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鍼灸とは-大阪府鍼灸師会会員の鍼灸院

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大阪市西淀川区柏里2-1-10(JR塚本駅西口から1分)

鍼灸医学-大阪府・日本鍼灸師会員の小西鍼灸院

 鍼灸とは

  • 1.薬物治療と鍼灸治療

    薬物治療は特定された原因に対して薬物をもって特定物質を抑制または促進させることにより病気の軽減・緩和を目指す治療です。それに対し、鍼灸治療はヒトに備わっている生体機能(ホメオスタシス、東洋医学では自然治癒力と呼ぶ)に対して鍼や灸の刺激からその機能を賦活させることにより病気の軽減・緩和を目指す治療です。そして、薬とは異なり副作用がない身体に優しい治療法です。病態によっては薬物よりも効果を発揮することもあります。身体に自然な治療として、薬物の補完治療として、鍼灸治療をご活用下さい。

    2.已病治から未病治まで

    薬物は特定された原因に働きかける治療であることから已に(すでに)発病した病気への治療です(已病治)。それに対し、鍼灸治療はヒトに備わっている生体機能に働きかける治療であることから、已病治はもちろんのこと、未だ(まだ)発病したとは言えない病気への治療が行えます(未病治)。つまり、鍼灸は病気から健康増進まで幅広く活用できる治療法です。

    3.身体に優しい治療法

    薬物は特定の物質を抑制または促進させるために副作用(生体機能に障害)が起こることがあります。それに対し、鍼灸はヒトに備わっている生体機能に働きかけることから副作用がない身体に優しい治療法です。よって、薬物は症状が増えるほど多種多剤になり副作用リスク(飲み合せの問題)が生じますが、鍼灸は複数の症状に対して治療しても副作用が生じない身体に優しい治療法です。

    4.治療点となるツボとは

    よくツボと呼ばれますが、ツボは先人が長い歳月に渡る治療経験則から集約された治療点です。その概念は中国医学の経絡学に基づくもので、専門的には経穴、奇穴、阿是穴があり、その数はWHO(世界保健機関)の基準だけでも361穴あります。そして、よく何のツボと呼ばれますが、ツボは症状に応じて選定し組合せて用います。それを処方配穴と呼びます。

    5.東洋医学編(中国医学)

    中国医学では、円滑な生命活動を営むために人体のあらゆる部位とあらゆる部位が密接に連絡をとる機構があるとし、それを「経絡」と呼んでいます。人体には各々に特性をもつ十四の「経脈」があり、それらは「絡脈」という連絡路で繋がり、経脈に連なるものが相互扶助により生命活動を営んでいます。よって、心身に現れる症候は経絡が変調した証となり、その変調を矯正し、本来の調和を取り戻せば心身の不調は回復に向かうと考えます。言わば、自然治癒力の賦活です。その治療法が鍼灸治療で、先人が長い研究の末に編み出したものです。その治療点をツボ(経穴)と呼びます。
    ちなみに漢方は、日本に伝来した方術(医術)が古代中国の漢時代のものであったことから漢時代の「漢」とその方術の「方」から造られた和製造語です。つまり、漢方薬とは漢時代の薬を指し、漢時代の医術に鍼灸があったことは言うまでもないでしょう。


    6.西洋医学編

    西洋医学が鍼灸に注目する理由は、①身体に自然な医療(薬の様な副作用がない、手術の様な身体的負担がない)、②自然治癒力を高める医療(自然治癒力:身体全体に作用する薬はない)、③薬・手術とは異なる第3の医術(様々な効能が立証されている点)です。
    鍼灸のメカニズムの全容は未だ解明途上ですが、鍼や灸による刺激が脳の特定分野や全身にある受容器を刺激し、オピオイドペプチド(神経およびホルモンの調節物質)などが賦活されることにより、鎮痛系、内分泌系、消化・代謝系、免疫系、精神系などに作用すると考えられています。
    その効能は、日本、中国、韓国はもとより、WHO(世界保健機関)、NIH(アメリカ国立衛生研究所)、BMA(イギリス医師会)、ドイツ衛生保健局など先進国の公的機関に認められ、100以上の国に西洋医学の補完医療、代替医療として広く活用される医療です。


    ウィスコンシン医科大学教授 高橋徳

    「鍼治療の自律神経調節作用」
    延髄にある細胞群「孤束核」は循環器系、呼吸器系、胃腸系から送られてくる求心性内臓情報を中枢に伝える”中継”の働きをします。近年では皮膚からの知覚を受け取り中継していることが分かってきました。孤束核は、内臓機能の調節に大きな役割を果たしている迷走神経(副交感神経)の起源である迷走神経背測核に隣接しており、一方で、脳幹にあり交感神経の起源である延髄吻側腹外側野にも投射して繋がっています。
    この孤束核が鍼刺激によって、ひとたび興奮すると、延髄にある迷走神経背側核と延髄吻側腹外側野の両方、あるいはどちらかが活性化して、自律神経(副交感神経と交感神経)機能は変化を受けます。これが自律神経調節の働きに繋がっていると考えられます。

    「鍼治療の抗ストレス作用」
    視床下部から放出されるオキシトシンは副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)の発現を阻止することで抗ストレス効果を発揮します。鍼治療の抗ストレス効果は、鍼が視床下部を刺激して、オキシトシンが発現され、それによって調整されるものと考えられています。慢性ストレス負荷後の鍼治療では、視床下部でオキシトシンが増え、CRFが減るのが確認されています。その結果、慢性ストレスにさらされても、内臓の機能異常が見られなくなります。
    「鍼治療による鎮静効果」
    痛みを和らげる効果(鎮痛効果)には、オピオイドを放出する神経細胞の働きが重要です。脊髄から脳へ伝えられる「痛み」の情報は、延髄のレベルで中脳水道周囲灰白質から放射されているオピオイド神経によって抑制を受けます。これをオピオイドの下降抑制と呼んでいます。鍼治療による鎮痛効果は、鍼の刺激を受けて起こる内因性のオピオイドによって調整されていることが確認されています。

    東京都健康長寿医療センター研究所 自律神経機能研究室 研究部長 堀田晴美

    「鍼治療による血液循環改善作用」
    鍼刺激に血液循環の改善作用があることは動物を用いた研究で証明されています。そして、麻酔した動物において再現性の良い反応が見られることから、そこには心理的な影響とは無関係の「反射」の仕組みが存在すると考えられます。その反射には、皮膚や筋を支配する「体性感覚神経」と、心臓や血管を支配する「自律神経」が関わることから、「体性-自律神経反射」と呼ばれています。
    鍼刺激によって皮膚や筋が刺激されると、その部位を支配する体性感覚神経が興奮します。その情報は脊髄や脳へと伝えられ、心臓や血管を支配する自律神経の活動に影響を与えます。これは脊髄を中枢とする「脊髄反射」と、脳を中枢とする「上脊髄反射」によるものですが、脳も脊髄も介さずに末梢で起こる「軸索反射」もあります。鍼灸治療は3つの反射性メカニズムから血液循環を改善する作用があります。

    以上、日本鍼灸師会冊子「はりのチカラ」より抜粋。

    鍼灸治療の有効性はWHO(世界保健機関)などの公的機関に認められており、疾病の予防・治療に応用される医療で、検査では異常が認められないものから、薬が効きにくいものまで広く活用されています。これを機会に鍼灸治療をご活用下さい。

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