腕に伝わるお前の重みが、幸せを実感させてくれる。

 「愛夢さんは“負い目を忘れさせてやれ”って言ったけど、訂正してもらう。忘れなくていいんだ。負い目だなんて思わなくていい。それは、負い目なんかじゃなくて、お前の人生そのものだ。俺は、お前の人生そのまますべて、まるごとお前を愛してる。だから、お前に負い目なんて無いんだ。俺は、お前に会ってから、お前だけしか見てないし、お前だけを求めてきた。心の中にお前しか住んでない。これからもずっと変わらない。解かるな?」

 俺の胸をお前の涙が伝っていく。

 「泣くな。こんな事くらいで」
 「ここでだったら、泣いてもいいんでしょ?一人で泣いてるんじゃないから」
 「ああ、一人で泣くのは許さない」
 「一人で泣くような事をしないって約束して」
 「約束する。愛夢さんが言ったように、簡単な事なのに、なぜ勇気が出なかったんだろう?馬鹿だな俺は・・」

 「本当に馬鹿よ。こんな私に捕まって」
 「捕まえてくれるのか?」
 「逃げるなら今のうちよ。今なら、“ちょっとした過ち”で許してあげる」
 「怒るぞ!しっかり捕まえて、離さないでくれ。俺は、お前が逃げたいと言っても、絶対に離さない」






柔らかな朝の光が俺たちを包んでくれている。


そろそろ起こしてやった方がいいかな?昨日Wさんが、今日も朝から打ち合わせだって言ってたな。

でも、まだこのままでいたい・・・・・。

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