〓 | 長編情報小説『野望銀行』とあるが、改題前の『ラブ・オンライン』のほうがあっている。二流私大出の銀行員が、女子行員とのスキンシップを武器に出世街道を行く。男は「まめさ」と「体力」だというような小説。面白い。近くのローソンで売ってます。 |
〓 | いや〜面白かった。「多重人格障害」がテーマになっている。他の人格になれば、以前の人格は忘れ去られている。著者自身も催眠療法のカウンセラーであったそうだ。読心術のやり方は、微妙な身体の動きから、察知することも具体的に書かれている。この本も著者の自己催眠によって書かれたのかも知れない。 |
〓 | ストイックな松田優作の幼少時代から、ガンで死ぬまでを綴った本。全てにおいて手を抜くことができず、何かに追い立てられる様に生きた松田優作は、ブルース・リーのようでもある。 |
〓 | 面白くなかった。物語の意外性がない。 |
〓 | 『別冊宝島』を耽読していた「おたく」世代の著者が、昭和から平成にかけての社会思想、社会精神を『別冊宝島』に執筆した原稿の集大成。おたく、アニメ、コンビニエンスストア、現代思想など。最後の、等身大の自分から離れたところから出る、お題目の発言についての批判は面白い。 |
〓 | シドニィ・シェルダンの感覚で読んでいったが、なかなか話が進まない。引っぱり過ぎ。 |
〓 | <天才は誰でももってるんだよ。…その才能は、惚れた女が引っ張りだすものなんだよ。><写真家で気が狂った奴はいない。シャッター音が川に落ちるのをとめてくれる。>と天才アラーキーは語る。初の自伝。 |
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「自殺は選択肢の1つである。自殺をしても、他人に迷惑をかけるな。」という信念に貫かれており、非常に読みやすい。驚いたのは年間2万人という、自殺者の多さ。(交通事故の1.5〜2倍)
最近本屋で、『完全自殺防止マニュアル』という題の本も見かけた。
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〓 | B級ホームページの探索集。タイの「死体博物館」、謎のインターネット美女、「オリエント工業」の世界など、自ら「陸ネットサーファー」と名のる泉麻人独特の上品なお下劣さと面白さで解説されている。ばかばかしさの中にも、新鮮な驚きがある。 |
〓 | 中島らもの創作上方落語。1番面白かったのは『おかるとかん平』。コピーライター志望のかん平が、求人情報で見つけた広告会社に面接に行く。そこは「能力ある若者求む」ではなく「超能力ある若者求む」であった。霊感占いの田中佐和子も登場する。 |
〓 | 感情の伴わない、テクニックに偏った社会を嫌う著者の気持ちが良く伝わる。少々浪速節過ぎる気もするが、熱い男である。1989年から1994年まで『別冊宝島』に書いた民族学者大月隆寛の青春の記録。 著者は1959年東京生まれ。 |
〓 | 「泉鏡花は言葉の魔術師である」と山田風太郎は言った。明治27年から30年に書かれたもので、麻酔なしで手術をする『外科室』、『滝の白糸』の原作『義血侠血』など。あまりにもグロテスクなので、師の尾崎紅葉が加筆改訂をしたそうである。 |
〓 | やっと読んだ中島らもを。この著者とはきっと感覚が合うとは思っていた。やっぱり面白い。<今ある自分というものは、必然のよってきたる結果なのであって、「なるようにしかならなかった」から「なるようになった」姿なわけです。…努力というものはたいていの場合、「知らないうちにしている」ものです。> |
〓 | 世界情勢、環境破壊、天皇制…についての世間のドンチャン騒ぎは無気力になる要因。<それがどうしたのか?…社会問題は、わざわざ探すものじゃなくて、自分の身辺に転がってたり、自分の体に刻み込まれてたりするはずだ。>無気力製造工場からの脱出のきっかけの書。 |
〓 | 非常に面白かった。表の顔と裏の顔を使い分けるビスと暗い過去を持つチーナの最後の闘いはかなり迫力がある。 |
〓 | <幸せなんて「6000円」で買える。この間イラン人も売っていた。>脳と体をすっきりさせる実用書。「クスリ」「洗脳」「サイコセラピー」の解説書。「どうやって生きていくか」を「どうでもいいこと」にする本。著者は1964年東京生まれ。 |
〓 | オウム・サリン事件の前後に書かれた本。【終わらない日常】を生きるための知恵は、<私たち自らによって模索され鍛えられるほかないのだ。>「社会的経済的生活」に地に足をつけろと主張。呉智英を師匠として『荘子』などを読む。著者は1959年神奈川生まれ。 |
