中波強電界対策

作成日:2007年09月22日
最終更新日:2007年10月13日

 ΔLOOP7をお作りになった方数名から、近くに中波送信所がありコントロールBOXのつまみを回すとあちこちで短波帯にそれのお化けが出ますという、お問い合わせをいただきました。確かにそれはまずいと言うことで、対策案を検討しましたので以下に公開します。

1.どうして「お化け」が出るのか?
 ΔLOOPエレメント部には短波帯の電波だけではなく、もちろんご近所や遠方の中波局の電波も乗ってきます。特に近くにある中波送信所の電波の場合は、その電波によるΔLOOPエレメント両端部の電位差が非常に大きくなってしまいます。1Vにも達する場合もあったりします。
このような場合、その電圧をチューニングBOX内のFETアンプに入れるとこのアンプで飽和をしてしまい、お化けのご登場となるわけです。

2.対策の概要
 この対策として、ΔLOOPエレメント部で受けた中波帯の信号をFETアンプに行く前に落としてしまえば良いわけです。よって、チューニングBOXの入り口において中波帯のみを通過させるローパスフィルター(以下LPF)を挿入する事にします。

3.LPFの挿入場所
 対策用のLPFを以下でご説明いたしますが、まず、そのLPFを挿入する場所を示します。
 
 上の写真のように、ΔLOOPエレメントから入ってきてすぐの部分にLPFを挿入します。LPFのGNDは、ΔLOOPエレメント端子2個の真ん中あたりに穴をあけて、卵ラグをビス止めし、そこに接続するのが効果的です。

4.LPFの特性
 以下に2種類のLPFを設計してみました。5段構成のものと7段構成のものです。3段とかでは落ち方がなだらかになり、120mbのゲインが下がってしまうため、少し高次のフィルターとしております。
(1)カットオフ周波数が1000kHzのLPF
 
   <回路図>
 
 
   <周波数特性>


(2)カットオフ周波数が1500kHzのLPF
 
   <回路図>

 
   <周波数特性>
 (注意:回路図中の27uHは、27μH(27マイクロヘンリー)を示します。ご注意願います。)

5.フィルターの選択
 大阪のように、高出力のNHKが1000kHz以下にいて、それがお化けになっている場合ですと、上記(1)のフィルターで十分です。1000kHz以上の周波数の局がお化けになっている場合は、下の(2)のLPFをお勧めいたします。
 上記周波数特性の見方ですが、中波帯ではAttenuationが0dBとなっています。つまり「通通」ということで、中波帯の電波はアンテナ入力部でショートされて抑圧されます。120mb等では30dB程度、電圧を通しにくくなるためFETアンプ部に電圧が供給されます。これによって中波帯の妨害波を除去する事が可能です。

6.まとめ
 ΔLOOP7MWとかにしていらっしゃる方にこの回路を入れると中波帯での運用ができなくなりますので要注意です。ご近所に送信所があって短波帯でお化けが出て困るという方は、ぜひお試しください。


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