15日講義・実技 |
今回の特別講演は ①関節部分に対しての小林式骨膜リリース ②自律神経由来の症状についての新しいアプローチの仕方 ③不良姿勢の改善法(圧迫骨折後の不良姿勢など) 以上3点、臨床に直結する貴重なテクニックの講演でした。 1.関節拘縮はいつ成立するのか ①freezing phase(freeze:凍る):疼痛性痙縮期または凍結進行期 この時期で対応するのがベスト ②frozen phase(frozen:凍った):拘縮期または凍結完成期 ③thawing phase(thaw:溶ける):解凍期または寛解期 組織的に変化が起きてきている ![]() 2.自立神経由来の症状について理解を深めよう!〜星状神経節に着目して〜 ①自律神経とは ②自律神経の解剖 ③星状神経節について ④体制知覚と皮膚分布 ⑤交感神経と筋痛のメカニズム ⑥痛みの解釈:脊髄神経と交感神経の関係性 など11項目 ![]() 3.モデル患者 1 80代 女性 先月初め転倒膝負傷 レントゲンにて膝蓋骨に小さな傷、穿刺血腫 主訴:下肢の浮腫 治療:交感神経節刺激で治療する (腰神経叢と仙骨神経節にたいして刺激を与える) ①体幹法 ②腰神経叢への刺激(腰方形筋と外腹斜筋間 4分持続圧迫) 背臥位にて ③腹直筋の触圧覚 ④腹横筋、内外腹斜筋を腸骨稜にそって前から腰神経叢刺激をおこなう。 ![]() 腹臥位にて ⑤大転子より仙骨神経叢刺激をおこなう ![]() 4.モデル患者 2 胸郭出口症候群 50代男性 主訴:橈骨神経領域にシビレ 治療:頸胸部の交感神経へのアプローチによる症状の改善 ①僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋への触圧覚 ②腹臥位で頚腸肋筋刺激、筋膜リリース ③小胸筋への触圧覚 ④鎖骨下筋刺激 ⑤第2、3肋間筋刺激 ⑥第6、7肋間筋刺激 ![]() ![]() 5.モデル患者 3 60代男性 主訴:肩の挙上不能 経過:左肩関節痛の治療中だいぶ良くなったので、歩きながら腕を回す運動をした際に 痛みを感じ、手が挙がらなくなる。 側臥位で手が挙がる→腱板部分断裂 治療:炎症、痛みを取る→星状神経節刺激 肩甲骨の動きを出す。胸椎5、6、7番の付着部を治療 ①体幹法 ②腹臥位にて、頚腸肋筋刺激 ③手を固定するための僧帽筋下部線維(67番脊柱、棘突起ヨコ)刺激 ④頭頸部法 ⑤横臥位にて、鎖骨下筋刺激 ![]() ![]() |
16日講義・実技 |
1.不良姿勢の改善方法(脊柱圧迫骨折後の治療) ①短縮痛を改善させる、動作の最初の痛み ②問題が起きやすい筋群、治療が効果的な部位と短縮部位に視点を当てる ![]() 2.モデル患者 1 50代女性 主訴:下肢の浮腫が酷い(原因不明) 治療:交感神経へのアプローチ ①体幹法(腰棘筋、最長筋、腰方形筋、後鋸筋) ②腰神経叢へのアプローチ(後方よりはじめ前方も)4分 ※腹腔ではなく腸骨筋に届くような刺激 ③腹直筋への触圧覚 ④仙骨神経叢へのアプローチ(大転子より) 優先順位 梨状筋付着部 仙結節靭帯 中殿筋大臀筋移行部 小殿筋 ⑤残った浮腫部への骨膜リリース(骨に対して垂直に) ![]() ![]() 3.モデル患者 2 60代男性 主訴:不良姿勢の改善 治療:短縮痛に視点をあてる ①体幹法(棘筋、最長筋) 腹臥位にて棘突起の状態を確認し、後方にある棘突起の上下短縮部を治療 ②棘筋(または最長筋)への横断マッサージ ③脊椎の回旋と伸展のモビリゼーション ![]() ![]() 治療前 治療後 4.モデル患者 3 女性40代、胸郭出口症候群 主訴:右上肢痛(前回モデル患者、症状改善) 治療:交感神経刺激 ![]() ![]() |
2018/07/15・16 |
---|