ΔLOOPアンテナ Q&A

作成日:2006年2月6日

最終更新日:2007年10月13日
 <はじめに>
ΔLOOPアンテナをこのHPにUPしてから数多くの質問をメールでいただきました。皆さん苦労されて製作されており、私も一生懸命サポートしてきました。ここでは、今まで多かった質問の例を示しますので、まず、ご質問をお寄せくださる前に一読いただけたらと思います。

<ΔLOOPシリーズQ&A>
−ΔLOOP全般−
0.(Q)一番お薦めのΔLOOPアンテナは?
  (A)もちろん最新の、短波用には「ΔLOOP7」、中波用には「ΔLOOP7MW」です。ノイズが少なく、感度も高いのでDX受信には威力を発揮します。

1.(Q)エレメントは1mの三角形でないといけないのですか?
  (A)いえいえ、円形でもいいし四角形でも良い、三角形でも一辺が2mのでも良いです。ただし、エレメントはコイルの役割をしています。大きくするほど受信周波数範囲が下に下がります。その点は、例えばΔLOOP6ですとバリキャップの個数を減らしてみるとかの工夫が必要だと思います。

2.(Q)LOOP部分は塩ビパイプに電線でないといけませんか?
  (A)いえいえ、エレメント部は室外設置などではより対候性の良いアルミパイプ等で製作されても結構です。ただし、ブームへの固定はきちんと絶縁をしないと1TURNのコイルとして働きませんからこの点はご注意ください。

3.(Q)使用しているFETが入手できないのですが?
  (A)製作例では、2SK439を使用しています。このFET(電界効果型トランジスタ)は、MOS構造をしているFETですが、ジャンクションタイプのFETでもOKです。以下に、例を示します。
       例:2SK19、2SK125、2SK241、2SK359、2SK154、2SK192A、2SK161
ただし、品種によって足の出方(DGSが)が違いますので、購入店でピン配列を聞いてきましょう。

4.(Q)ΔLOOPだと、必ずローバンドが良く聞こえるのでしょうか?
  (A)いやー?これだけは必ずとはいえません。設置ロケーションもありますので作ってからの設置場所などにも工夫が必要です。きちんと設置できたら数十メーターのロングワイヤー以上の性能が出ると思います。

−ΔLOOP6&7−
5.(Q)動かないのですけど?
  (A)この質問が一番多いのです。でも、この質問ほど対処に苦労する質問はありません。動かない時には、テスター等できちんと電圧をチェックしましょう。テスターも使えないのであれば製作されないほうが良いと思います。テスターで、各部の電圧をチェックするとどこがおかしいのか、大体判断できると思います。わかりやすさのためにも以下の写真のように、部品を整然と配置しますと、ミスがわかりやすいです。
以下の写真は、ΔLOOP6MW用の、私としては3台目のΔLOOP6のチューニングBOXの写真です。
 
 
6.(Q)方向性のある部品はあるのですか?
  (A)はい、あります。FET、バリキャップ、電解コンデンサー、3端子レギュレータ、ACアダプター、ボリューム、スイッチ、端子類とほとんどに及びます。逆に極性がないのは、抵抗、セラミックコンデンサ、インダクターくらいしかありません。だから実装時には良く気をつけて方向性を間違わないようにしましょう。

7.(Q)ACアダプターはどんなものを選んだらいいのでしょうか?
  (A)ΔLOOP6のACアダプター化については、内部で10Vの3端子レギュレータを使用している関係で100V入力>12V 100mA出力程度でいいのですが、出力電流は200mAでも300mAでもかまいません。また、出力電圧も16Vくらいまでですと使えます。ACアダプターによっては、中の線が+のものと−のものとがありますので、極性を間違わないようにしましょう。+側を3端子レギュレータの入力に接続します。また、スイッチングタイプのACアダプターは、ノイズが発生しますので使用できません。トランスタイプのものにしましょう。どちらかわからない場合はパーツ屋さんの店員さんに聞いてください。

8.(Q)部品の購入をしたことがないのですが、購入できるでしょうか?
  (A)部品表を持参して店員さんにお願いするのが一番いいでしょう。一緒に回路図もあると、余計に良くわかってもらえると思いますので、我慢せずにわからないことはパーツ店の店員さんに聞きましょう。

