成日: 2004年3月7日

本LOOPアンテナの作り方を解説します。アンテナの詳細と合わせてご覧頂ければ非常にわかりやすいと思います。

1.LOOPアンテナ部
  LOOPアンテナ部は13mmΦの水道用の1mビニルパイプを3本用いて作ります。
  この3本のパイプにビニル電線を順番に通していき、合計1回通します(1 Turn)。私はこの線材としてカー用の被覆の強い電線を使用しましたが、簡単には家庭用にある2芯のビニル線を裂いて使っても十分性能が出ます。このアンテナの実体図を以下に示します。

 

この図のように、ちょうど1Turn巻いたところで、ビニル線を硬結びにして、この両端部電線の先端を10cm残してビニル線を切断します。そして、このビニル線の先端にバナナプラグを取り付けて、チューニングBOX部との接続が楽にできるようにしておきます。

2.コントロールBOX部
 この部分は非常に間違いやすい部分ですから、注意深く作業をしましょう。ただし、以下の実体配線図どおり作ればいいですし部品も少ないので、慣れない方は案外配線よりケースの穴あけに時間がかかるかもしれません。

<実体配線図> コントロールBOX

 

実体配線図のように、アルミケースに主要なパーツを取り付けていきます。順番は、
(1)まず部品の配置を決めてケースに穴を開けます。これは現物合わせが一番です。
  穴あけの時にできるバリはきれいにとっておいてください。
(2)穴が開きましたら、部品を取り付けていきます。奥にあるものから順番に行くとスムーズでしょう。
(3)コイル、コンデンサー、抵抗をラグ板に半田付けします。この際、47μFの電解コンデンサーは極性があるので注意してください。上記の図では、電解コンデンサーは白い帯があり足が短い方がマイナスですので、それが図面で見て下側に向くように取り付けてください。その他のパーツには方向性はありません。また、部品のリード線を不用意に長くしないよう、適当な長さで切ってから半田付けしてください。
(4)3.5Φのモノラルジャックは、プラグ先端部が信号側、側面部がGND側になりますので、購入されたジャックに一度プラグを差し込んでみて、3個の端子のうちどれがどれにあたるかチェックしてから配線して下さい。006P電池の接続プラグは赤い線が+、黒い線が−です。
(5)完成したらもう一度上の図と良く比較して、間違いがないかチェックしてください。


順番が上下しますが、アルミケースの穴あけの参考図を以下に示します。

<アルミケースの穴あけ位置>あくまで参考

 

<必要な工具一覧>
電気工作をされる方でしたら誰でもお持ちのものですが、以下のような工具を使いました。
(1)ハンドドリル+3mmのドリルの刃:ベースの穴をあけます。また3mmΦのねじ穴を開けます。
(2)リーマ:3mmの穴を適当な大きさまで広げます。(3mmから対応のものにしましょう)
(3)ねじを締めるドライバ(普通のものと精密級も)
(4)スイッチやジャック類を止めるラジオペンチ、プライヤー
(5)半田鏝(30Wくらいが良いですが適当に)
(6)半田
(7)ニッパー:線材を切ります。被覆を剥きます。
(8)ラジオペンチ:半田付けの時に線材を持つのに使います。
(9)ニッパーで線材の被覆を剥くのが苦手な人は、ワイヤーストリッパー

3.チューニングBOX部
 この部分も非常に間違いやすい部分ですから、注意深く作業をしましょう。ただし、以下の実体配線図どおり作ればいいですが、コントロールBOXに比べたら部品は多いので、より注意が必要です。慣れない方は案外配線よりケースの穴あけに時間がかかるかもしれません。

チューニングBOX選びで大事なことは、ベランダで直接雨がかからないにしても、室外に設置されますので雨の影響を受けます。よって、密閉できるアルミケースが良いと思います。もちろん、完全に屋根の無い所に設置される方は、より密閉性の良いケースを選んでください。

