
わたしに
「見ず知らずのあんたに言われる筋合いはないわ」
「お前にあんたなんて言われる筋合いはない」
「じゃぁお前なんて言わないで」
「きつい女だな。旦那に逃げられるぞ。こんな所で飲んでないでさっさと帰って旦那や子供の世話でもしてやれ」
「むかつく〜」
「まぁまぁ、えっちゃんも裕もその位でいいだろう?止めとけよ」
「マスターの知り合いを悪く言いたくないけど、この最低男だけは別。あんたこそ早くママの所に帰りなさい」
「何だと、この最低女」
「ほんと、むかつく〜。マスター帰るわ」
「帰れ、帰れ」
「今度会ったら、一発殴ってやるからね」
「えっちゃん、許してやって。裕(ゆう)、あいつ、三村裕久(みむらゆうひ)って言うんだけど、僕の学生時代からの友達なんだ。この店の“夕(ゆう)”もあいつが付けてくれたんだよ。あいつ今夜はどうかしてるんだ。いつもは明るくてとってもいい奴なんだよ」
「あの最低男が?」
「えっちゃんも、いつもはあんな事言わないじゃない?」
「それはそうだけど・・。ごめんなさい、マスターに気の悪い思いさせちゃって。色々あって疲れてたのかも。また来るわ。あいつのいない時間帯にね。おやすみなさい」
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