ジェロントロジー・高齢社会の人間学をテーマにしています             老成と老衰

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こころを込めて 老成と老衰

  想像文化研究組織のカレッジICI講座「狂言における老境」の話しの中で
 “ 老成と老衰 “について議論されました。難しい課題であり結論は出ませんでした。
  しかし、狂言等を演じる人は色々な目を持ち、こころの状態を知らなければ演じる
  ことは出来ないと想像しています。

  高齢者の目・子供の目。そういう人々のこころを想像的に知る必要があると思います。
  当然人それぞれ違う人生です。結論があることがおかしいのであり、一人一人が
  自分の考えで決めることだと思います。私自身の独断で“老成と老衰“
  を考えてみます。
マーク 老成と老衰

 “ 老成 とは、どのようなことでしょうか。
 老と言う言葉には、“ 老酒 ・ 家老 ・ 老練 ・ 老功 ・ 古老 ・ 長老 ”などなど
 概ね尊敬の意味が込められています。
 老とは、「素晴らしく完成」されていると言うような意味があるように解釈しています。
 その点からも“ 老成 ”とは、これらに対して“ 円熟 ”していることだと考えています。
  その人らしい生きかた、その人らしい死にかた、そして卒業証書には老衰(大往生)と
 書いて貰えるのが老成の生きかた。
 
  しかし、生きている今、老衰と言われることは意思のない、夢のない日々を過ごして
 いることになります。その意味で、若者でも夢のない希望のない日々を過ごしている
 若者は、” 若衰 ”と言えるかもしれません。今から楽しいことを探して下さい。

  夢と誇りを持ち続けている間は、“老成を目指している”といえると考えています。
 しかし、夢と誇りをなくし、自分をなくした時より、老衰が始まったと言えるのでは
 ないでしょうか。

マーク それでは、“老成と言われる日々を過ごすためには”日常的にどのような生活を送る
 ことが大切なのでしょうか。私なりに述べてみます。

1) 一日一笑(一生)
  一日に一回は笑えることが大切です。笑うことで血管も開き、ナチョラルキラー
 (NK細胞)も活発となり、免疫力が上昇します。一人暮らしの方は寂しくて孤独と
 言われていますが、本当にそうでしょうか。
 一人暮らしの方は自分で日常を工夫する知恵があるように思います。

 外から見ると幸せと思われている方が以外と寂しい環境にある場合が多いのです。
 三世代の生活で高齢期の方を家族として認めていない家族は一人住まいの方より、
 より以上の孤独感に悩んでいる方がいます。
 一日一笑で円熟した日常を周りの人々と共に過ごせるようにしたいものです。
 きっと老成した人として認められることでしょう。

2) 合意と納得 
   私も含めて年をとるとどうしても頑固になり、自分が最も正しいように思って
 しまいます。
 他人の話をよく聴く力を持つことが大切ではないかと思います。
 合意し、納得できるまで話し合いすることが大切です。しかし、これが最も難しいこと
 だと思います。
 他人と話し合っていても、聴く耳を持たず、自分の意見が最優先される場合は、
 双方に納得出来ない場合が多いように感じられます。
 高齢期に達した私自身が充分に気をつけて、合意し、納得できるような余裕を持って
 会話を心がけたいものです。

3) 社会資源の上手な利用
  現在の難しい社会を生きてゆくためには、行政等の社会資源を上手に利用すること
 も大切と考えています。その社会資源の中で、自分自身が何かの役割を持つことができ
 ましたら最高に幸せではないでしょうか。
 色々な支援策があります。その中で自分の役割を持つことが出来るようになるためには
 多くの学びに時間をかけて、学ぶ必要があります。
 また、この学びをすることで精神的にも肉体的にも多くの効用がありますし、多くの
 友人もでき、多くのつながりが出来ることでしょう。
  人間は、一人では生きてゆけません。
 多くのつながりを構築し、社会資源を利用し、自分の能力を社会資源として生かすことが
 老成する為には大切な準備と考えています。

4) 希望と夢
  人生は、色々な段階があると思います。その中で80歳を生き、それ以上を人生の
 最終章と考えていますが、夢と誇りは、最終章になってからが大切です。
 何歳になっても夢を持ちたい、生きてきた道のりに誇りを持ちたいものです。
  人々に惜しまれた人生を、何かを引き継ぐ人生を、何かを残して最終章を終了と
 したいと考えています。
 人生で最も大切なことは最終章を綺麗に終わることだと考えます。
 その為には、夢を持ち、誇りが持てる日々を安らかに過ごしたいものです。
 人生の最終章を生きている方々からは多くの人生学を教えて貰いたいと考えています。
 最終章になると時間が大切です。若者の1ヵ月は高齢者の1年にも匹敵ましす。

5) 死んだら何処へ行くの
  母親の通夜の折の会話は以前書きましたので省きますが、人間は、死で終わりでなく
 生きて生き抜き大往生した方は多くの人々のこころに生き続けると考えています。

 多くの人々のこころ中で生き続けることが出来るのは、老成した日々を送った人に
 与えられる最高のプレゼントだと思っています。

 私のこころには、多くの方々が生き続けています。
                       シニア ライフ アドバイザー 岡島貞雄
  


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