ジェロントロジー・高齢社会の人間学をテーマにしています        老いには夢がある

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             老いには夢がある  「老いには夢がある」

  後期高齢者となりました。何故か寂しさはなく、これからの人生益々
 何かができると言う気がしてなりません。老いることは「辛い」とか
「寂しい」とかよく聴く言葉ですが、高齢期でないとできないことが一杯
 あるような気がします。
 体力の衰え、記憶力の衰えなど実感として記録し考え、高齢と言われる
 人々と共に何をすればより以上の素晴しい日常が送れるか、一緒に考え
 実行しましょう




  
 人間の発達は、頭部尾部の法則と言われています。
    赤ちゃんの発達は、頭から順番に下へと発達します。
    人間の老化は、尾部頭部の法則と言われ、老化は足から順番に上の方へと
    移ると言われています。この法則を考えながら老齢期を過ごしたいものです。


リスト 体力・耐力・瞬発力

  年を重ねますと体力や耐力瞬発力は確かに衰えを感じる日々ですが、それらに
 代わり楽しいことも多くあると思います。

 例えば老化の順では足からと言われますから、できるだけ歩くように心がけて
 います(運転免許返納しました)。以前でしたら、5キロを40分位のスピードで
 歩いていましたが、耐力も減少し、休む時間が長くなりました。

  その休む時間が楽しいのです。休む、ゆっくりすることの楽しさが倍加しました。
 その休む時間で自然を感じ自然の変化を観察する楽しさが多くなりました。
 小さな木の芽、花のつぼみ、昆虫類の飛び交いなどなど。
 あまり人には言えないほど下手な俳句などを口すさみ手帳に書き入れたり、体力
 が落ちた分楽しみが多くなったようで日々の散歩が運動から楽しみのウオーキング
 となりました。


リスト 気力・知力

  気力の衰えはあまり感じません。老いて益々何かをやりたい気持ちが増加している
 ような感じです。
 これはおそらく、残り時間が短くなった人生を意識するようになったからではないで
 しょうか。
 喜びは精一杯喜び、辛いことは多くの人々に支えられてやり過ごし、後期高齢者でな
 ければできない何かを探し続ける気力ではないかと考えています。
  知力は、流動性知能は確かに衰えました。なかなか記憶できない、理解できない面
 が多くなりました。
 その分、結晶性知能は、経験上の知識を生かし、老いてますます元気です。
 自分の過去と経験に誇りを持ち、色々な心の問題などに取り組みたいと考えています。
 生きてきた過去には無駄はありません。
  言語性知能や調整能力は老いても元気に活躍できるのではないでしょうか。
 経験則上からも言葉を駆使した調整が求められることも多々あります。そのために
 も後期高齢者となってこそ、社会とのつながりを大切にしたいものです。
 体が衰えた分口が達者になりました。

リスト 充実した日々

  老いて益々元気に社会とのつながりを持ちたいものです。
 高齢者としての役割を持つために大切なことは自分自身の日々が充実した日常生活で
 あることが大切と考えます。
 お金が無くとも(私のこと)小さな喜びを見つけて、小さな喜びを自分のものとできる
 生活を続けたいと考えています。
 よく「外面はいいが、内面が問題」との言葉を聴くことがありますが、これは夫源病
 の始まりです。
 先ず身辺の人々と仲良くし、楽しい日々を送ることは高齢期の特権ではないでしょう
 か。特に夫婦の協力が大切です。時間がたっぷりとあります。
 会話から始めましょう。
 一生懸命にお金を稼ぐ時間から解放されたのです。社会から有難うと言われる何かを
 できる時間が毎日あるのです。この時間を大切にし、生活が充実し、余った時間を
 社会に還元したいと思います。

リスト 地域とのつながり


  人間は一人では生きてゆけません。
 特に後期高齢者ともなれば多くの人々のつながりが大切です。
 お金を稼ぐ仕事から、社会貢献に入学する時期がやってきます。女性は常に地域社会
 と一緒に日常を過ごしてきたベテランです。男性は、その点が大きく劣ります。
 会社の地位や今まで過ごしてきた社会を「さよなら」し、一人の人間として地域の中
 に溶け込む必要があります。
 その為には、今すぐ、気づいたときに直ちに実行に移しましょう。
 社会貢献のグループでは1年生です。最初は何だか違和感があると思いますが、老齢
 期と言われる年になると仲間に入りやすいような気がします。
 過去を自慢しなければ・・・。利害関係を必要以上に気にしなければ。
 私自身が高齢者と言われる年齢となり、社会に入りにくかった気持ちがよく理解
 できます。同じ高齢者として一緒に楽しむお手伝いができたら素晴しい時間を共有
 できるのではないでしょうか。

