ΔLOOP5の作り方

作成日: 2004年7月24日

 本LOOPアンテナの作り方を解説します。「アンテナの詳細」や「ΔLOOP3の作り方」と合わせてご覧頂ければ非常にわかりやすいと思います。
なお、ΔLOOP3と大きく変えた点として、コントロールBOPXとチューニングBOXの間の3つの信号のやり取りの仕方を変更しています。
 それは、ΔLOOP3では同軸ケーブルに信号+コントロール電圧、電源電圧は別ケーブルとしていましたが、ΔLOOP5では同軸ケーブルに信号+電源電圧、コントロール電圧を別ケーブルにしました。とはいえ、ケーブル部分を変更する必要はございません。BOXの配線の変更で対応しています。

1.LOOPアンテナ部
 ΔLOOP3と同じです。ΔLOOP3の作り方をご覧ください。

2.コントロールBOX部
 この部分は非常に間違いやすい部分ですから、注意深く作業をしましょう。ただし、以下の実体配線図どおり作ればいいですし部品も少ないので、慣れない方は案外配線よりケースの穴あけに時間がかかるかもしれません。

<実体配線図> コントロールBOX

 


3.チューニングBOX部
 この部分も非常に間違いやすい部分ですから、注意深く作業をしましょう。ただし、以下の実体配線図どおり作ればいいですが、コントロールBOXに比べたら部品は多いので、より注意が必要です。慣れない方は案外配線よりケースの穴あけに時間がかかるかもしれません。

<実体配線図> チューニングBOX

 

 ΔLOOP3と比べるとトロイダルコアの製作に困られる方が多いと思います。この部分の製作方法について説明します。トロイダルコアには、”FT50−77”と言うコアを使用しました。また、巻き線には”0.26mm ETFE電線 外径0.56mm”と言う細い単線を使用しました。長さは20cm程度で十分なのですが2色購入するようにしましょう。作り方は、

(1)2本のETFE電線をツイスト状(2本の線を捻り合わせる)にします。
(2)(1)の作業で1本のようになった電線をコアに7回巻きます。(バイファイラー巻き)
(3)両端の電線の被覆を剥いて、基板に半田付けします。(上記、実体配線図参照)

と言う具合です。ΔLOOP−Hのバランと同じものですので、その図面を用いてご説明します。

 
上図上部の「同軸ケーブル端子へ」と書いたところをFETのドレインへ、「アンテナ入力へ」と書いたところをGNDに、図面下部の「同軸ケーブル端子へ」と書いたところを220μHのところへ、「アンテナ入力へ」と書いたところを0.1μFへ接続すればOKです。


4.外部WIRE部
 この部分は、コントロールBOXとチューニングBOXを接続するためのケーブルにあたります。
(1)同軸ケーブル:1.5C−2Vを使用しました。長さは、ΔLOOP2とは違いかなり延ばしても問題ないです。あまり長い場合は、3C−2V等のより減衰量の少ないケーブルにしましょう。私の場合、5mです。
ケーブルの両端には、3.5Φのオーディオ用モノラルプラグを取り付けましょう。
(2)電源ケーブル:2芯の並行ケーブル(家庭用のテーブルタップのものよりやや細目のもの)を使いました。ホームセンターなどで、インターホン用などとして売られています。両端部には電源用の接続プラグを取り付けますが、接触の良いRCA型の金メッキのプラグを使用しました。

5.内部WIRE部
 この部分は、コントロールBOXと受信機を接続するためのケーブルにあたります。
1.5C−2Vの同軸ケーブルを使用し両端に3.5mmΦのオーディオ用モノラルプラグを半田付けします。使用形態としてコントロールBOX部を回しながら、受信機を操作する形になりますので、この部分の長さは私の場合わずか40cmで十分です。不用意に長くしない方が良いと思います。
 なお、受信機側がM型接栓の場合は受信機側をM型にしてください。BNCならBNC型で。私の場合は3.5ΦのモノラルプラグとBNCの両方の端子を取り付けて、ポータブルラジオにも通信型受信機にもつながるようにしています。

6.ちゃんと動いているかどうかの確認
 さあ、動作確認です。全部の結線をして、まず、受信機を3000kHz程度の無信号に合わせましょう。それで、コントロールBOXの電源をONして、ボリュームのつまみを回してみましょう。製作がきちんと行われていたら、あるところでノイズが「ザー!」と増加するはずです。更に周波数を変更して、色々試してください。ちゃんとできていれば、大体、120mbから31mbはフルにカバーできているはずです。カバー範囲の確認は、上記のように、無信号チャンネルにあわせてノイズが増加するポイントがあるかどうか?で判断してください。なお、カバー周波数範囲が広いので、ボリュームの調整は慣れないと難しいかもしれませんが、使っているうちに慣れます。

7.ゲイン調整の方法
 チューニングBOXに入れている半固定ボリュームはアンプ部のゲイン調整用です。ポータブル受信機では、ハイゲイン(半固定ボリュームの抵抗値=0Ω)でOKでしたが、通信型受信機ではゲインが高すぎて、ノイズレベルがSメーターの振れとして5〜7も振れるので、その場合は3程度になるようにボリュームでゲインを絞ります。(抵抗値が大きくなる方向=ゲインも絞られる)
なお、ΔLOOPは4MHz〜7MHzがスイートスポットでノイズレベルも結構上がりますが、2MHz〜4MHzでは、ノイズレベルが結構下がりますので、例えばこのゲイン設定時には3MHzと6MHzのノイズレベルを比較しながら、ご自分の環境に合ったところに調整されるのがよろしいかと存じます。

以上、作り方でした。

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