ActiveBOXについて

作成日:2004年3月20日

最近製作して評価をしてきた「ActiveBOX」についてまとめてみます。

1.ActiveBOXってなに?
  ActiveBOXとは、Activeな箱ということで命名しました。この場合の、"Active"の意味は能動的の意味があり、このBOXはアンテナと受信機の間に挿入することによって受信感度を高める効果があります。つまり、TVで言う「ブースター」のようなものだとお考え頂くとよろしいかと思います。

2.なぜActiveBOXが必要なのか?
  私のように、マンション住まいで十分な長さのアンテナが張れない環境の方も大勢いらっしゃると思います。しかし、DX(遠距離局、小電力局)を狙ってみたいと言う気持ちはBCLをやる限りは誰でも持たれると思います。このActiveBOXは、短いアンテナしか張れない方のために、そのアンテナの感度不足を補うのが目的で製作をいたしました。また、ペディなど屋外での感度不足対策にも使えるように、電池1本で動作するように設計いたしました。

3.受信周波数カバレージ
  長波帯〜30MHzまでの動作は確認しました。

4.回路図
  以下に回路図を示します。
 
  上図のように、定番のMOS-FET(2SK439)を用いたシンプルなアンプになっています。図面左側が入力部にあたりバナナジャックと3.5Φモノラルジャックの2種類の入力端子を備えています。なぜ2種類なのかは、以下の使用例をご覧頂くと納得いただけるかと存じます。図面右側が出力部になっており、3.5Φのモノラルジャックを用いました。この端子から、受信機のアンテナ端子に接続することになります。電池は単4電池1個を使用しました。[T1]のコイルはトロイダルコア(50−77)に細いフロン電線を7回巻いたものを用いています。

5.外観
  以下に外観写真を示します。
  
  左側の写真が、入力部になります。バナナジャックと3.5Φモノラルジャックです。
  右側の写真が、出力部になります。電源SWと3.5Φモノラルジャックです。
  アルミケースを使用しており、大きさは、60mm×45mm×35mmです。

6.私の場合、どういう使い方をしているのか?(使用例)
  私はどんなふうにこのActiveBOXを活用しているかと言いますと、以下の3種類です。
    
組み合わせるアンテナ 組み合わせた場合のメリット
ロングワイヤーアンテナ 単純に短いロングワイヤーの感度を向上させます。
ただし、夕方から早朝にかけての電波の強い環境では受信機が飽和を起こすので、受信機のアッテネータを活用することが必要です。
ΔLOOP3(2でもOK)) ΔLOOP3はそれ単体でも結構な感度を有しておりますが、120mbなどのバンドの端では、もうちょっと感度が欲しいって言う場合があります。このときに挿入します。この場合は、滅多に飽和は起こしませんからアッテネータはあまり使用しません。
ΔLOOP部 ΔLOOP3やΔLOOP2のΔLOOP部とダイレクトに接続してノイズに強い、「非同調」のLOOPアンテナとして使うことができます。ノイズの多い昼間の受信では威力大です。特に25mb以上の高い周波数帯でよい結果が出ています。

(1)ロングワイヤーアンテナに使用した例
  
  上の写真のように、写真左からロングワイヤーアンテナを回路図の[J3]にあたるバナナジャックに差し込んで使用します。写真右側の黒いケーブルは、1.5C-2Vの同軸ケーブルで室内の受信機のアンテナ端子に接続されています。電波の強い時間帯は、受信機のアッテネータでゲインを絞らないとならないくらい感度が上がります。なお、この場合ActiveBOXはベランダのコンクリートの上に乱暴にも転がして置くようになります。私の場合、35mb以上の高い周波数帯では基本的にこれを使用しています。

(2)ΔLOOP3に組み合わせた例
  
  上の写真のように、ΔLOOP3のコントローラと受信機の間に挿入します。ΔLOOP2の場合でも同じ構成になります。ΔLOOP3では、当家の場合19時頃のAustralia(120mb)がほぼ毎日聞けるくらい感度が良いのですが、信号強度はあまり強くない場合がほとんどです。そのような時に、この構成にすると信号が強くなり明瞭度が上がります。60mb等でも弱い局に対しては非常に効果があります。

(3)ΔLOOP部に組み合わせた例
  
  上の写真のように、ΔLOOP部の同調BOXを使用せずLOOPからの電線をActiveBOXのバナナジャックに接続します。BOX下部から出ている線はロングワイヤーの時に使用したのと同じ同軸ケーブルで、受信機のアンテナ端子につないでいます。昼間のノイズの多いときに効果絶大で、25mbより周波数の高いバンドで十分な効果が得られますが、それより低い周波数ではΔLOOP3の方が良いです。

7.まとめ
  このように、ActiveBOXは1個で3倍「おいしい」BOXです。約1週間の評価を行ってきて「受信LOG」のコーナーのアンテナ表示のところに、A-LW(1の構成)、A-DL3(2の構成)と記載されているのは、このBOXを用いた受信である事を示しております。
  マンション住まいなどで長いアンテナを張れなくて困っているBCLファンの皆さん、どうか一度お試しいただきたいと思います。なお、アンプを入れるとノイズが増えるんじゃないか?と言う心配をお持ちの方も多いかと思いますが、本BOXはローノイズのMOS-FETを使用しており、ノイズの増加は軽微です。


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