リスト チーム力

  体力が衰え、知力が衰えますと、一人で行動をとることに億劫さが先ず出てきます。
 多くの人々とチームを組むことで億劫さや疲れがある程度緩和されるのではないでし
 ょうか。チームを組むことで楽しい会話があり、教えられたり、教えたり多くの考え方
 をミックスすることで、体力も知力も自分にないものが表現できる場合が多くあると
 思います。
 チームには義務が伴います。これが高齢期には刺激となり物事を考える力となります。
  個人的にも高齢期になれば介護や看護の問題を考えることが求められます。
 介護が必要となった場合には在宅・老人施設などなど多くの選択肢があります。
 多くの情報を集めましょう。
 主治医・介護施設・家族・近隣の人々などなど多くの人々の力を借りる必要が出てき
 ます。
 これらチームを組むためには長い時間がかかりますし、大切なことは私達一人ひとり
 自分の役割がもてるようにしておくことが大切です。
 人任せにしない、自分で考える、今そこに困っている人を見れば一緒に考えお手伝い
 するなどなど。
 チームつくりは長い時間がかかります。時間をかける必要が有ります。
 看取りが爽やかにできるチームつくりを夢見て。

リスト 小さな希望

  将来の生活の場を考えてみましょう。
 介護が必要になった場合には、在宅・特別養護老人ホーム・有料老人ホームなどなど
 多くの生活の場があります。どれを選択するかは一人ひとりが考えて自己決定する
 ことが大切です。しかし、それができない状況となる場合もあります。
 その場合にはチーム力を利用できたらいいのですが、なかなか難しいと思います。

  配偶者や子供、信頼できる友人などと話し合いそれを文章に書いておくことを
 お勧めいたします。
 成年後見制度を利用することもいい方法と思いますが、後見人に少しでも自分の希望
 を伝えることが出来るような文章があれば後見人としてもあなたの希望をかなえやす
 いのではないでしょうか。
  私が、もし、認知症になった場合の生活場所の希望はありません。
 どこでもいいのです。次の希望を叶えることができましたら、季節の自然に触れさせ
 てもらえる人と施設であればいいのです。一杯のワインもいいですね。
 それと食べたくない時に無理やり食べさせない職員と施設であればいいのです。
 そこで終末を迎えたいと希望しております。有料老人ホームでは財力が不足し、
 私には望めません。

リスト 社会が見える

  後期高齢者ともなれば利害関係などは二の次となります。欲を調整できれば社会が
 見えてきます。
 老人施設で何時も思うことがあります。何故元気高齢者を利用しないのでしょうか。
 高齢者は想像でなく、実感で高齢者を理解できます。
 どれだけ素晴らしい介護福祉士や社会福祉士でも、若い方は想像の世界と思います。
 勉強しているのですから経験を積むと素晴らしい専門家となることでしょう。

  そのためには高齢者を利用して下さい。損得なしに補助役を務めます。
 損得なく社会を見ることが出来る年齢の人々を、活用することが認知症予防にも
 つながり、元気高齢者が多くなるように思っています。

リスト 最後に送る言葉

  長年老人ホームを訪問しておりますが、嬉しいことは普段は言葉も出ない意思表示
 もできないと思われている方が、「さよなら又あした」と言いますと、にっこりと
 笑ってくれることです。
 こころより気持ちがすっきりと嬉しいものです。純粋な笑顔ではないでしょうか。
 私がそのような状態になった場合にはやはり「笑顔で有難う」を伝えたい。
 それもできない状態となるかも知れませんが・・・・。
「さよなら、有難う」と言って日々お別れしたいし、この世を去る時も
「さよなら、有難う」で幕を閉じたいと思っています。難しいことですが。

リスト 人生の80%を生きてきました。残りの20%をしっかりと生きたいものです。

                                          
シニア ライフ アドバイザー 岡島貞雄
                                               

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