私が選んだBOXの材料は、「テイシン電機」製の「TD-353」というアルミケースです。このケースは「コ」の字型のアルミケース成形品が組み合わさった構造となっています。ベースの強度を持った部分を、マストにホームセンターに売っているセルフタップビスと金具で取り付けます。回路は、もう一方の単にアルミ板を折り曲げただけのカバーの方に設置します。

以下の写真のように、マスト側には強度のある側を取り付け、上面に見えているビスと下面にあるビスでカバー部分(写真手前側)を止めるようになります。ケース下面から各リード線、ケーブルが入るようにしておきます。こうしないと、雨の影響を受けやすくなります。

  

<実体配線図> チューニングBOX

 

実体配線図のように、アルミケースに主要なパーツを取り付けていきます。順番はコントロールBOXと同じですが、ケースのカバー側は強度が無いので、余り力を入れ過ぎますとケースが曲がりますから注意しましょう。
(1)まず部品の配置を決めてケースに穴を開けます。
(2)部品を取り付けます。
(3)コイル、コンデンサー、抵抗をラグ板に半田付けします。この際、FET、1SV149、47μFの電解コンデンサーは極性があるので注意してください。上記の図では、電解コンデンサーは白い帯があり足が短い方がマイナスですので、それが図面で見て下側に向くように取り付けてください。FETは文字面が上図で上を向くように、1SV149は印のある方(カソード)が上図で上を向くようにします。あとは、部品のリード線を不用意に長くしないよう、適当な長さで切って、半田付けしてください。
(4)3.5Φのモノラルジャックは、プラグ先端部が信号側、側面部がGND側になりますので、購入されたジャックに一度プラグを差し込んでみて、3個の端子のうちどれがどれにあたるかチェックしてから配線して下さい。006P電池の接続プラグは赤い線が+、黒い線が−です。
(5)完成したらもう一度上の図と良く比較して、間違いがないかチェックしてください。

4.外部WIRE部
 この部分は、コントロールBOXとチューニングBOXを接続するためのケーブルにあたります。
(1)同軸ケーブル:1.5C−2Vを使用しました。長さは、ΔLOOP2とは違いかなり延ばしても問題ないです。あまり長い場合は、3C−2V等のより減衰量の少ないケーブルにしましょう。私の場合、5mです。
ケーブルの両端には、3.5Φのオーディオ用モノラルプラグを取り付けましょう。
(2)電源ケーブル:2芯の並行ケーブル(家庭用のテーブルタップのものよりやや細目のもの)を使いました。ホームセンターなどで、インターホン用などとして売られています。両端部には電源用の接続プラグを取り付けますが、接触の良いRCA型の金メッキのプラグを使用しました。

5.内部WIRE部
 この部分は、コントロールBOXと受信機を接続するためのケーブルにあたります。
1.5C−2Vの同軸ケーブルを使用し両端に3.5mmΦのオーディオ用モノラルプラグを半田付けします。使用形態としてコントロールBOX部を回しながら、受信機を操作する形になりますので、この部分の長さは私の場合わずか40cmで十分です。不用意に長くしない方が良いと思います。
 なお、受信機側がM型接栓の場合は受信機側をM型にしてください。BNCならBNC型で。私の場合はICF−SW7600GRあるいはRF−B45につなぐのでモノラルプラグとしているだけです。

6.ちゃんと動いているかどうかの確認
 さあ、動作確認です。全部の結線をして、まず、受信機を3000kHz程度の無信号に合わせましょう。それで、コントロールBOXの電源をONして、ボリュームのつまみを回してみましょう。製作がきちんと行われていたら、あるところでノイズが「ザー!」と増加するはずです。更に周波数を変更して、色々試してください。ちゃんとできていれば、大体、120mbから31mbはフルにカバーできているはずです。カバー範囲の確認は、上記のように、無信号チャンネルにあわせてノイズが増加するポイントがあるかどうか?で判断してください。なお、カバー周波数範囲が広いので、ボリュームの調整は慣れないと難しいかもしれませんが、使っているうちに慣れます。

以上、作り方でした。


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