〓 | 本をたくさん読んで不良になろう!「本は一冊律儀にすべて読むことはない<テキトーなところを20〜30ページ読む>」というゴダール式読書術のすすめ。読書日記はつけるな、本棚には重ね置きは好くない。<すぐにヒケないから>など。著者は1958年5月9日生まれ。 |
〓 | あいかわらずするどいツッコミの社会学者である。ながいキーワードの目白押し。【未来の豊かさのために今を犠牲にする道具的志向】、【今ここを楽しもうとする消費的志向】、【価値伝達より「メカニズム改革」!】、【規制主義より「動機背景の操縦」!】、【「まったり」と生きる】、など。著者は1959年生まれ。 |
〓 | ひさびさのミステリー。インテンシティ(緊迫)の題にふさわしい内容である。ビスは狂っているのか、いないのか。常に冷静に行動するのは外人版酒鬼薔薇か?主人公チーナはなぜ再び犯人の車にのりこんだのか。さすがに超訳は読みやすい。 |
〓 | 池田晶子の本は我がこころのふるさとになりつつある。<「心に残る言葉」、それは必ずや、イデアをはらみ、イデアを指示し、言霊の力によって、いかにしても語り得ぬものこそ語ろうとしているもののはずだ。…考える魂に永遠に考え継がれてゆく理由である。> |
〓 | 土屋賢二の本はこれで3冊目。あいかわらず、強引で、笑える言い訳、屁理屈である。「滞英往復書簡集」はなかなかおもしろい。 一昨日、ダイアナ妃が交通事故で死んだ。南無阿弥陀仏。 |
〓 | 他人の言葉ではなく、自分の頭で考えたことがあるか!粉飾された思想は、粉飾された思想にふりまわされる。自分で考えていく覚悟を決めること。年下であるがなかなか(こわいねえちゃん)である。暑い日だ。著者は1960年生まれ。 |
〓 | <僕は人生論なんて話せないよ。だいたい、僕は横着で、やりたくないことはやらないできただけだもの>である。横着ものバンザイ!「コレデオシマイ」は勝海舟の最後の言葉。 |
〓 | 断筆前から断筆後の対談、インタビュー集。筒井ワールドについては井上ひさしとの対談での解説がわかりやすい。インターネットについての対談もおもしろい。 |
〓 | 西洋文化=メインカルチャーからカウンターカルチャー、そしてサブカルチャー。日本型文化=職人文化からオタク文化。「粋の眼」「匠の眼」「通の眼」がオタクの3つの視点。著者は【オタキング】と呼ばれている。著者は1958年大阪府生まれ。 |
〓 | モニタの世界だけで、すべてが可能になると錯覚することに関する警告の書。『カッコウはコンピュータに卵を産む』の著者。 |
〓 | 前著『われ笑う、ゆえにわれあり』の姉妹編である。2冊とも読んだのでおもしろさは5.82倍になった(著者談)。ウソ、屁理屈ゆえに断定的で、読むものにとっては痛快である。 |
〓 | 日本の集団の基本原理は義務と強制である「デタラメな日本紹介記事に抗議する」。そのほか「わたしはこうして健康に打ち勝った」「人気教授になる方法」など納得し、笑いのとれるネタ多数有り。著者はお茶の水女子大学教授(哲学専攻)。 |
〓 | 怪談は、理におちてはこわくない。あとで合理的解決というものをくっつけては面白くない。あたらしい人類「脳人」が出現する『二十世紀ノア』、白蛇のごとき妖艶な「弥々」の『蝋人』、『陰茎人』、『うんこ殺人』など。 |
〓 | 「幼形成熟」を引き起こしたおかげで、哺乳類は歯が無限に生え変わる能力を失った。酸素呼吸による活性酸素さえなければ、ヒトは120歳まで生きられるかもしれない? |
〓 | 進化とは…ラマルク:「用不用説」「獲得形質の遺伝」、ダーウィン:「突然変異」「自然淘汰」から「断続平衡説」へ、そして「ウイルスによる伝染病」へ。 |
〓 | <アパートの名は「人間荘」といった。だれが、こんなー平凡すぎて、あまりに意味ふかい名をつけたのか。>第六の間借人までの記録。短編の形を採った長編。 |
〓 | しつこい小説である。描写がねちっこい。架空の王国イラハイで、架空の時間に紡がれる、縦横無尽のストーリー。第5回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 |
〓 | 闘う女たちの記録である。悪魔のような刹奈紫之、読書好きの片桐かほる、スポーツウーマンの中井淳子など。解説・大月隆寛。 |
〓 | 二重体の女『双頭の人』『黒檜姉妹』。死刑執行十三時間前の『女死刑囚』。自分の女房を料理してふるまう『最後の晩餐』など。山田風太郎初期短編集。 |
〓 | <あと残された三年間に、じぶんに悦楽をあたえてくれる可能性のあるものは、たしかに女以外にはなかった。棺につつまれたような三年間ーそれは棺の中の悦楽にちがいなかった。> |