新築のマンション購入時か初回の管理組合総会時に、関連書類によく理解しないまま署名捺印された記憶がある
と思いますが、今もう一度復習の意味でおさらいしますと、マンション販売会社系列の1社独占のマンション管理会
社の承認や、管理委託契約書及び管理委託費の承認(決議)をされたのです。
その行為が起源となり、後の管理会社に任せ放しの体質のため、管理費の割高や不適正な管理業務が継続され、
また割高で施工不良の日常の修繕や大規模修繕が平然と繰り替えされるのが、今のマンション管理の平均的実
態です。
それによる、マンション管理組合の脆弱な財務体質のため、将来に確実に訪れるマンションの建て替え問題におい
ては、厳しい現実が待っていると危惧されます。
管理会社の変更(見直し)を視野に入れたマンションの管理費削減(管理委託費削減)と管理業務の向上を図らね
ばなりません。
ムダをなくし適正な管理費削減(管理委託費)の支出を通じ、健全なマンション管理組合の財務体質を創造し、大
規模修繕や建て替えを乗り越えられるマンション管理を目指してください。
ただし、浪速マンション管理士事務所の経験では、管理会社の変更(見直し)作業は隠密裏に進めなくては、思わ
ぬ邪魔が入った事例が幾つか有ります。
他の居住者の方からのクレームが出ることはしばしば有りますが、浪速マンション管理士事務所では次のように
指導させていただいております。
1)なぜ今、管理費(管理委託費)を削減しなければならないか。
2)現管理会社も含んでの競争であリ、初めから今の管理会社の変更(見直し)を念頭には置いていない。
3)競争性の導入により管理会社が変更されても、居住者の方の意見が今の管理人さんを変える必要性がな
いなら残留も可能。
4)管理費が削減されても、委託業務の質は低下しない理由を説明。
5)マンションの居住者は、無競争による不利益を被る必要性はない。
2、管理会社変更見直しによる管理費削減(管理委託費削減)の具体的な削減内容
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・削減割合 20~30%削減はマンションでは普通の事例です。
インターネットのキーワード:管理費削減(管理委託費)で調べると明確にお分かり頂けます。
他の緊急時の修繕費、エレベーター点検業務費、警備業務費等においても同程度の削減が可能ですので概数
計算として管理費全体も同程度の削減が可能とします。
参考 : 修繕積立金削減 : マンションでの普段の修繕や大規模修繕工事費の削減 30%以上は公共
工事でも普通の事例です(詳細は別項参照ください)
・事 例
①マンションの管理費削減額 (平均の25%として)
*戸当たりの管理費は国土交通省のマンション総合調査よれば平均12,565円となっており、他の維持
修繕等の無駄な出費を含めるとしてこの金額を引用する。
マンションの1戸当たり 12、565円×12ヶ月×35年×25%=1,319,325円
マンション1棟で100戸としたら 131,932、500円 となります
2-2大規模修繕工事費など修繕積立金削減割合(管理費削減(管理委託費)の余剰資金の流用)
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②修繕積立金削減 (平均30%として)
マンションでの普段の修繕工事や大規模修繕工事費
*社団法人高層住宅管理業協会の「長期修繕計画案作成の手引き」より抜粋
平均的マンション一生涯として試算
建築関係 385,509,534円
設備関係 392,603,141円
合 計 778,112,675円
修繕積立金削減額 778,112,675円×30%=233,433,802円
③管理費削減額+修繕積立金削減額
131,932,500円+233,438,802円=365,366,302円
・無駄な出費の合計額(マンション一生涯)
3億6千500万円 (1戸当たり365万円)
マンションにおける管理費とは管理委託費とその他の経費に区分されますが、具体的な内容は次の通りです。
・マンションにおける管理費 : マンション標準管理規約(国土交通省制定)第27条「管理費」より抜粋
1、管理員人件費 (マンション管理会社への管理委託費に直接的に含まれる)
2、公租公課 (マンションの共用部の税金です)
3、共用設備の保守維持費及び運転費 (中間マージンやバックマージンがマンションの修繕業者からマンション管理会社の収
入となるケースがある)
4、備品費、通信費その他の事務費 (マンション管理会社がただで使用している部分も含まれています)
5、共用部分等に係る火災保険料その他の損害保険料
6、経常的な補修費 (マンションの元施工業者の補修では施工不良の改善が期待薄で、また他のマンション修繕業者からの中間
マージンやバックマージンがマンション管理会社の収入となるケースがある)
7、清掃費、消毒費及びごみ処理費 (マンション管理会社への管理委託費に直接的に含まれる)