9.(Q)最大ゲインにすると発振してしまうのですが?
  (A)ちょっとだけゲイン調整VRを絞って止まるようであれば、それで結構だと思います。その状態でヌル調整をやりましょう。VRを3分の1以上絞らないと止まらないようであれば、トロイダルコアの巻き線の巻き方を変えましょう。7TURN巻かれていると思いますが、これはコアの内側を通った回数で数えます。これを6TURNにすると発振しにくいようです。また、トライファイラーの線を作るときに3本の線を束ねますが、この束ね方を「疎」にしてみましょう、1cmあたり1回転くらいになるようにしてみましょう。以下にきちんと動作中のトロイダルコアの写真を示します。
 
 
10.(Q)チューニングBOXとコントロールBOXのケーブルの作り方がわかりません?
   (A)案外多い失敗例がこれです。まず、同軸側(信号と電源を送ります)については、3.5φのモノラルプラグかRCAプラグをお使いと思います。同軸の外被側の編組線は接続プラグのGND側に、芯線は中心側の方に接続します。この際、編組線側はプラグと接続する部分だけに半田を乗せるのではなくきちんと束ねて、芯線とショートしないように線全体に半田メッキをしましょう。半田付けが終わったら、同軸ケーブルをきちんとプラグにあるカシメ部分で、かしめてしまいましょう。
以下に写真を入れておきます。
 
 
11.(Q)チューニングが取れないのですけど?
   (A)この質問も聞いたほうは、漠然としすぎているので頭の中は「???」状態になってしまいます。でも、今までこの質問で一番多いミスは、チューニングBOXのバナナプラグのジャック部分のショートでした。チューニングBOXはアルミケースですから、ジャックの取り付けはアルミケースから絶縁するように取り付けなくてはなりません。ジャックの構造を良く見ていただくとわかりますが、ちょうど樹脂でアルミケースを挟み込むように取り付けるようにします。
以下に写真を入れておきます。
その他この質問にはすべての失敗が含まれていますので、基本的には5番の質問と同じと考えます。
  

12.(Q)ヌル調整ができないのですけど?
   (A)この原因は、FETを2個使用して差動動作させていますが、この片方が何らかの原因で動いていない場合がほとんどです。2個あるゲイン調整VRを片方ずつ回してみて反応があるほうは多分正しく動いています。反応がないほうの側のFET周辺の回路を良く見直してみましょう。

13.(Q)コントロールBOXとチューニングBOXの間はどれくらいまでの長さまで引き伸ばせますか?
   (A)私は6mで使用していますが、今まで聞いた中で一番長い方は20m位でもOKのようです。ただし、この場合は同軸ケーブルには3C-2Vなどロスの少ないものにしましょう。もう片方のコントロール電圧を送る側の2芯スパイラルケーブルは、そのまま延長で結構です。

14.(Q)0.22μFが探せないのですけど?
   (A)0.1μFのセラミックコンデンサーを2個並列にしてお使いください。

15.(Q)出力ジャックはBNCではなくて、3.5mmφのモノラルプラグにしたいのですが?
   (A)可能です。BNCの芯線を3.5mmφモノラルプラグの芯線に、GND側を同じくモノラルプラグのGND側に接続すれば結構です。

16.(Q)FETのソース回路にあるバイパスの、0.1μFのコンデンサですが、直接接地されずにVRを通して接地されているのは何故ですか?
   (A)これはヌル調整用です。いくら上手にお作りになっても、FETのばらつきや、トロイダルコイルの巻き方のちょっとした事で、2個のFETアンプのゲインが若干ずれてしまいます。このゲインをきっちりと合せ、コモンモードノイズを除去するのが目的です。

17.(Q)ループアンテナによって、エアコンノイズから逃げられるとありますが、エアコンは自宅のものなのでしょうか?
   (A)はい、自宅マンションのノイズです。同じベランダに置かれている室外機ですが、エアコンを運転していても何とか聴くことができます。でも、OFFにするとノイズがガクッと減ります。よってDXを狙う時にはエアコンはΔLOOP6でもOFFが基本です。あくまで、同じ所にあるロングワイヤーはエアコンONでは使い物にならないのですけど、ΔLOOP6だと何とか聴くことができます。

