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         高齢者のつぶやき 認知症”という言葉に思うこと

 新聞やテレビニュースで認知症の人々が数百万人とか騒がしい限りです。
認知症予防が大切とか毎日のように騒がれています。
しかし、認知症ってそんなに大変なことでしょうか。
私なりの意見を述べてみます。
2015.2月

タイトル   認知症は予防できるか?

1)尊敬

 
  老人ホームなどでよく見かける風景ですが、認知症と言われている高齢者は、
  穏やかな時と周辺症状が出ている時と、色々な場面に出合います。
  その違いは、話している方、職員、家族等などの対応の仕方によると思われます。

   言葉上の優しさは、多くは変わらないと思いますが、その話し方が違うような気がして
  なりません。認知症といわれる方に対する尊敬の念が、話し方の中に感じられるかどうか
  が大きな要素のようです。

   認知症の方は、何も判っていないと思い込んで話している方・・・認知症の方は本能的
  に判っています。
  永い人生を生き抜き、今があるのです。素晴らしいこととして尊敬の念を以て話をし、
  その方に対応して欲しいものです。認知症と言われる方も静かに聴き入ることでしょう。
  双方とも幸せを感じることができる時間ではないでしょうか。
  認知症の方には、尊敬の念が一番です。
  
    
2)生活環境


   家庭生活をしている方で認知症と言われる人は、普段の生活の中で家庭というチームの
  一員として仲間に入っていないような気がしてなりません。
  「認知症だから」「ぼけているから」等などと、家族からそういう言葉が出てきますが、
  元気な時に家庭と言う仲間に入れず、寂しそうな方は認知症と言われる状況になりやすい
  ような気がします。

   常にチームの一員として話合い、意見を求めて下さい。多少返答が遅くとも、
  答え方が少々違っていても、いいではありませんか。誰かと共に生きている、
  必要とされているとの感覚をもっている方は、元気です。
  “この方は認知症だ”と言って先回りして答えや指示を出さないでください。
  ゆっくりと考える時間と少々の間違いを訂正しないで聴いてください。
  決して認知症ではありません。

3) 不安感と孤独感

   高齢者の生活状況をみていますと、、、
  認知症には、“ 不安感と孤独感 ”が最も影響するように思えてなりません。
  特に“ 家族の中での一人ぽっち ” 家族より相手にしてもらえない高齢者は独居高齢者
  より寂しさを多く感じているようです。一人住まいの方はいろいろと工夫をして日々生活
  しております。

   閉じこもりの独居高齢者が、人の集まりの中に出てきてもらうにはどうすればいいかが
  今後の課題の一つです。
  しかし、それ以上に“大勢のなかでの孤独感”は寂しさがつのるようです。

  “家族の中で一人ぽっちにしないで下さい”

4)存在を認めてくれる・・共に生活している・・私は一人ではない

   生活環境と同じようなものですが、夫(妻)や子供は高齢者にとって最も信頼できる家族
  です。その家族の中で自分を感じることができる日常が大切です。自分をしっかりと認識で
  きる環境の中での生活をしている高齢者は、年老いてもしっかりと姿勢もよく、歩き方も
  しっかりとしているように感じることができます。

5)認知症など怖くない

   認知症は怖いですか?
  物事を感じて直ちに行動するよりは、ゆっくりと自分のペースで行動し、自分の考えを
  決めることができる幸せもあります。
  先日の高齢者との会話ですが、講演会に参加したところ「長谷川式」認知症・MCIテスト
  を実施しそれ以後、一人の生活の中で物忘れをすぐに認知症と結びつけて考えるように
  なったそうです。
  日々心配事が多くなりましたとのことです。

   一人住まいの高齢者は、常に認知症のことを心配しています。
  アフターケアなしに安易にテストをしないで欲しいものです。
  認知症の早期発見で何がどうなるのでしょうか。薬も症状の進行を遅らせるだけです。
  治療にはなりません。
  アルツハイマー病などが改善するわけがありません。
  それよりも安心し、大勢の人々と一緒という感覚が大切です。楽しい日々が最も大切な
  薬です。
   安易なテストはやめて欲しいものです。
  その後の生活を見て回りアフターケアができる環境を整えた上でテストして下さい。


                  シニア ライフ アドバイザー 岡島貞雄

                                               

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