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  マーク   高齢者介護と胃ろうについて   マーク              

マーク胃ろうについて
  最近続けて胃ろうについての相談を受けました。
一人は、胃ろう手術を施した後での相談。
もう一人は、これから病院で胃ろうを進められてる方からの相談です。私には回答する
資格も医術的な知識もありません。しかし、老人ホームで多くの胃ろうを施した方々を
見てきました。
胃ろう後に食事を口から取ることができた高齢者も数少ないですが・・・います。
 皆様もご意見がありましたら、メールをお待ちしています。
マーク
 1)胃ろう手術前に迷っておられるご家族(某老人ホームにて)

 お母様が、病院で胃ろうを進められているが、娘としてどうすればよいかと相談を
持ちかけられました。
 私の従来の考え方を述べるのであれば本当に容易いことですが、私は手術をされる
方の親族でもないし、私には医療に関する意見を述べる立場ではないと考えています。
もし、私の意見で胃ろうをした場合、又はしなかった場合に対して、ご家族の気持ちを
解決できるものではありません。
私の意見が、手術であれ、手術をしない選択であれ、必ずご家族としては後悔すること
でしょう。

 ご家族の決断によることしか解決の方法はないのです。

ご家族自身が、今までの関係、これからのお二人のことを考えて行った処置は間違いで
はないのです。結果によっては関係ない他人があれこれと口出しする場合が多くあると
思います。それらは、無視していいのです。あくまでご家族の判断が正しいのです。
 私は、胃ろうについて相談を受けて回答する知識も経験もありません。
手術をされた場合は、他人から何を言われても自分の意思をしっかりと持って手術した
ことを後悔しないだけの信念を持ち続けて下さい。
そして胸を張って「生きる」のお手伝いをしてあげて下さい。

 私の死生学「いつか訪れる死亡くなる人は、残される人に悲しませない死に方を。
       残される人は亡くなる人に、悔いのない“生きる”お手伝いを

 2)胃ろう手術を実施した方からの相談

 歩く相談室を自任しています。ある日次のような相談を持ちかけられました。
娘「私の父親のために胃ろうを施しました」
 「言葉も話さないし、寝たきりになってしまいました。殆ど意思表示もなく、
  娘として父親に悪いことをしたのでしょうか」
私「決して悪いことではありません。最も大切な人のために最も愛情がある方が、
  その人のことを考えて行った行動は間違いといえません」
 「胃ろうをすれば何も出来ないので面会にも来ない家族がいます。今まで通りに
  お父様に生きることのお手伝いをして下さい」「判らないのではありません」
 私の叔母が、脳梗塞で倒れ、そのまま、亡くなりました。全くと言っていいほど
 意思表示が出来ませんでした。
 しかし、声をかけますと心電図の波形が変わるのです。
 まったく判らないようですが、本人は判っていると思いました。声をかけ続けました。
 ホスピスでもよく言われています。耳は最後まで生きていると・・・・。

 ある特別養護老人ホームでのことです。お母様は胃ろうを施し、もの言わず、
意思表示ができません。しかし、息子さんは、仕事の合間に何時も面会に来られて
ベットサイドで2時間ほど、本を読みながら、時々声をかけながら過ごしていました。
このような方にとっては決して胃ろうは失敗ではないのです。お二人は深い絆で結ば
れていたのでしょう。
 胃ろうしたことが失敗でなく、胃ろう後のもの言わない二人(家族)であっても
心を込めて生きるお手伝いをすることが、胃ろうの成否を決めるものと考えています。

 社会の風潮や勝手な言葉に惑わされないことが大切です。
愛する人のことのみ思い続けてあげることができたら、胃ろうも決して失敗では
有りません。

この世に生を受け、間違いなく訪れる死。きれいな死は、その人の生きざまによる

 シニア ライフ アドバイザーのつぶやき。

 自分の大切な人にたいして
 「胃ろうしても、しなくても後悔することでしょう。愛情があればある程後悔します。
  しかし、その後悔は、その人の今後の大きな宝物となることでしょう

 「愛情もなく、思い遣るこころもなく、何もしない人は後悔も何もしないでしょう。
  しかし、その人達は、大きな宝物を失ったことになることでしょう

   今、目の前に困っている人がいればお手伝いをしましょう。それが、親族であれ、
   親族でなくとも同じことです。
 
  “ 相手のことを思いやり、コミュニケーションをとりましょう。やさしく丁寧に
  相手のことを一生懸命に考えて実行したことに失敗はありません。愛ある人が
  相手を考えて、決断したことは、愛する人のいのちを考えているからです ”

                         シニア ライフ アドバイザー
                               岡島 貞雄
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