18.(Q)チューニングBOXのアンプの入力インピーダンスはかなり高いということでしょうか?
   (A)はい、非常に高いのでΔLOOP6エレメントはきちんと空間に浮いたように動作します。

19.(Q)ループ部分とアンプとは長く離すことが可能でしょうか?
   (A)これはできません。LOOP部からできる限り短い長さ(当家では10cm)でチューニングBOXへ接続してください。この距離を長くするとLOOPの効果がなくなるのと、同調周波数が変わってしまいます。LOOP部とチューニングBOXは一体物とお考えください。

20.(Q)チューニングBOXの回路のGNDはアルミケース接続しなければならないのですか?
   (A)はい、接続しないとシールド効果が得られません。接続してください。

21.(Q)ΔLOOP6のLOOPエレメントは1TURNとのことですが、どのような線が良いのですか?
   (A)強度的にもできるだけ太いビニールのより線が良いと思います。家庭に良くあるACケーブル程度であれば十分でしょう。エナメル線なんかはちょっとおすすめできません。

22.(Q)電線の被服がうまく剥けないのですが?
   (A)特に同軸ケーブルの芯線のように単線はきれいに剥く必要があります。もし自信がなかったらちょっと出費はかさみますが、パーツ店や工具店にある『ワイヤーストリッパー』をお使い頂くのがよろしいかと存じます。

23.(Q)ΔLOOP7とΔLOOP7MWのエレメントを一緒にできませんか?
   (A)まさに、これを今どうやって簡単に実現しようか?って考えています。どうやれば良いのかわかっているのですが、実現性として非常に大変な工作になるので、ちょっと躊躇っています。良い案ができたらそれがΔLOOP8になるでしょう!(笑)

24.(Q)ALA-1530と比較してどちらがいいのですか?
   (A)私はALA-1530を使用したことが無いのでご回答できません。ただし、色々とBBSとかで受信情報が交換されているのを見るのに、ΔLOOP6も結構なパフォーマンスではなかろうか?と思っています。いつかはきちんと比較して見たい気がしています。
 ただし、一つだけ決定的な違いがございます。それは、ALAは非同調型、ΔLOOP6は同調型ということです。ALAだと、1台のアンテナから分配器で複数の受信機に分配できて異なる周波数の受信が可能なので、ある局を録音しながら、他のバンドの放送を聞くこともできます。
ΔLOOP6では、それは無理で「1本釣り」的な受信になってしまいます。しかし、ある1局を決めた場合の受信性能はΔLOOP6の方が良いことが多いような感じがしています。

25.(Q)ノイズが今まで使っていたアンテナよりおおいのですが?
   (A)ヌル調整がきちんとできていないと思われます。再度ヌル調整を行ってみてください。調整ができないのであれば12番のQを読んでください。

26.(Q)近所にある中波局のお化けが短波帯に出て困っていますが、何か対策は無いでしょうか?
   (A)これについては、こちらのページをご覧ください。詳しく解説をUPしております。

27.(Q)ΔLOOPシリーズの製作記事の中で、コントロールBOXに使用するボリュームの抵抗値が、200kΩだったり500kΩだったりしますが、正しい値はいくつなのでしょうか?
   (A)100kΩ〜1MΩの間のボリュームであればどの値でも問題なく使用可能です。手持ちの部品の関係で、色々な値になってしまっています。

28.(Q)ΔLOOPには指向性はあるのですか?
   (A)はい。もちろんあります。ALA-1530等と同じように面が向いている方向にヌルが出ます。ΔLOOPを回転できる方でしたら、指向性で信号を強くするという使い方はもちろんですが、このヌルを利用して混信局を切ってしまうという使い方もできます。

29.(Q)ΔLOOP-MWにするには、ΔLOOP6でないといけないのですか?
   (A)いえいえ、ΔLOOP7でも可能です。この際ですが、ΔLOOP7のバンド切り替えはローバンド側にしてください。で、エレメントを5回巻きのΔLOOPエレメントに交換すれば、ΔLOOP-MWになります。

29.(Q)今後もΔLOOPシリーズは進化するのですか?
   (A)はい!進化させたいです。(笑) でも、現状はまだΔLOOP6に対してあまり不満が無いので、進化は現状は停止しています。製作されている方々も多いと思いますので、色々とご感想やご不満の類をぜひ今後の進化のために寄せていただきたく、お願いをいたします。


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