「ねぇ、ユウヒ?もし生まれ変わったら、また私達出会うかなぁ?その時は“初恋”で出会いたい?『初めての恋』で出会いたい?」

 「そうだなぁ。真っ白いキャンバスに好きな絵を描くのもいいけど、俺は、それ自体完成された絵の、色を替え、色を足し、俺だけの絵にしていくのがいい。これで完成だと思っても、エミを見てるとまた、色を足したくなる。そしてお前はいつもそれに応えてくれる。だからやっぱり『初めての恋』で出会いたい」

 「私は“初恋”でユウヒに出会って『初めての恋』でまたユウヒに出会いたい」



<裕久と絵美の場合>

 海に夕日が沈むように、静かに命を終える時が来たら、お前の腕に抱かれて命を終えよう。
 いや、そしたらお前は誰が守る?
 誰かの胸で泣かれるのも嫌だ。

 でも、お前が先に命を終えたら、俺は生きていけない・・。

 そうだこうしよう。
 命を終えるその日が来たら、お前を胸に抱いて看取ってやるよ。
 そしたらすぐに俺を迎えに来てくれ。

 お前は俺の腕の中にいる時だけ“ユウヒ”と俺の事を呼ぶ。
 俺も、お前を“エミ”と呼ぶのは、お前を腕に抱いている時だけだ。

 だからいつも、名前を呼びたいし、呼ばれたい。
 あっちの世界へ行ってもずっと名前を呼んで暮らそう。


 私が命を終える時は、しっかりと胸に抱いていてね。
 そしたらユウヒをこんな私から開放してあげる。

 あっ・・やっぱり駄目。
 だって、またリセットボタンを押されるのは嫌だし、私がいなくなったら、ユウヒ、一人で生きていけないでしょ?
 だから、すぐに迎えに来てあげる。

 あっちの世界でもずっと、腕に抱いて名前を呼んでね。
 私もずっと“ユウヒ”って呼ぶわ。

 私の『初めての恋』は素直じゃないけれど、ユウヒの腕の中では、何も怖くないし、とっても幸せよ。


 私達の『初めての恋』は、終わりのない恋。
 二人一緒にあっちの世界へ行って、神様の前で、誓いましょう。

 『愛してる』って。

 や・く・そ・く。
 二人の誕生石、サファイアのピンキーリングが重なる。

 「裕久愛してる」

 「絵美愛してるよ」

Eternal love                    

                                         
 

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