ΔLOOP6の作り方

作成日: 2004年8月29日

最終更新日: 2005年3月6日

 本LOOPアンテナの作り方を解説します。このΔLOOP6は、ΔLOOP5のチューニングBOXのみを変更した構造になっているため、ここでは、チューニングBOX部の製作の仕方のみを解説し、その他の部分の製作方法はΔLOOP3やΔLOOP5の作り方のコーナーをご覧ください。

1.LOOPアンテナ部
 ΔLOOP3と同じです。ΔLOOP3の作り方をご覧ください。

2.コントロールBOX部
 ΔLOOP5と同じです。ΔLOOP5の作り方をご覧ください。

3.チューニングBOX部
 ΔLOOP5から変更した部分です。以下にユニバーサル基板への部品実装方法について、ステップを踏んでご解説したいと思います。

 なお、チューニングBOXは、ΔLOOPエレメントの近くに配置されるため、エレメントとの干渉を防ぐ意味でも必ずシールド効果のある、アルミケース等を用いてください。防水の必要な場合はそのアルミケースごと、タッパウェア等で包み込むと良いと思います。

製作の順番は以下のとおりです。

(1)トロイダルコアに巻き線を巻きます。
(2)ユニバーサル基板に部品を取り付けます。慣れない方は1個ずつ基板に差し込んで半田付けして、余計なリード線を切断してください。
(3)各部品を「スズめっき線」で接続していきます。接続図をご参照ください。
(4)長い距離を飛ばす必要がある場合はビニール線で部品間の接続を行います。接続図をご参照ください。
(5)ケースに部品を取り付けます。コネクター類はΔLOOP5の作り方をご参考になさってください。
(6)ユニバーサル基板からコネクターへの接続用の線を出します。予め基板側を半田付けしましょう。
(7)基板をケースに取り付け、各コネクターと接続を完了しましょう。
(8)差動アンプの2個のアンプのゲインがそろうように調整をします。

これで出来上がりです。

<トロイダルコアの巻き方>
 トロイダルコアには、”FT50−77”と言うコアを使用しました。また、巻き線には”0.26mm ETFE電線 外径0.56mm”と言う細い単線を使用しました。長さは20cm程度で十分なのですが3色購入するようにしましょう。作り方は、

(1)3本色の違うのETFE電線をツイスト状(3本の線を捻り合わせる)にします。
(2)(1)の作業で1本のようになった電線をコアに7回巻きます。(トライファイラー巻き)
(3)両端の電線の被覆を剥いて、基板に半田付けの準備をしておきます。
以下の図面を参照してください。
 

<部品配置図>
 
 上図が、各部品の配置図になります。ユニバーサル基板としては、縦方向に14個以上の穴があり、横方向に25個以上の穴があるものをご使用ください。緑色の部品がコイル(固定インダクター)、黄色い部品が抵抗、茶色い部品がセラミックコンデンサーと言う感じです。

<各部品の値>
 
 各部品の値を記入しました。トロイダルコアの巻き線は、上下とも同じ色のものを同じ順番で並べてください。1SV149、2SK439、電解コンデンサー、半固定VRには向きがありますので、上図を良く見て間違わないように注意しましょう。

<各部品間の接続図>
 
 部品取り付けが終わったら、スズめっき線を用いて各部品を接続してください。上図の白い線がスズめっき線だと思ってください。スズめっき線が通るランド(ユニバーサル基板の丸い半田付けできる場所)は全部半田付けをしましょう。FETの下などが入り組んでいますが、良く見て間違わないように。
長い配線はビニール線を使用します。上図の黄色い線がそれです。

<外部のコネクターとの接続準備>
 
 青と緑の線は、ΔLOOPアンテナの2本のコネクターと接続します。出来るだけ短くなるように配線しましょう。橙色の線で基板のGNDとケースのGNDを卵ラグを介して接続しましょう。赤い線と黄色い線がコントロール電圧供給用です。赤をプラス側に、黄色をGNDに接続してください。コントロールBOXとの接続に使用する「信号+電源」のケーブルは1.5C−2Vの同軸ケーブルを使用してください。普通の単線を使用したら「発振」します。

