ΔLOOP6+について

作成日:2005年5月6日

最終更新日:2006年5月28日

 最近ハイバンド用ΔLOOP6アンテナ「ΔLOOP6-Mini」を作ったりして、ΔLOOP6のハイバンドへの対応を模索してきましたが、どうしてもバンドを切り替えるたびにベランダに出るのはいやだ!と言う結論に達し、自動切換え型のΔLOOP6+を考案しました。"+"はPLUSの意味です。今後は、ハイバンドのみならず、中波にも広げて行きたいと考えます。設計思想は一言で「ΔLOOP6の広帯域化です」。

1.ΔLOOP6+の設計コンセプト
 ΔLOOP6の同調部にはバリキャップを使用しており、これにコントロールBOXから加えるDC電圧により同調周波数を可変しています。同調周波数範囲は、オリジナルタイプでは2.3MHz〜12.8MHz程度となっており、このままでは、13MHz、15MHz、17MHzといった国際放送のメインストリートを聞くことができません。そこで、室内のコントロールBOXの操作で容易にハイバンド化できるよう、コントロールBOXから使用するバリキャップの個数を、2個か6個か選択できるようにしました。将来的には、中間電圧も使って2個/6個/中波という考えも持っています。

2.ΔLOOP6との違い
 コントロールBOXに同調範囲を変えるためのスイッチを新たに追加する事が必要です。チューニングBOXには、3こづつ束ねていたバリキャップのGND側の2本をGNDから外し、切り替えようのリレーを追加する事が必要となります。また、両BOXを接続するケーブルには、切り替え信号を送るための新たな線が必要となり、ステレオケーブルにあるような2芯のシールド線に交換します。また、これに伴い各BOXのジャックの変更も必要です。

3.受信周波数カバレージ
  (1)ノーマル:2.3MHz〜12.8MHz (ノーマルΔLOOP6に同じ)
  (2)ハイバンド:3.9MHz〜17.8MHz 

4.回路図
  
 上記の回路図のように、RL1と言うリレー(オムロン社製:G6K-2P)を追加してD3,D4,D5,D6のバリキャップのGND側をスイッチするようにしました。コントロールBOXにはSW2と言うSWが追加されています。LEDはお化粧でつけました。コントロールBOX最下部にある3本足のICは「ACアダプター化」で説明した、3端子レギュレーターです。J8のPOWERという端子には、12VのACアダプターを接続してください。もちろん、以前の電池006Pでも使用可能です。リレーには同じ品番で動作電圧が異なるものがありますので、12Vのものを購入ください。

5.改造方法
 以下に改造方法を示します。

(1)チューニングBOX内の改造
 RL1に使用しているリレーには、今回は比較的入手容易なオムロン社製の"G6K-2P"と言う小型のものを使用しました。以下にこのリレーのピン配置を示しますが、これと上記回路図中のリレーに打ったピン番号が一致していますので、改造時お間違いのないように。
 また。D9と言うダイオードは、リレーON/OFF時にリレーのコイルに生じる逆起電力をカットするものです。ノイズ防止に挿入しています。このダイオードは一般のシリコンダイオードでOKです。(MA150等でもOK) 現行のパターンの3箇所をカットすることをお忘れにならないように、この部分は基板の絵のピンクの線で示した部分です。

  (Bottom View)


(TOP View:要注意=基板の部品面から見た実体配線図です) 
リレーは、方向指示マークが右に向くように取り付ける。

(2)コントロールBOX内の改造


上記写真のように、スイッチを1個追加して0Vか10Vかを切り替え、チューニングBOXに送ります。

(3)ジャック部、ケーブル部について
 制御線が1本増えることにより、コントロール電圧を送っていたケーブル、プラグ、ジャックの変更が必要です。

上記の写真のように、まず左から今回使用した2芯スパイラルシールドケーブルです。赤白の2芯とシールドの合計3本の構成となります。中央の写真は3.5Φのオーディオ用ステレオプラグです。スパイラスシールドケーブルは、このプラグを両端に取り付け使用しております。一番右の写真ですが、この、3.5Φステレオプラグのジャック部分の拡大です。3本ありますから、どれがどれにつながっているのか?良く目視確認をしてから、配線をしてください。私の使用した2芯スパイラルシールドケーブルの太さはちょうど1.5C−2Vと同じでした。

6.詳細写真
(1)チューニングBOXの拡大です。バリキャップの下にある白い箱状のものがリレーで、そのリレーのすぐ左がMA165と言うダイオードです。


(2)チューニングBOXです。お化粧でLEDを追加しましたが、基本的にはSWの追加とジャックの交換でOK。


7.まとめ

 上が稼動時の写真ですが、右側のスイッチを切り替えるとバンドが変わります。結構良く15MHzや17MHzの国際放送が聞こえます。21MHzまで伸びなかったのがちょっと残念でしょうか?とりあえずこの機材での受信を続けてみます。


トップへ
戻る