市民後見設立まで

マーク  映画「海洋天堂」(映画)と成年後見制度 

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マーク 映画 「海洋天堂」のあらすじ

 自閉症の息子を持つ父親は、自分の余命がわずかだと知らされたとき、
自閉症の息子が自立の生活を送ることが出来るようにするためには、何をすればいいか?
何を残してゆけるか?
海洋天堂はなによりも息子の幸せを願う親の深い愛情を書いた作品です。
 私は、感動と共に成年後見制度に関わる者の一人として、成年後見制度とは、
このような方(自閉症など)に対して、なにができ、なにをすべきか、自立とはなに、
等などと多くのことを考えさせられました。
 私なりの海洋天堂と成年後見制度について述べてみます。
その前に「自立とは」についても自説を書いてみます。
マーク 
1) 自立とはなに
 
    「自立とはどのようなことでしょうか?」私はよく質問をしてみます。
 若者は、自分のことは自分でできること。生活が自分でできること等などと自分の行動
を自分自身でできることが自立していると言います。
それでは、「自立とは身体が元気で、自分の意思を表現出来る人」のみが自立できるという
ことになります。
 私風に言えば「身体が不自由でも,意思を表現できなくとも自立は可能」です。
他人の手を借りながらでも一生懸命に生きている人は立派に自立していると、
言えるのではないでしょうか。

 海洋天堂のターフー君に生活を教えることも大切ですが、多くの方々がターフー君を
理解し、ターフー君の人権を守ることに協力してくれる方々を見つけることが最も大切と
思いました。
 この映画も多くの理解者が出てきます。その人達に見守られてターフー君が(例え施設
であっても)生きることが出来れば立派な自立といえます。

2)成年後見制度でお手伝いできること

 よくある質問です。「親亡き後の子供の生活をどうすれば解決できるのでしょうか」
多くの親御さんからの質問と言うか、答えを求めていないような質問が多いのです。
親御さんたちは、成年後見制度であれ、福祉であれ、多くを求めていないような言葉に
出会います。「安心して下さい」と一言で言えない寂しさを味わいます。

 そこで、NPO法人市民後見ひょうごを結成した時より、下記のように話していました。

 「取りあえず親族の方に後見人等になって頂き、時間の経過とともに被後見人と相性が
 合う者が、次の後見人等になればいいと思います」と。

 これらは当然に法人後見でなければできないことです。
法人後見であれば多くの人材から相性を見つけ出すこともできますが、個人後見であれば
後見人等に事故が発した場合にはまた、新しい後見人が選任されますが、それで後見人
として上手に仕事、被後見人の自立した幸せな日常を、約束することが出来るでしょうか。

 その為には、入会して頂き、取敢えずは親御さんが後見人等となり、
他の会員が被後見人と交流することで相性を見つけ出すことが出来るのではないか。

 しかし、この映画「海洋天堂」を見まして、基本的には多く変わりませんが、
少し考え方が違ってきました。

 可能な限り早い時期に、成年後見人等を利用して頂き、親族の方と二人三脚の体制を
出来るだけ早く構築することが大切との考えになりました。

 私自身が自閉症で苦しんでいる方を理解していないということが痛いほど判りました。

   @ 後見人として市民後見ひょうごが受任

   A 法律行為は後見人等、身上監護は親族の方がする チームを組んで支える

   B 両者で協力しながら被後見人の方の理解を深める。そして教えて頂く。

   C 親族の方との協力体制を続けながら、後見人等が本人を理解し、本人と一緒に
     歩ける体制を創り上げて行く。
    (複数後見を考えることもいいことかもしれません(法人後見と親族の)

   D 任意後見契約を利用し、将来に備える

 その為に出来るだけ早く成年後見制度の利用を進めたいと考えました。

 海洋天堂を観て考えたことですが、この父親は、自分の余命が永くはないと医師に宣言
され、息子であるターフー君に日常生活を教えること、周りの支援者に理解を求めること
に愛情と力を注いでいましたが、もう少し早い時期にターフ―君の生活が可能になるよう
にすべきではないでしょうか。
 多くの同じ悩みをお持ちの皆様、一緒に考え、
                一緒にいい方法を創りだして行きませんか。
           メールelmar-okajima@maia.eonet.ne.jp

 多くのご意見をお待ちしています。
                          シニア ライフ アドバイザー
                                  岡島 貞雄
 

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