4.外部WIRE部
 ΔLOOP5と同じです。

5.内部WIRE部
 ΔLOOP5と同じです。

6.ちゃんと動いているかどうかの確認
 さあ、動作確認です。全部の結線をして、まず、受信機を3000KHz程度の無信号に合わせましょう。それで、コントロールBOXの電源をONして、ボリュームのつまみを回してみましょう。製作がきちんと行われていたら、あるところでノイズが「ザー!」と増加するはずです。更に周波数を変更して、色々試してください。ちゃんとできていれば、大体、120mbから25mbはフルにカバーできているはずです。カバー範囲の確認は、上記のように、無信号チャンネルにあわせてノイズが増加するポイントがあるかどうか?で判断してください。なお、カバー周波数範囲が広いので、ボリュームの調整は慣れないと難しいかもしれませんが、使っているうちに慣れます。

7.ゲイン調整の方法
 チューニングBOXに入れている半固定ボリュームはアンプ部のゲイン調整用、および、差動アンプとして2組のFETアンプを構成していますが、この2組のアンプのゲインばらつきを合わせ込む目的もあります。
雑音が非常に多い環境でお使いの場合、ノイズだけでSメーターが5以上も振るという状況であれば、VRを絞る必要があると思われますが、本ΔLOOP6については、差動型のアンプ構成を採用したためもともとローノイズのため、ゲインは最大で結構かと存じます。具体的には2個ある半固定VRをどちらも反時計方向に回しきる事になります。

8.2組のFETアンプのゲインを合わせ
 上記の状態でフルゲインで動作をすることになりますが、2組入っているFETアンプのゲインに差があるときちんとした差動動作ができず、本ΔLOOP6の狙いとするノイズの少ないアンテナにはなりません。よって、ひ2組のFETアンプのゲイン調整をすることをお勧めいたします。
<調整方法>
1.ノイズの多い環境の方の場合
(1)25mbや31mb等にあわせていただき放送のない周波数に合わせて同調をとります。
(2)チューニングBOXに2個ある半固定VRのうち1個を、最大ゲインよりほんの少し絞ります。
(3)もう片方の半固定VRを回してノイズが最小(=Sメーターの振れが最小、または聞いた感じで)になるように合わせます。

2.もっときちんとした調整方法
 京都にお住まいのDXer NGOさんが本ΔLOOP6を作成され、このゲイン合わせのユニーク、かつ非常に正確で簡単な方法について、ご自身のHPにUPされておりますのでご参考にされてください。こちらから飛べます。
 この方法を簡単に述べると、ΔLOOP部を外して、そこをショートしてロングワイヤーアンテナを接続し、31mbあるいは25mbあたりの強い局を受信し、その局のSが最小になる点(ヌル点)に追い込むと言う方法です。半固定VRの調整の要領は、上記ノイズの多い環境の(2)と(3)と同じです。

 なお、NGOさんは上記のページからリンクされているご自身のページに有名なLOOPアンテナであるWellBrook社のALA−1530と本ΔLOOP6の性能比較をUPされています。こちらも合わせてご覧いただければ本アンテナの性能が良くお判りいただけると思います。
(NGO様に感謝!!!)

9.製作で多い失敗事例について
 ΔLOOP6をお作り頂いている方々から、今までにも多くのご質問をいただきました。「動かない」と言うご質問で一番多かった(3件)失敗例を以下の写真に示します。バナナジャックの取り付け方法に関することです。ごらんいただければわかると思いますが、端子がアルミケースとショートしてしまっています。私が使っているようなタイプのジャックではまず間違いないのですが、このような種類のジャックをお使いの場合は、プラスチックの材料でアルミケースから絶縁するようにこのジャックを取り付けるようにご注意ください。
 

以上、作り方でした。

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