花束高齢者介護に思うこと
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“ チームプレイ ”

★ 生活の場に医療と介護の合体

  施設介護であれ、在宅介護であれ、最も大切と言えることは医療と介護の協力体制
 と考えます。
 被介護者が、元気な間はできるだけ自然とのふれ合いを大切にして欲しいものです。
 定期的な医師の診察時などは自然とのふれ合いに大切な時間であり、診察時には
 慌てずにゆっくりと、道草しながら病院へ行ってください。
 自然と介護者・被介護者との間で貴重なふれ合いの時間ともなります。

  施設では、家族・介護者と医療者がチームを組み、可能な限り施設での医師の診療
 をお願いしたいものです。
 施設での経験から、入院後の高齢者は大方の方が痩せて、見るからに健康といえな
 い状態で退院してきます。病気を治して、体を壊す、言い過ぎかも知れませんが、
 何故入院したのかよく判らないような方を見受けます。
 救急車に乗れば即入院となることが多いようですし、全く初めての病院へ搬送される
 ことが多いのではないでしょうか。それがすでにストレスの始まりです。

  施設で医師にかかっている方は介護職員の努力のお蔭と思いますが、病気になる
 前とほとんどかわらなくて病気が治っていると思えます。
 施設で体調を崩した場合にすぐに病院での診療を求めずに、嘱託医や家族とよく相
 談して決めて下さい。私の義母は、10年間一度も入院をしていません。救急車にも
 乗ったたことがありません。通院から往診へと切りかえ、本人のことは家族が職員と
 のコミュニケーションをその都度はかりつつ、最善の対応を考えました。
 それを実行し、大きな病気はすることなく、安らかにこの世卒業しました。

 高齢者に対する病気の対応を、よく考えてみる必要があるように思えます。

★ ベットサイドの大切さ

  在宅であれ、施設であれベットサイドの時間は貴重な時間です。施設における高齢
 者を見ていますと、介護職員がベットサイドで優しく高齢者と会話している風景に出合
 いますが、ほとんどの高齢者は嬉しそうです。認知症が進んでいる方でも自分と相性
 が合うかどうかはしっかりと判っているようです。

  介護職員はプロです。苦しんでいる高齢者を安心させて初めて仕事ができたと言え
 るのではないでしょうか。
 ベットサイドで突っ立って言葉をかけている職員にも出会いますが、そのような職員
 は見るからに上から目線ということが判りますし、高齢者も決して安心していません。
 中にはしぶしぶの方もいます。怖いという方もいます。

  ベットサイドの時間を大切にして優しく話しかけている職員も家族も横から見ていま
 すとうれしくなるものです。
 私たちの一日は、高齢者にとっては1ヶ月も1年にも匹敵します。
 10分・20分の時間を大切にしてください。「後で」「チョット待って」はできるだけやめて
 欲しいものです。

“在宅”で高齢期を過ごすために

  最近、行政も高齢期の方も在宅を希望する方が多くなりました。
 想像文化研究組織の講座で「特別養護老人ホーム」「有料老人ホーム」「在宅」
 「高齢者住宅」の中で、あなたは将来どこで過ごしたいですか?終末期を迎えたいで
 すか? と問いかけてグループに分かれて議論をしたことがあります。

  その結果は、“在宅”を選んだ方が群を抜いて多く集まりました。
 しかし、その選択基準がはっきりとしない、在宅での高齢期には何を準備すればいい
 かの考えもはっきりとしないようです。特別養護老人ホームは待機者が多く入所でき
 ないとか色々と理由はありそうですが、具体的な準備を考えていません。

 “在宅”でのターミナルケアは、法的制度の勉強、支えてくれる人材や親族と医療者と
 の連携の方法など、今元気な間、体の自由がきく間に、自分の考えがはっきりとし、
 自らが考え、決め、絆を構築しておくことが大切でしょう。
 経済的にも準備する必要があるでしょう。今から考え、準備しても決して遅くはありま
 せん。
 誰が言い出したのか知りませんが、「終活」という言葉は嫌いです。

★ 高齢者施設の有効活用

  高齢者施設にもいろいろ施設があります。その種類と利用方法、経済的なこと等
 考えて選ぶ必要があります。
 長年住んできた土地との距離なども考慮すべきですが、やはり、親族というか自分を
 守ってくれる人と近いことが大切ではないでしょうか。

  施設のきれいにこしたことはありませんが、やはり、施設は人が一番です。
 残念ですが、その人の基準がよくわからいのです。理事長とか施設長の理念を
 しっかりと聴いて、見て、考えて欲しいものです。

  高齢期になると自分の意思が他人に伝わらない場合が多々出てきます。
 代弁者がおればそれにこしたことはありません。成年後見制度などの利用も考えて
 みる必要もあります。施設を選ぶ場合にも情報量が多い方にお願いすることも必要に
 なるかも知れません。

“在宅”介護のスリーポイント

 “在宅”介護に必要なことは、病院・中間施設(老人保健施設)・住居の上手な利用方
 法を考えておく必要があります。特別養護老人ホームへ入所してくる方を見ています
 と、もう少しリハビリが上手にできる施設(老健)を利用すれば特別養護老人ホームを
 利用しなくともいいと思える方に出会います。

  在宅の場合は、特に病院 ⇒老健⇒在宅の連携が必要ではないでしょうか。
 病院から支援者がいない家に帰るのは非常に危険です。義父の場合は、病院から
 (老健入所が難しくて)支援者としての私の家で一か月ほど療養して自宅にかえって
 いきました。自立の生活に戻る場合にはその前の支援が必要でしょう。

  病院・老健・家庭に於ける主治医の連携が大切と考えます。
 それらを上手にコントロールできるのはやはり、親族(子供や連れ合い)ではないで
 しょうか。安らかにこの世を卒業するのは多くの方々のチームプレイが大切です。

  長年頑張り、今の幸せな社会を構築してきた高齢者です。
 大切に、大切に、日々楽しく過ごして欲しいものです。
                              シニア ライフ アドバイザー
                                     岡島 貞雄

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