8、委託業務費 (その他の業務委託もマンション管理会社の委託業務に含まれることが多く、管理委託費削減のねらいです)
9、専門的知識を有する者の活用に要する費用 (マンション管理組合の立場に立てるマンション管理士等の活用)
10、地域コミ二ティにも配慮した居住者間のコミ二ティ形成に要する費用
(マンション居住者間の日常的なトラブルの未然防止や大規模修繕等の円滑実施のためのマンション内の催事等の開催費用など)
11、管理組合の運営に要する費用
12、その他敷地及び共用部分等の通常の管理に要する費用
4、マンションの管理費削減のための管理会社の変更(見直し)作業について
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管理会社への業務監査やマンション管理会社の変更見直しを行なう前にご確認願いたいことを記載いたします。
1、管理会社は、マンションの販売会社である事業主系の業者が多いことを認識すべきです
2、マンションの契約時に設定される管理費は相手の言い値であり、競争性がない
3、管理会社の変更見直し(リプレイス)をしてどんな効果があるか(民法では自由に変更できる)
・マンションの管理費削減率は20~30パーセントも普通のことです。
・この余剰金で、大規模修繕工事の過半以上はまかなう事が可能です。(言い換えれば、慢性的に不足しが
ちな修繕積立金を補うことができます)
・また、将来のマンション建て替え時の費用負担に供する事もできます。
・それだけ、無駄な金を支払っていることになりますので、早急に見直しをすべきです。
・競争して、初めて適正な管理費と良質の業務内容になるのです。
競争のないのは今の時代、このマンション業界だけと言っても過言でない。
・しかし、管理費削減をした場合は業務内容の質の低下、手抜きされる恐れもあるので浪速マンション管理士
事務所では業者の業務監査を1年間継続します。
・浪速マンション管理士事務所の会員には官庁で、入札、監査や検査のベテランの技術系マンション管理士が
いますので、業務品質の悪い管理会社の変更(見直し)作業はお任せください。
4-2マンション管理組合会計の通帳と印鑑の扱いについて
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1、マンション管理会社への会計・経理の通帳と印鑑の預け方
・マンション管理組合の理事会の役員さんは、一度通帳と印鑑の管理をどうしているか確認してください。
両方とも業者が保管していると倒産時に債権者に差し押さえられ、回収不能の事例や訴訟でマンション管理
組合の敗訴の事例も有ります。
1、マンション引継ぎ時の関係図書が、いつの間にか紛失してしまって、緊急修繕や大規模修繕に支障がでない
ように、事前に確保しておきましょう。
・管理会社の変更見直しのうわさが管理会社が察知する前に工事関係図書の不足分を調査さすか、ゼネコ
ンに有料でも良いから増刷を依頼する。
・今後のマンションの大規模修繕等に必ず必要になる図書なので、組合の理事会役員の引継ぎ時ぐらいには
その存在の有無は一覧表でチェックしよう。
マンションの管理費削減時における最安値一覧(3)
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戸 数 |
~70戸 |
~100戸 |
月額事務管理費/戸 |
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(毎月理事会開催あり) |
¥640 |
¥600 |
(理事会開催は年1回) |
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月額管理員業務費/時間 |
¥1,488 |
¥1,411 |
月額日常清掃/時間 |
管理員対応 |
¥1,184 |
定期清掃/回 |
¥50,000 |
¥70,000 |
建物・設備点検費/回 |
¥9,500 |
¥10,000 |
月額遠隔監視費/戸 |
¥255 |
¥225 |
月額自動ドアー保守費/戸 |
¥182 |
¥110 |
宅配ボックス保守費/戸 |
¥222 |
¥202 |
エレベーター保守費 |
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(月額FM/基) |
¥46,300 |
¥48,750 |
(月額POG/基) |
¥12,500 |
¥12,500 |
機械式駐車機/台(POG ) |
¥702 |
¥615 |
年額雑排水管清掃費/戸 |
¥2,341 |
¥2,312 |
年額消防設備点検費/戸 |
¥2,857 |
¥2,590 |
年額受水槽清掃費/戸 |
¥1,100 |
¥1,000 |
月額給排水ポンプ点検/戸 |
¥311 |
¥203 |
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