高齢者の腰痛と下肢痛の触圧覚刺激法介入におけるクリニカルリーズニング


今回は、腰痛を特異的腰痛と非特異的腰痛に分類し
その構造と病態について講義をして頂きました。
学校で学んだ大雑把な脊髄や神経の話とは違い、脊椎専門医レベルのとても深い内容を
教えて頂き、また私たち(柔道整復師)が治療介入できるテリトリーを素早く見分けられる
鑑別の仕方も教えて頂きました。

またリウマチ・手のシビレ・指の痛みに対する、刺激点と解剖・生理学
すべり症・椎間板ヘルニア・後縦靭帯硬化症の固定後の神経根圧迫部についても
説明をして頂きました。


  
        
クリニカルリーズニングの進め方

触圧覚刺激法のクリニカルリーズニングの進め方、
高齢者の下肢痛・膝痛の治療ポイントと脊柱の機能的構成要素と圧力の関係について、
椎間関節症・椎間板ヘルニアに対する腰痛体操の指導方法を丁寧に教えて頂きました。
(体操指導では、声のかけ方次第で随分と差が出る事を教えられ、
 受講生は大変驚かれていました。)


 

臨床実技

○触診・技術指導
  新入会員へは、体幹法や骨盤調節の操作法や股関節法そして、
  局所熱感や疼痛抑制に対する筋緊張の低下などについて
  経年会員へは、各手技に対しての習得と臨床においての疑問について

○モデル治療
 新入会員で腰痛・椎間関節障害の方と上部胸椎障害による腰痛の方がおられました。
 体幹法と骨盤の調節だけを用い簡単に疼痛をとり
 最後に自宅で簡単に行える腰痛体操の指導をされました。
 (新入会員の方は、今まで辛かった腰痛がほんのわずかな時間で治る体験を実感し
  大変驚かれていました。)

○臨床実技
 一人目・テニスプレーヤー:左股関節痛・外壁(臼蓋形成不全) 
 主訴は左臀部から踵の知覚異常・力が入りにくい
 治療は、体幹法と股関節法を用いて股関節の外壁を構成している筋群へアプローチをし
 症状を改善させました。
 併せて、
 股関節痛の発症時期と分類
 それに合わせたトレーニング方法(アクティブアシスト)と手順
 骨頭のスナッピングの確認方法 ―骨性・筋性、滑り・クリック、骨頭・臼蓋、前壁・外壁
 の説明をして頂きました。

 二人目:左股関節痛・前壁
 症状は左股関節の屈曲・伸展時痛
 前壁を構成している筋群を体幹法にて緩め、新入会員のために筋連結をもちいて
 マッサージも行い症状を改善されていかれました。
 最後に障害筋を緩めるための指入ポイントを2か所教えながら
 症状を改善させていかれました。

 三人目・マラソンランナー:右腸脛靱帯停止部痛
 症状は右膝屈曲時痛と伸展時痛
 会員のみなさまと疼痛部位の筋連結、支配神経の話をされているわずかな時間で
 リンパマッサージなどを用いて症状を改善させていかれました。
 (小林先生があんちょことおっしゃられた筋連結表は臨床家において
  非常にありがたい書物です)

3名への触圧覚刺激法が可動域・疼痛の改善に実施された各手技がどのように影響を与えるかを説明され、その結果どのような効果があるかを解剖、運動学を説明されながら実施説明されました。
この時間は、臨床に直結し、ポイントも理解し易く、応用もできるので特別講習会の中でも非常に貴重な時間です。
小林先生は、症状の原因と治療の手技を毎回説明されながら順序よく進めていかれます。
私たち会員にも理解し易いように、常に原因と手技の結果をフ―ドバックされながら淡々と進められます。

最後は、触圧覚刺激法研究会の名物・質問コーナーです。
腰痛に対する治療介入の見極め・ポイントの整理
馬尾神経症状について(排尿、排便など)
知覚神経根について(脱失など)
自律神経について(なぜ症状を出しやすいかなど)

小林孝誌先生監修による腰痛治療法は
非常に簡単で臨床において即効性抜群です。
しかし、その根本には触圧覚刺激法によるクリニカルリーズニングが必要です。
間違った方法、治療法をすると効果が無いばかりか悪化します。




<全体の感想>

今回も小林先生の直接の講演とご指導で、大変わかりやすく
明日から私たちの臨床にすぐ役立つ手技療法ばかりでした。
臨床において触圧覚刺激法は、
毎回バージョンアップされ応用範囲が益々広がります。
本当に非常にありがたく思っております。
そして、小林先生の恐ろしいまでの学術および臨床の凄さを
改めて確認することができました。
このような講習会を受講できたことは本当にありがたいことです。
私たち柔道整復師あるいは鍼灸師に惜し気もなく学術および臨床をお教えいただく
小林孝誌先生に感謝申し上げます。
少しでも私たちが小林先生に近づく事が出来るように、毎月の例会における反復練習はもちろん臨床において努力を続けなければならないと思いました。
今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。


次回の特別講演は7月17(日)18(祝)に行われます。


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